2018年の12月から2019年3月にかけて、4回に渡って開かれる市民カレッジのタイトルは、とても奇妙なものでした。
「能楽師四役!プラス One!」ー能の学校・弐ー▼
能に素人の私は、よく分からないけど、なんだか面白そうだと直感的に判断して、申し込みました。
第1回目は、シテ方の山中迓晶先生(観世流)が、この奇妙なタイトルについて、説明してくださいました。
能は4つのパートによって構成されているということ。
1.シテ方
2.ワキ方
3.囃子方
4.狂言方
それで「能楽師四役!」ということでした。
その後ろの「+ One」は、もうお一人、能研究家である武蔵野大学名誉教授の増田正造先生が登場されるので、それで「+1」と名付けたというお話でした。
なるほど、そういう意味だったのですね。
そしてその4回は、それぞれの分野の方が講師となって、リレー形式で講義をされるのだそうです。
今までの市民カレッジにはなかった方式だと思います。
能について、お一人の先生からだけではなく、それぞれの専門の方からお話が伺えるのは嬉しいですね。
そして、おまけとして、3月に上映される「キネマ能楽 鞍馬天狗」があります。
その事前学習を兼ねての講座というわけです。
ちなみに鞍馬天狗といっても、アラカンでお馴染みの鞍馬天狗ではなく、鞍馬山に住む天狗(山伏)のことで、かの源義経(の子供時代)との物語です。
こちらが能で演じるときの、その天狗さんの面です。
怖いお顔ですが、それほど鼻は高くないのですね。
3月のキネマ能楽では、市のホールを特別な舞台に設営して、能舞台っぽくされるそうなので、楽しみです。
この講座には、日本の古典芸能に詳しい、市外に住む着物友だちも参加しています。
この時は、お二人で申し合わせたのか分かりませんが、着物の色合い、縞模様の帯、とトーンがあっていて、格調高くて、素敵でした。
とてもシックなお二人でした。
この日は12月としてはとても暖かい日でしたので、暑がりの私は一重着物に戻りました。
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第二回目は、ワキ方の梅村昌功先生(下掛宝生流)のお話。
始めてお目にかかりましたが、体型や髪型が、以前の仕事の上司にそっくりだったので、びっくりしました。
能の基本的な知識を教えていただきましたが、とても分かりやすくて、すっきりとして、いろんな疑問が解けました。
まずは、「下掛宝生流」(しもがかりほうしょうりゅう)の説明があり、能舞台の特徴を図解で説明していただきました。
次に四役の説明でしたが、それぞれの担当は、ずっと変わらないのだそうです。
つまり、シテ方の人は一生シテ方を演じ、ワキ方の人はずっとワキ方を担当するということです。
主役は主役ばかり、脇役は脇役専門、というのはちょっとどうかな、とも思いましたが、それぞれの役割があり、ワキは「扇のかなめ」のような重要な役をしているのだそうです。
また一つの能の演目においては、シテ方とワキ方は違う流派の人が演じるのだそうです。
それは二人とも同じ流派だと、同じ芸風になり、お互いが目立たなくなるので、別の流派の方がするのだそうです。
ただしシテ方と後見、地唄は同じ流派の方が担当することになっています。
そして能の世界の裏話などもたっぷりと聞かせていただいて、抱腹絶倒でした。
能楽師といえば、生真面目で重厚な方だろうと思っていましたが、気軽な調子で本音をお話されたのでした。
たとえば「ワキ方は、ずっと座っているので、終って立ち上がる時にこけそうになって焦る」とか、
「することがないと、途中で眠くなる」とか、私たち素人が疑問に思っていることをお話されたので、あら、プロの方でも舞台の上で眠くなることがあるのかと、私っくりしました。
それでは私たち素人が座席で眠くなっても仕方ないのか、とちょっぴり安心しました。
後半は、「田村」という能のDVDを見せていただきました。
これは坂上田村麻呂のお話ですが、清水寺が舞台だそうです。
世阿弥作です。
そしてワキの部分を謡って下さいましたが、その時は、講義の時のお茶目な表情とは打って変わって、能楽師のお顔になっていました。
年が明けると、今度は若手のお囃子方(笛と小鼓)のお二人が登場する予定です。
2回目の着物美人さんのお姿。
シルバーで統一した着物と帯のTさんと、絞りの帯がオシャレなUさん。
シックなお二人に対して、リサイクルで安上がりの私です。
「ながもちや」さんで見つけた花模様の紬。
たぶん5000円だったと思います。
帯は大和骨董市で見つけた帯。
これはたぶん2000円だったかしら。
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