「それは600年間の旅、100年後への冒険」
奇妙な茶色の画像は、鞍馬天狗のお面なのでした。
調布で新しい能を展開したいという意気込みが伝わってくるようなものでした。
「調布能楽odyssey」と名付けられました。
「能楽odyssey」とは何なのでしょう?
チラシによれば、能楽を軸に展開する伝統芸能プロジェクトということです。
odysseyという言葉には「長期の旅行・冒険」や「知的探求・追求」という意味があるそうです。
これまでの伝統を未来につなぐために、創造的なプログラムを作ったようでした。
その能「キネマ能楽 鞍馬天狗」は、市民カレッジ「能楽師四役 プラスOne!」▼の集大成でもありました。
これまでの5回の講座は、今回の「鞍馬天狗」に対しての事前学習ともいうべき内容でした。
シテ方、ワキ方、お囃子、狂言、研究者のみなさまのお話を聞くことができたので、その実技編を楽しみにしていました。
「鞍馬天狗」は、京都の鞍馬山での花見のシーンから始まりました。
今回は、調布市野川で毎年開かれている「一夜限りのライトアップ」で有名な野川の桜が、背景にふんだんに使われていました。
とても幻想的で美しい桜の風景でした。
そして狂言「柿山伏」では、お話の内容に合わせて、市内にある柿の木の映像も使われました。
この狂言では、山伏がカラスになったり、サルになったりと大奮闘。そのしぐさと、畑主とのやりとりが面白くて、大笑いでした。
他にもいろいろと工夫されていました。
たとえば事前にあらすじをお話されたり、映画のように字幕(現代語訳)がついたり、また英語訳も表示されていました。
これだけ用意されていれば、能や狂言を初めて見る人にとっても、安心して鑑賞できたことと思います。
またいつものホールとは違って、舞台を斜めに配置して、また能楽堂のように橋掛かりも作られていました。
調布市の意気込みが感じられました。
今回の舞台では、親子の共演も見られて、血のつながりの濃さも感じました。
能楽では山中迓晶さんとつきのさんの共演、狂言では善竹十郎さんと大二郎さんの共演です。
舞台に上がれば、親と子という甘えもない、演技者同士としての立場なのだろうと、素人ながら感じたものでした。
また地元深大寺で能をお稽古している子供たちが、そろって長袴で登場したのも、とても可愛らしく、この子たちが将来の調布を背負っていくのだろうと、頼もしく思いました。
日本の古典芸能に詳しい着物友だちと一緒でした。
調布市では、2019年度にも、6月~年末にかけて、また能の新しい試みが展開されるようで楽しみです。
こういう文化的なことに税金が使われるのなら、嬉しいですね。
この日の装い。
お彼岸を過ぎてもかなり寒かったので、厚手の木綿着物にしました。
でもただの木綿ではなくて、ストレッチ性があり、そしてキラキラとしている生地なのです。
やはり青系の着物を着ると、安心しますね。
帯は黒×赤の模様で、何となく鞍馬天狗っぽい?
(後ろの衿が出過ぎてしまいましたね。後で直しました)
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