うちのマンションにあるベランダは、ルーフバルコニーの部分もあります。これが必要以上に広いのです。
以前はここに椅子やテーブルを置いて、ビールを飲んだり、花火を眺めたりしていました。子供のプール遊びをしたこともあります。
「広々していて良いわね」と言われることもあります。
ところが数年前、ものすごい台風が襲来した時、重い金属製のベンチや大きな物置も、暴風で全部ぶっ飛んでしまうという大事件が起こりました。ものすごく怖い経験でした。また後処理も大変でした。
それ以来、ほとんどのものはルーフバルコニーには出さないようにしました。
背高のっぽになったオリーブの木も、泣く泣く処分しました。小さな植木鉢などは、ちょっとでも風が吹くと、すぐに屋内に持ち込むようにしていました。
ところが15年ほど前に作ってもらった木製のプランターは、畳半畳ほどのサイズで、それが2つありますが、中には土が入っているので、重くて移動できないしろものです。そのプランターには、背の低い、土を這うような植物を植えていました。
たまたま数年前、お正月に飾る生花セットの残りの中に、松の枝がありました。ほんの10センチにも満たない小さな枝でした。
お正月が過ぎた時、その枝を捨てるのは忍びないと思い、プランターに挿しておきました。育てるというよりも、料理の添え物に使うつもりでしたので、小さな松の枝で十分だったのです。
ところがある時気づいてみると、その松がぐんぐん成長していました。
土の部分から1メートルほどの高さになっていました。
このまま伸ばしておくと、また台風が来たときにどんな災害が起こるかもしれないと思い、仕方なく枝をカットすることにしました。
小さくなった松の木です。
まずは一段階。
まだ、モジャモジャしていますね。
のこぎりで、不要と思われる部分も切りました。
今までの半分くらいの高さになりました。
今、各地で樹木を守りたい市民と、伐採したい役所で対立していることが目に付きます。
私の住んでいる市でも、駅前にあった大きな樹木を伐採することを巡って、市民との間でかなり問題になりました。
樹木を切ることは、心が痛みます。
でも切らないと、災害になってしまうかもしれない。
私もとても心が揺れました。
広いお屋敷に住んでいるなら、このまま松の成長を見ているだけで良いかもしれません。ところがマンション暮らしでは樹木が倒れたら、多くの人に迷惑をかけてしまいます。
「ごめんなさい、切らせていただきます」と言って枝を切りました。
私は植物の知識がないので、適当に切ってしまいました。これで良かったのかどうか分かりません。
後でインターネットで調べたら、松の木は、年2回、剪定するのが良いとのこと。そのうち1回目は4月から5月にかけてが良い、と書いてありました。
ということは、この時期に切って、あっていたのかも。
少しはほっとしました。
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「一日一句」
伸びた松 ヤニが溢れて 泣いてるか
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