昨日は、春分の日でしたが、東京でも雪が降ってすごく寒くなりました。
地元のホールで能を鑑賞しましたが、さくすがに着物で出かける気にはならずに、分厚いコートを着て、その下はこんなラフな格好でした。
洋服の外出着は、処分してしまって、持っていないのです。
会場は、いつもは音楽やお芝居をしているところですが、能専門の舞台ではないので、どんなふうになるのだろうかと思っていました。
舞台そのものは普通の舞台の形でしたが、照明が凝っていましたね。
薄暗い舞台にほのかな光が当たり、人の影がとても大きく見えるようになっていて、迫力がありました。
そしてなんといっても、蜘蛛の糸が素晴らしかったです。
蜘蛛の精が、まるで手品のように、いくつもの蜘蛛(小さい玉)が投げ出します。
すると、ぱーっと糸が滝のように広がっていくのです。
糸は弧を描き、山なりに飛んでいき、すーっと地面に落ちます。
すごかったです。
こちらのポスターの写真のように、白い糸が何本も絡み合いました。
普通の能では、お客さんは拍手はしないのですが、今回は拍手が沸いていましたね。
舞台は、これでもか、というくらいに蜘蛛の糸だらけになりました。
演じている能楽師さんたちは、糸に絡まって大変でした。
終了後に片付けるのも、手間がかかるだろうなと心配してしまいました。
それにしても、あんなにたくさんの蜘蛛を、どこに隠しているのでしょうね。
今回は、歌舞伎に詳しい着物友だちのUさんと一緒に鑑賞したのですが、彼女に言わせると「歌舞伎では、蜘蛛の糸は、黒子がすぐに片付ける」とのこと。
そうなんですね。
「土蜘蛛」の前には、人間国宝の梅若実さんの「山姥」もありました。
こちらは能面をつけない仕舞というスタイルのものでした。
今回は、能が始まる前に、山中迓晶さんの丁寧な解説があったので、分かりやすくてよかったです。
公演後は、ロビーで記念撮影があったようですが、それとは知らずに早く出てしまって、残念でした。
そうそう、会場には着物でいらっしゃった若い女性を見かけました。
「えらいね」と、思わず拍手したくなりましたよ。
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