2010年12月11日土曜日

吉屋 信子さん

前に宮尾登美子さんの「平家物語」がすごく面白かったということを書きました。
10月19日のブログ


そんなに面白いお話なら、違う著者の本も読んでみようと思い、その後に吉村昭の「平家物語」を読みました。


こちらは1冊のみのダイジェスト版でしたが、あらすじを書いただけのもので、人間同志の絡み合いとかはまるで書かれていなくて、源氏との戦闘場面ばかり。私にとってはまるで面白くありませんでした。なんだか高校の詰まらない古典の授業を受けているみたいで、読むのが退屈でした。

それでも懲りずに今度は吉屋信子の「女人平家」3巻を読みだしたら、これが面白いのなんの、わくわくドキドキしながら読み終えました。
吉屋さんの平家物語は平清盛の奥さんである時子さんと、6人の娘たちを中心に描いたものなのですけれど、登場する人たちは見目麗しく、そして言葉づかいも奥ゆかしくて丁寧で、あでやかさに溢れ、そして最後には栄華を誇った平家の人々が海の底に沈んでいくというさまが本当に見事に描かれていて感激しました。

こんなに面白い小説を書いた吉屋信子という人のことをもう少し知りたくなったので、今は田辺聖子さんが書いた「ゆめはるか吉屋信子」という超分厚い本を読んでいます。
吉屋信子が亡くなったのは昭和48年だそうなので、私も少しは記憶になるのですが、なんとなく少女小説を書く断髪の人、というイメージが強かったのですが、いえいえ、大した方なのです。


これは吉屋信子の生まれてからの足跡をたどりつつ、彼女が書いた小説を分析している本なのですが、厚さ3センチくらいの本が上下2巻なので、重くて、通勤の途中に読むにはちょっと大変な本です。

それと並行して「徳川の夫人たち」も読み出しました。


今読んでいるのは、「続・徳川の夫人たち」というもので、4代将軍、5代将軍の正室や側室たち、そして大奥の上臈たちの話です。
彼女たちの内掛けの衣擦れの音が聞こえてくるような面白い小説です。

吉屋信子と言う人はレスビアンだったとの噂もあるようですけれど、女性を描くのがこんなにすてきなら、レズでも構わないじゃないの、と思いました。

来年のNHK大河ドラマはお江さんの話だし、再来年は平清盛(なんと松山ケンイチが清盛だとか?)だし、私も時代の空気を先取りしているのかしらね。

でも私はテレビで若手タレントが出てくる時代劇を見るよりも、一人で想像しながら読む歴史小説の方が好きだな。

4 件のコメント:

  1. 吉屋信子さん、懐かしい名前だわ~。
    小学生のころ、吉屋さんの少女小説を読んだ記憶があるの。
    レズですか。言われてみれば、断髪で男性的な感じもしたかな。
    私が少女のころ読んだ小説も、当時はSという、それっぽい話ではありましたね。

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  2. まぁマサさん、小学生の時から吉屋信子さんの本を読んでいたとは早熟だったのかしら。
    彼女は美しい女性が大好きだったそうで、それでレズと間違えられたそうですね。
    でも少女向きの本だけではなく、歴史の見方もきちんとしていてすごい作家だと思いましたよ。

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  3. としちゃんの読書量の1/10でも読めるといいけど(苦笑)ホントに感心します。
    読むのも早いんでしょうね〜
    面白い本があれば紹介してね、私でも読めそうなもの。

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  4. さとさん、確かに私は本を読む速度は速いと思いますね。そのかわり、中身をちゃんと覚えていなくて。それに電車通勤だと読書時間が確保できるので、それが一番でしょう。
    私が読むのはほとんどが女流作家のものです。誰か好きな作家さんを探して、その人の書いたものだけを読んでみるのも面白いと思いますよ。

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