早いもので今年も11月になってしまいました。残りわずか一月半です。
ところで前回の10月分に、間違いがありましたので、訂正します。
それは近江の君が作ったおかしな句として、
「常陸なる駿河の海の須磨の浦に 浪立ち出でよ箱崎の松」を紹介しました。
ところがこの句は、近江の君の作ではなく、弘徽殿女御のおそばの女房・中納言が、女御の代作として、わざと下手に作った句でした。
近江の君が作ったのは、こちらの句です。
「草わかみひたちのうらのいかが崎いかでもあひ見む田子の浦浪」
リンボウ先生の訳ではこのように書かれていました。
「まだ萌え初めた草の未熟さに、あの常陸の浦のいかが崎ではございませんが、いかにしてお目にかかることができましょうか。田子の浦の波のような私は」という意味でした。
ということで、この回は「常夏」をもう一度、復習したのでした。
大事なところを間違えて、大変、失礼いたしました。
近江の君は素っ頓狂な女性として、書かれていますが、それでも句は作れるし、愛嬌があるようですので、私としては可愛い女性だと思いますよ。上級の女性からは見下されているようですが。
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この日の装い。
Uさんは、ぐっと落ち着いた黄八丈。黒い帯とよくマッチしていますね。「大人の黄八丈」といった感じです。
私は深緑色の紬(単衣)と、同系色のざっくり帯。芥子色の帯締めが、Uさんとリンクしていますね。
うしろ姿はこんな感じでした。