2016年6月30日木曜日

2016年梅雨どき 大原と大塚 2 ~概要~

旅行から帰ってきて数日たちましたが、その間にあれこれあって、なかなか旅行記がアップできませんでした。

あれこれのうちの一つは、孫娘の入院でした。
それでも無事退院できて、私もほっとしたので、ようやく旅行の思い出に浸り直そうかという気分になってきました。

今回の旅行はこのようなルートでした。

1日目:羽田空港→鳴門空港→岡山県倉敷市・大原美術館で自由鑑賞→鳴門のホテル泊

2日目:ホテル→徳島県鳴門市・大塚国際美術館で自由鑑賞→鳴門の渦潮見学→鳴門空港→羽田空港


(鳴門市の朝顔)

今回の旅行はこんなふうに、美術館巡りだけに重点を置いたツアーでした。

行き帰りの飛行機と、途中のバス、宿の手配は旅行会社の手配で団体扱いでしたが、その他の時間はすべてフリータイムでしたので、みんなでゾロゾロと歩いたり、同じ食事をいただくという拘束がなかったので、自由に行動できてよかったですね。

ただし、行きの飛行機が朝7時30分発というスケジュールだったので、始発電車とリムジンバスで羽田まで向かいました。
でもそんな早い時間でも、車内には多くの人が乗っていて、世の中には早くから働いている人も多くいるのだ、と再認識した次第です。

また私は一人で出かけるときは、飛行機でも電車でも、座席は必ず通路側を指定するのですが、今回は窓側の席に座るように指定されていました。

ふだん、飛行機の窓の下を眺めることがないのですが、こうやって見てみると、日本という国は、なんと緑の多い、そして川が蛇行している土地なのだろうということが改めて認識できました。


(飛行機の窓から)

いつもは東京に住み、交通や買い物には便利な生活をしていますが、飛行機の上から眺めると、日本はなんと山の多い国なのだろうと、気づかされます。

そして山の間をくねくねと流れる川が走り、ごく少しの平野に人口が集中しているわけです。

この国を治める人たちにも、たまには空からじっくりと日本という地形を眺めて、山国の恐ろしさを知り、災害対策を真剣に考えてもらいたいものだと思いました。

そしてまた、日本の中心は東京ばかりではない、地方に住む多くの人たちのことを考えなくてはならないのだ、と思ったものなのでした。





2016年6月29日水曜日

着物交換会で断捨離

先日、「きもの倶楽部」の好例「着物交換会」▼に行ってきました。

今回は心を鬼にして、持ってきたもの以上のものは、持ち帰らないようにしました。

おかげで、断捨離も少しは進んだようです。

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旅行用のスーツケースに、着物や帯、小物、和のアクセサリー、お誂えの残り布、着物雑誌などを詰め込んで、会場に出向きました。

この日はかなり暑い日でしたので、荷物を抱えての電車の乗り換えは、汗をかかないように、ゆるゆると行いました。

今回の会場は、和裁士Hさんの作業所。

すでに15名くらいの方が参加されていましたが、私は挨拶もそこそこ、着いたとたんに、扇子でパタパタして、しばし汗が引っ込むのを待ちました。

それぞれ持ち寄ったものを、お店のようにディスプレイしました。

こちらは帯や小物のコーナー。
写真では見えませんが、上の段には道行や羽織などもたくさん置かれました。


こちらのお部屋は着物コーナーです。
袷コーナーと、単衣・浴衣コーナーに分かれていました。
これはごく一部で、反対側にもたくさん並べられていました。


さて、20名の女性がきもの倶楽部のぶちょーMさんの号令と共に、争奪戦(?)となりました。

まだ着物は初めてという若いお嬢さんや、戦意満々の方もいて、それぞれ試着をしたりして、欲しいものはしっかりと手に入れたようです。

私は寸法がぴったりと合うもの、使用頻度などを考慮して、その基準をクリアするものしか選ばないと決めていました。

とはいえ、何もお土産がないのは寂しいので、
「そういえば赤い夏帯がなかったな」と思い、こちらのまるで新品で折った形跡もない絽の帯をいただくことにしました。


写真よりも朱色の帯ですが、ばあさんになっても夏は赤い帯なら許されるかも?

参加者のみなさん、それぞれいいものを見つけて、第一ラウンドは終了。

お茶を飲んで、しばし、休戦となりました。

そして、休憩後には第二部の後半戦が始まりました。

こんどは一点ずつ、ぶちょーさんが品物の講釈をして、引き取り手を求めます。
というのは、この着物交換会は、引き取り手がない場合は、自分で持ち帰らないとならないシステムなので、誰かに引き取っていただきたいのです。


ぶちょーさんの説明を聞くと、いままでとは違った良さに気づき、「それなら私がいただきます」という方のところに、お嫁入りすることになるのです。

実はこちらの帯は最後まで引き取り手がなかったのですが、未使用の美しい豪華な帯でした。
「海外のお土産にしよう」と思って、私が頂くことにしました。


私が持ち込んだものは、最終的にはすべて、どなたかの手に渡りました。
寸法が小さいのでどうかしらと思っていた着物もありましたが、お嫁入り先で、一回でも着ていただけたら嬉しいですね。

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この日の装い。

叔母の遺品の浴衣ですが、半襟を付けて着てみました。
小花模様なので、あまり浴衣っぽくないから着物風に着てみてもよいでしょう?


帯は高幡不動の骨董市▼で購入した紺色の絽の帯。

少ししか見えていませんが、グリーンの絞りの帯揚げも叔母の遺品です。

楽しい着物交換会でした。
お世話役のぶちょーさん、そして場所を提供してくださった和裁士さん、どうもありがとうございました。





2016年6月28日火曜日

素敵なおばあちゃま二人

先日、高幡不動の骨董市に行きました▼が、そのとき、素敵なおばあちゃまに遭遇しました。

お一人は75歳くらい(?)でしょうか、白髪のスラリとした方でした。
とても素敵な着姿だったので、「お写真を写させていただいて、よろしいですか」とお声がけしました。


「なんというお召し物なのでしょう」とお聞きしたところ、
「ただの紬よ」とのこと。
あっさりした方でした。
この時は私は洋服だったので、たぶん、あまりうんちくを垂れても分からないだろうと思ったのでしょうが、そういう押しつけがましさがないところが良いですね。

帯は沖縄のミンサー織でした。

「何も高いものを着なくてもいいのよ。
この帯も、刀のつばの帯留も、ここの骨董市で見つけたのよ」とにっこり。

肩ひじ張らないお話ぶりでしたが、着物を楽しんできていらっしゃる様子がよく伝わってきたおばあちゃまでした。

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もう一人のおばあちゃまは、お店の売り手の方でした。
着物や帯がとても大好き、ということがよく伝わってくる方でした。

写真の☆印の方ですが、実はこのおばあちゃま、85歳なんだそうです。
私は内心、「かなりお年だろうけれど、80にはなっていないかな」と思っていたのですが、見事に裏切られました。


私が「夏は藍色や水色の着物ばかりだから、黄色の帯とかを探しているのだけれど、おススメはないかしら?」と尋ねると、
「そういう着方は野暮なのよ。お腹のところに別の色がくると、スラリと見えないの。
粋にするには、同系色でまとめたほうがずっと良いのよ」ときっぱり。

というおばあちゃまのアドバイスで、紺色の帯を買ってしまいました。

家に帰って、夏の着物に合わせてみましたが、すっきとしていいかも。

淡い水色の麻の着物に合わせたところ。


こちらは濃い色同士ですが、透けているので、暑苦しくは見えないと思います。


こういう素敵なおばあちゃまに出会うことができるので、骨董市巡りは止められないのです。

私も世間から見れば、年寄りの部類に入るわけですが、自分よりも恒例の素敵な高齢者に出会うと、それだけで生きる楽しみが湧いてくるようです。ちょっと大げさですが。



2016年6月27日月曜日

骨董市×あじさい祭

岡山県倉敷市と、徳島県鳴門市にある二つの美術館巡りから戻ってきました。

旅行記はちょっと後ほどにして、先日でかけた高幡不動尊の骨董市「ござれ市」のご報告から。
ここは、東京の西部、日野市にあるお不動さんです。
骨董市にはずいぶんと何回も来ています。


この日は、ちょうど「あじさいまつり」が開催中で、時期を逸してしまうと、あじさいは見頃を過ぎてしまいます。

午後は用事があったので、早朝に出かけました。

まだ人出は少ないのですが、「あじさいまつり」に釣られてやってきた観光客も多く、だんだんと人が集まってきました。

高幡不動には7500株ほどのあじさいがあるそうです。


ここは88か所巡りをしながら何種類ものあじさいが楽しめるところです。

毎月第三日曜日に開かれている骨董市も、あじさいのおかげでいつもよりも情緒豊かに感じました。


いつもの骨董市では、着物を目当てにブラブラするだけで、不動尊の奥のほうまでは行かないのですが、この日はあじさいにつられて、奥にあるお庭も見学してきました。

高級そうなカメラを持っていたお兄さんに、私のスマホで写真を撮っていただくようお願いしたのですが、「ぼかぁ、スマホって触ったことがないんです」と言いながら、ようやく写していただいた一枚です。
写真を写していただけるだけでラッキーなのですが、お年寄りだとスマホに慣れていない方は、ほとんどが連写になってしまいます。


池のところにも行ってみました。


いろいろな種類のあじさいがありましたが、やはりシンプルな形で、オーソドックスな色のあじさいがいいですね。


この日は、馴染みの骨董市のおじさんがお休みだったので、ちょっとした端切れを買ってきただけでおしまい。

お買い物はそれだけでしたが、あじさいで満足しました。

高幡不動尊▼のあじさいまつりは7月8日まで開催です。


2016年6月24日金曜日

2016年梅雨どき 大原と大塚 1 ~出発~

今日から大原美術館と大塚美術館の旅に出かけます。

大原美術館は「蔵の町」として有名な倉敷市にある古い美術館で、日本初の西洋美術館です。


これに対して大塚国際美術館は鳴門市にある美術館で、大塚製薬グループが運営する美術館で、世界中の名画の陶板画があるところです。


どちらも前から行ってみたいところでしたが、両方が一度に行けるというツアーがあったので、申し込んでみました。

安いツアーなので文句は言えませんが、羽田集合が朝の6時半。
ということで、始発で出かけます。

こんなに早くから出発するなんて、一人旅ではありえません。

さて、どんな旅行になるのか、お楽しみ。


2016年6月23日木曜日

「ちっちゃな手づくりマルシェ」

先日、地元の素敵な「Gallery & Cafe Warehouse Garden(ウェアハウス・ガーデン)」▼で、「ちっちゃな手づくりマルシェ」▼が開かれました。
この会はもう8回も開かれているようです。

「ウェアハウス・ガーデン」は先月、水引アクセサリーのイベントで出かけて、素敵なところだと発見して嬉しくなったところです。
その時のブログはこちら▼

またいつか行ってみたいなと思っていたところ、たまたま知人のSさんが「ちっちゃな手づくりマルシェに出店します」という情報をfacebookで知って、ぎりぎりの時間でしたが、ちょっとだけお邪魔してみました。


手づくり作家さんたちが自ら作ったものを、自ら販売するというスタイルでしたが、とても和やかで家庭的な雰囲気でした。

スミレの花を樹脂加工したアクセサリー、ビーズ織りをプラスした大ぶりのアクセサリー、麻の編み物バッグなどいろいろありましたが、どれも個性的で、「作って売るという」ことの楽しさが伝わってくるような品ばかりでした。
それにお値段もとてもリーズナブルで、「えっ、こんなに安くては材料費も出ないのでは?」と心配してしまうようなものもありました。

その中で、自分へのお土産にしたのはこちら。
サンドブラスト加工という製法の小さなグラスです。
というのは、このグラスには私の星座である「かに」の絵が描かれていたからです。
作家さんにお話を伺うと、彼女も私と同じかに座であることが分かり、思わず「では、それをいただきます」ということになりました。


もう一つは、孫娘へのお土産。
夏に1歳になる孫娘に、可愛いヘア飾りを付けてあげたいというおばあちゃんとしての願いがあるのですが、彼女はすごい薄毛で、どんなものを付けても、頭から滑り落ちてしまうというのが悩み。
ところが、こちらのMm’s ribbon▼さんの製品は、ご自身の子育て経験から、滑り止め付きの小さなリボンを作っていました。
「ベビーにも安心して使える」というのが売りのようです。
可愛いお嬢ちゃんも一緒で、実感がこもっていました。


お話を聞いてみると、私のようなおばあさんはピンクのものを買いたがる傾向があるが、母親サイドでは、もう少しシックなものが好みなのだとか。
それも分かりますね。
おばあさんはどうも幼児趣味になりがちで、私もピンクのものを買ってしまいました。


サイズは大小ありますが、大きい方は母親(娘)用に買ってみました。

このマルシェのことを教えてくれたSさんは皮細工を出店されていました。
でも時間がなくて、写真を撮るのを忘れてしまい残念。
ワンピースの胸元を飾るブローチや、裏と表で二面使用できるピアスなど、お洒落でセンスがあるものを作っていました。
皮の帯留があると素敵だなと思ったのでした。

みなさん、作って売ることの楽しさが伝わってくるマルシェでした。

私自身は不器用なため、素敵なものを作ることはできないのですが、せめて身につけて、その楽しさを味わって、みなさんにもお伝えしたいと思っています。




2016年6月22日水曜日

「ゆめこもん」3周年

吉祥寺の「ゆめこもん」▼さんが、6月21日で開業3周年を迎え、感謝セールをするというので、先日、駆けつけてきました。

実はこちらの看板、私が大好きな色の組み合わせなのです。
ブルーからグリーンへのグラデーションの看板を見るたびに、「何か良いものがありそうだな」という予感が湧いてきてしまいます。


今回は、お店の中にある畳コーナーの上に置いてある商品はすべて半額、他の商品も2割引き(ただし特別のブランド品は除く)という太っ腹なセールでした。

畳の上にあったセオアルファの反物に心が動きましたが、長襦袢のお仕立ても待っているし、と心を鬼にして我慢しました。
その代わりに、夏用のヘチマの帯枕を2割引きで買ってきました。

3周年記念にちなんで、前にゆめこもんさんで誂えた木綿ちりめんの着物を初下ろししていきました。
こちらは反物の状態のときの写真です。
京都のひでやさんという工房のものですが、Yの字のような模様が面白くて購入しました。
私は秘かに「テトラポット模様」と名付けていますが。


着てみた感じは、とても軽くてサラサラして、気持ちがよいですね。
でも私には派手な感じがして、ちょっと気恥ずかしさがありました。

「ゆめこもん」にお手伝いに来ている着付けの先生であるYokoさんには、いつもいろいろとアドバイスをしていただいています。

この日は、半巾帯の前側の部分を、オシャレにアレンジする方法を教えていただきました。
ちょいとひねるだけなのですが、帯の裏側が見えて、アクセントにもなるし、ぎゅっと締まるので帯締めいらずで、引き締まった感じがしました。


後ろはこんな感じ。
二人とも、Berry工房さんの帯です。

Yoko先生は、私よりも20センチも背が高いので、チビな私に合わせるために、足をかがめていましたが、それでもまだ高いわね。

「ゆめこもん」のご店主さんは、実は他業種から転職した方なので、呉服屋さんらしくないところが、気楽に足を運べる魅力となっています。
そしてこちらのワガママな希望もかなえてくれるお店だと思います。

来年は還暦おめでとうセール、期待していますね。

これからも奥様ともども、どうぞ夢のある着物ライフを提供してくださいね。






2016年6月21日火曜日

「サウンド・ドラマ体験講座」 4

5月から始まった「サウンド・ドラマ体験講座」ですが、今回は2回目のオーディションでした。
オーディションと言っても、こちらから立候補するのではなく、単に名簿順に廻ってくるだけなのですが、やはりキンチョーします。


前回▼とはまるで違った台本を渡されましたが、男女がペアになって台詞を読み、その後に先生が講評するというスタイルは同じです。

今回の台本は、実際にテレビで放映されたドラマの一部だそうです。
ちゃんとした俳優さんが演技をされたそうですよ。

登場人物は、奥さんのいる男と、その男の二号さん。
その二人の会話なのですが、先生は「もっと早くテンポよくしゃべって」と言ったかと思うと、「そこはもっと間を取って読んで」といろいろと厳しい注文を出されます。

また台本に書いてある字づらだけを読むと、それでは実際の会話や対話にはならないとのこと。
「朗読劇」とは違うと言われました。

とはいえ、参加者はほとんど素人なので、そんなに上手に話せるわけではないので、先生にはいささかまどろっこしく感じられたかもしれません。
とくに、私などはこの講座の内容をちゃんと吟味していたわけではないので、なんだかおっかなびっくりで、未体験ゾーンに入ってしまった感じです。

オーディションで喋るのはほんの数行なのですが、これで声の調子とか、うまい下手とかが分かるのか分かりませんが、来月にはきちんとした台本と配役が決まるのだそうです。

それで夏の間ずっとお稽古をして、10月には収録、11月には地元のFM局で放送されるのだとか。

みんなの下手なところは、バックグラウンドミュージックや効果音でごまかすようです。

とにかく、マイクに乗るような大きな声を出せというご指示ですが、うまくいくのでしょうか。

口が渇いて、ペットボトルに何回も手が伸びました。


参考までに、「アトルタ サウンドドラマコレクション」▼でラジオドラマを聞くことができます。
お手本になるとのことです。

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この日の装い。

京都のひでやさんの木綿ちりめんの着物と、名古屋のBerry工房さんの半巾帯です。


外を歩けば暑いのですが、スタジオはかなり冷えているので、着物でちょうど良いですね。

受講生の方から、「涼しそうでいいですね」とお声掛けいただきましたが、それは喜ばしいお言葉です。
他人様に「暑苦しそう」とか、「寒そう」などと思われないような着物姿でいたいものです。

ただし私自身は冷えと外反母趾の対策のために着物と草履を着用しているので、お洒落をしているつもりはないのですよ。


2016年6月20日月曜日

「創造展」

同じ市内に住んでいらっしゃる若手の染織家さんが、創造展▼で受賞されたので、先日、上野の東京都美術館まで出かけてきました。


「創造展」の歴史を見ると、昭和22年(1947年)に創造美術会が設立され、その年には発会展を開き、翌年の昭和23年に第1回展覧会が開かれている展覧会です。
戦後まもなくからスタートして、その後はずっと東京都美術館で開催されています。

現在は洋画、日本画、染織画、彫刻、陶芸の部門から成り立っています。

彼女は染織画で「誠和賞」を受賞されました。誠和という染料会社からの受賞だそうです。
おめでとうございます。
努力の賜物ですね!

こちらがその作品「忘れ潮」。
写真では色がうまく出なくて残念ですが、実物はとても柔らかい雰囲気できれいな色の織物でした。


クスギという植物の実や葉などでご自分で染色された糸を、織り上げて、そして手でほぐしてふんわりとさせたものだそうです。
淡い色がとても彼女らしくて、好感が持てました。

ピンクのお洋服とマッチしていますよね。
実は彼女は新婚さんで、とても初々しい女性です。


彼女の作品の隣りには、なんと私のお気に入りでもある、京都の着物屋さん「kaonn」▼のスタッフでもある女性の作品も展示してあり、びっくり。
世の中って、こういう繋がりがあるから、面白いですね。


私は絵画や彫刻、陶芸などにはまるで疎い人間なので、作品の良しあしは好きか嫌いかでしか判断できないのですが、どれもアイディアに優れていて、ほんとうに多くの美術家がいらっしゃるのだと思いました。

こちらは陶芸の部ですが、ちょっと気になった作品をアップしてみます。

ステンドグラスを使ったという大きな作品。人の大きさくらいでしょうか。
何を表現しているのかよく分からないのですが、ブルーがとても鮮やかで素敵でした。


「問題」の多い、東京都知事ですが、知事賞受賞作品は、石のようでもあり、お菓子のようにも見える面白い作品でした。
表彰状は誰の名前になるのか、気になりますね。


この日はギャラリートークの日でした。
制作者や審査員の方が、制作で苦労した点、工夫した点、良かった点などを忌憚なく話してました。
そういうお話を聞いてみると、まるで素人の私でも、絵画や工芸品を鑑賞するときの視点が少しは分かってきて、とても面白かったと思いました。

ギャラリートークは、こんな様子で開かれていました。


その後は上野を散策。

初夏のような日差しでしたが、緑の中を歩くのはとても涼しくて良い気持ちでした。


上野にも古墳があるのに気づきました。
「すり鉢山古墳」というのだそうです。
弥生式土器が出土して、約1500年前の前方後円式古墳だそうです。

小山のようにこんもりとしていて、頂上ではお年寄りが椅子に腰かけてのんびりとしていました。


上野の締めは、「みはし」▼でかき氷。
シンプルにあんこと白玉だけ。
粒あんが上品な味で満足しました。


ここは、昭和23年、まだ戦後の混乱期に上野で開業されたという昔ながらの甘味処です。


ボリュームのある今風のかき氷もいいけれど、昔ながらのかき氷もいいわね。

奇しくも「創造展」は昭和22年スタート、「みはし」は昭和23年開業、そしてこの私は昭和24年に生を受けたという戦後トリオだったのでした。

偶然でしたが、なんとなく不思議なつながりですね。

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この日の装い。

30度近い気温になるというので、「6月は単衣」などというしきたりは無視して、絽の着物にしました。でも割と透けた感じはしないので、まぁいいでしょう。


百合の花の刺繍の帯は、ちょいとラメ入りで、千円の割にはお買い得かな。


見ていただきたいのは、こちらの半襟。


以前、地元の「もえぎ家」さんでヨモギで染めた▼半襟です。
絽目がきれいに出てくれました。



2016年6月19日日曜日

歌舞伎鑑賞教室「魚屋宗五郎」

年金生活者のため、歌舞伎鑑賞も安い切符で見ることが多いのですが、国立劇場▼の「歌舞伎教室」はお得な席です。


これは中学生や高校生を対象にした初心者向けの解説が事前にある歌舞伎ですが、お芝居そのものは他のものと遜色がありません。

今回は89回目の歌舞伎鑑賞教室となるそうです。

お芝居の前には、若手の役者さんたちが司会進行をして、歌舞伎の見方やしきたり、ストーリーなどを分かりやすく説明してくれます。
これはお芝居を見慣れている人にも、意外な発見があったりします。

おまけに国立劇場は3階席でもよく見えるので、他の劇場よりもずっとお得だと思います。

そんなわけで、先日は高校生たちと一緒に「新皿屋鋪月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)魚屋宗五郎」」を見てきました。


地下鉄の半蔵門駅に着くと、男子高校生たちがものすごい雄たけびをあげていて、内心、こんな子供たちと一緒に見るのはちょっと嫌だな、と思ったのですが、いざ幕が開くと、舞台のスケールの大きさに圧倒されて、真剣に見ていたようです。

解説の中で、黒御簾(学生向きにはブラインドと説明していましたが)の中で演奏している鳴り物の紹介がありました。
普段はお顔を出さない鳴り物の方たちも登場して、音を奏でていました。
この音を聞くだけで、歌舞伎の演出効果が高まりますね。


お芝居は幕末から明治初期に活躍した河竹黙阿弥の作品でした。
中村橋之助さんと中村宗生さんの親子共演が見もの。
橋之助さんは、主人公が酒乱になるところなどさすがにお上手でしたね。

実はこのお芝居には、地元の市民歌舞伎の指導役であり、私も市民カレッジで授業を受けた中村芝喜松さん▼も出演されていて、上品な奥様役をされていました。

お芝居が終わった時、鳴り物の福原鶴十郎さんからお声がけいただき、国立劇場の舞台裏を案内していただきました。
ちょうど午前の部と午後の部の間でしたので、お客様のいない観客席を眺めることもできました。


舞台の裏には大道具や、その日のお芝居には使用しない小道具などもたくさん置かれていて、巨大な倉庫のようでした。

そして黒御簾の中にも入らせていただくという、超ラッキーな体験をさせていただきました。

ここに座っていると、お客さまのお顔が良く見えるということは聞いていましたが、本当に外が良く見えるのでした。

写真は三味線の方が座る場所です。


大太鼓をたたく真似もさせていただきました。
照明が明るいと、客席から見えてしまうので、暗くしてあります。


「関係者以外お断り」という役者さん用の食堂にも入ってみましたが、舞台から想像するような豪華絢爛な食堂ではなくて、普通の社員食堂のような感じだったのは意外でした。

他にも舞台の下にある地下の施設も見学させていただきました。地下は巨大工場のようになっていて、とても迫力がありました。

この日は舞台裏まで見ることができて、とても幸せな時間を過ごすことができました。
鶴十郎さん、どうもありがとうございました。


このお芝居は6月24日まで上演されています。

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この日の装い。

かなり暑かったので、淡いグリーン色の単衣です。


帯は、横が越後の麻糸、横が柿渋の和紙で織られたものです。
焦げ茶にブルーの細い線が入っているのがお気に入り。

帯締めは京都のkaonn▼さん。
とても発色がよくて、他のものが少々ださくても、この帯締めをするだけで得点が上る帯締めだと思いますよ。