トークシリーズの最後5回目はいよいよ芸術の境地に入った。
10月16日、またも東銀座の時事通信ホールまでお出かけ。ここも3回目なので、スイスイ。
この日はゲストにテレビやマスコミにもよく登場する茂木健一郎さんが登場するというので、会場は超満員だった。
おまけに最終回ということで、関係者席には野依理研理事長や池谷裕二さんという有名人が陣取っていた。
脳と芸術という難しいテーマを真正面からは切り込むのは難しい。
ということで具体的例として、オーボエ奏者やソプラノ歌手、建築家などの紹介があり、それぞれの作品をビデオなどで見せていただき、ほんのつかの間の芸術に浸ることができた。
科学を取り扱う会で、こういう楽しみがあるのはいいね。
とくにオーボの曲は私が持っているヒーリングCDにも入っていたものなので、聞いていて、「ああ、これこれ」と嬉しくなってきた。
このトークでの一番のもうけもの、と思ったのは野依先生のお話。
急に舞台に立たされた様子だったが、さすがにノーベル賞。話題も豊富で、ご自分の息子さんが芸術家なのだが、「芸術はよく分からない」とおっしゃりながらも芸術への見識はとても広い様子だった。
これにて5回連続のシリーズトークは終了した。
初めの会は他の用事と重なり出席できなかったが、高い出席率でした。
こんな著名人のトークを無料で聞かせてもらったので、悪口はいえないのだが、ちょっと言わせてもらうと、あまりに多彩なゲストが一度に参加したために、肝心の脳の話が後回しになってしまったようにも思えた。
いろいろな方面から脳に関わることは大切だし、脳の研究者も専門以外の話を聞くのは大切なことでしょうが、聞いていて、ナビゲーターの交通整理が大変そうで、話に集中できないところもあった。
しかし、私にとっては理研の研究者たちの生の声を聞くことができたのは、仕事の上でもとても役に立ちそうだ。
私の最初の疑問である、どうして記憶が引き出されるのか、という答えは見つからなかったけど、脳のユニークさや、脳のすばらしさは少しは分かったような気がする。
それにそういうことを熱心に研究している研究者がいる、というのは頼もしい。
私も少なくともこれから20年くらいはこのまま生きていかなければならないようなので、自分の頭と相談しながら、少しでも疑問が晴れるように何とかしたいものです。
2007年10月31日水曜日
脳と薬 いよいよ池谷さん
9月20日に行われたシリーズ4回目はいまや書店に行けばこの人の本なら必ず見つかるという著名人の池谷裕二さんがナビゲーター。
彼の本業は薬学ということで、薬の話が担当になったのだろうが、「くすり」を「ヤク」と読ませたりして、かなり乗っていたようだ。
そしてゲストも新聞などのコメンテーターとして有名な香山リカさん。今回は本来の精神科医ということで登場。ご自身で「私は今回はイロモノでいいのでしょ」というくらいソツがない。
エッセイや読書案内もたくさん書いている人ってどんな人、という好奇心で病院に来る患者さんもいるそうだが、そのときは普通の医者として対応するので、それじゃあつまらない、という患者もいるそうだ。
それにロハスで有名な雑誌編集長と、民族の研究にも詳しい医学博士がゲストだった。
それにしてもこのトークでは、毎回、毎回、たくさんの著名人を集めてくるものだ。
不平を言わせてもらえば、会場がすごく寒くて、壇上の香山さんも休憩後にはカーディガンを羽織って登場した始末。
こういうところは男の客が多いのだけど、もう少し冷房には気を払ってもらいたい。
肝心の内容なのだが、アルツハイマーやうつ病に役立ちそうな薬も研究されているようだが、その安全性と情報の取り扱いには注意が必要とのこと。
また脳内にあるドーパミンなどの化学物質の説明もあった。
脳って、本来は物質でできているのに、心の問題があるので、なんだかそこだけ治外分権のようになって、分かりにくくしているのだろう、とは思うが、脳はあっさりと物質でできている、と断言されるのもチト残念でもある。
彼の本業は薬学ということで、薬の話が担当になったのだろうが、「くすり」を「ヤク」と読ませたりして、かなり乗っていたようだ。
そしてゲストも新聞などのコメンテーターとして有名な香山リカさん。今回は本来の精神科医ということで登場。ご自身で「私は今回はイロモノでいいのでしょ」というくらいソツがない。
エッセイや読書案内もたくさん書いている人ってどんな人、という好奇心で病院に来る患者さんもいるそうだが、そのときは普通の医者として対応するので、それじゃあつまらない、という患者もいるそうだ。
それにロハスで有名な雑誌編集長と、民族の研究にも詳しい医学博士がゲストだった。
それにしてもこのトークでは、毎回、毎回、たくさんの著名人を集めてくるものだ。
不平を言わせてもらえば、会場がすごく寒くて、壇上の香山さんも休憩後にはカーディガンを羽織って登場した始末。
こういうところは男の客が多いのだけど、もう少し冷房には気を払ってもらいたい。
肝心の内容なのだが、アルツハイマーやうつ病に役立ちそうな薬も研究されているようだが、その安全性と情報の取り扱いには注意が必要とのこと。
また脳内にあるドーパミンなどの化学物質の説明もあった。
脳って、本来は物質でできているのに、心の問題があるので、なんだかそこだけ治外分権のようになって、分かりにくくしているのだろう、とは思うが、脳はあっさりと物質でできている、と断言されるのもチト残念でもある。
お次は脳と教育
次のシリーズトークは「脳と教育」と銘打って9月1日に東銀座の時事通信ホールで行われた。
教育というと誰でも一言コメントができる割には、ちゃんとした説明がしにくいもの。
そういう難問をナビゲートしたのは生物の進化の歴史などを研究している佐倉統さんという東大教授。
ゲストはプロの棋士に能楽師、小学校の先生二人と理研BSIの研究者。というのでどうしてこういう人選をしたのかしらと思うほど、話はあちこちバラバラに飛んだのだ。
ゲストの中で、さすがと思ったのは重要無形文化財保持者という能楽師の方の振る舞い。
初めに謡をして、その後に踊りを披露してくださったのだが、背筋はピーンとしているし、
扇のさばき方とか、足をトントンと鳴らす動作とか本当に優雅で美しい。
背筋がぞくぞくするような緊張感がみなぎっていた。
面白いと思ったのは、その能楽師の振る舞いに誘われてか、BSIの研究者が若いときに親しんだ弓道の振る舞いを再現したこと。20年くらいされていなかったそうだが、昔取った杵柄、というのはこういうことなんだろうな、と思わざるを得ないほど、すっきりとした動きをしていた。
結局、トークでは小さいときに習ったことは忘れない、といういわば、当たり前のことが結論となったようだ。将棋にしても能楽にしても20歳くらいまでにその先が決まってしまうことが多いというのは厳しい話だ。
子供のしつけや教育は臨界期(ちょっと専門用語だが)に習得しないとだめ、ということで、もう子供が大きくなってしまった私にはがっくりとした結論であったのだ。
しかし理研BSIの3人の研究者の発表は脳のしくみを知るには面白い内容で、とくにサルがどのようにして道具の使い方を覚えるようになるかの実験をビデオで見せてもらったのが、私にとってはとても印象的だった。
この研究は脳の前頭葉の研究らしいのだが、実験がうまくいったときのサルの表情がすごくいい。
「おれ、やったじゃん!」と誇らしげ。そういう体験を子供にもさせてあげたいね。
教育というと誰でも一言コメントができる割には、ちゃんとした説明がしにくいもの。
そういう難問をナビゲートしたのは生物の進化の歴史などを研究している佐倉統さんという東大教授。
ゲストはプロの棋士に能楽師、小学校の先生二人と理研BSIの研究者。というのでどうしてこういう人選をしたのかしらと思うほど、話はあちこちバラバラに飛んだのだ。
ゲストの中で、さすがと思ったのは重要無形文化財保持者という能楽師の方の振る舞い。
初めに謡をして、その後に踊りを披露してくださったのだが、背筋はピーンとしているし、
扇のさばき方とか、足をトントンと鳴らす動作とか本当に優雅で美しい。
背筋がぞくぞくするような緊張感がみなぎっていた。
面白いと思ったのは、その能楽師の振る舞いに誘われてか、BSIの研究者が若いときに親しんだ弓道の振る舞いを再現したこと。20年くらいされていなかったそうだが、昔取った杵柄、というのはこういうことなんだろうな、と思わざるを得ないほど、すっきりとした動きをしていた。
結局、トークでは小さいときに習ったことは忘れない、といういわば、当たり前のことが結論となったようだ。将棋にしても能楽にしても20歳くらいまでにその先が決まってしまうことが多いというのは厳しい話だ。
子供のしつけや教育は臨界期(ちょっと専門用語だが)に習得しないとだめ、ということで、もう子供が大きくなってしまった私にはがっくりとした結論であったのだ。
しかし理研BSIの3人の研究者の発表は脳のしくみを知るには面白い内容で、とくにサルがどのようにして道具の使い方を覚えるようになるかの実験をビデオで見せてもらったのが、私にとってはとても印象的だった。
この研究は脳の前頭葉の研究らしいのだが、実験がうまくいったときのサルの表情がすごくいい。
「おれ、やったじゃん!」と誇らしげ。そういう体験を子供にもさせてあげたいね。
脳と想像力
理研BSI10周年記念行事の一環であるシリーズトークには毎回、ナビゲーターといって、まあ司会進行役+説明役が登場する。
第1回の7月14日のトークのナビゲーターは作家であり大学教授でもある瀬名秀明さんだった。長身でかっこいい。
私は彼の小説は全部読んだわけではないけれど、「パラサイト・イヴ」や「Brain Valley」、「八月の博物館」などのユニークな作品の生みの親、ということでとても興味のある人だった。
脳を扱う小説を書く人が、どんな想像力で小説を書くのだろう。
ゲストにはアニメ作家も登場したが、この方面にはまるで疎いので、何を言いたいのか分からなかった。ご本人も「自分のようなものが壇上にいるのが不思議」というほどなんとなく、ミスマッチの様子。
また勤務先である某大学の女性研究者もパネリストとして登場していたが、せっかくのディスカッションもよく理解できなかった。
想像と創造をひっかけてのディスカッションだったが、想像力に欠ける私にはちょっと自分自身の問題解決には結びつかなかった。
でもこれに懲りて、もう行くのはヤーメタ、というほどヤワな私じゃなかったのです。
第1回の7月14日のトークのナビゲーターは作家であり大学教授でもある瀬名秀明さんだった。長身でかっこいい。
私は彼の小説は全部読んだわけではないけれど、「パラサイト・イヴ」や「Brain Valley」、「八月の博物館」などのユニークな作品の生みの親、ということでとても興味のある人だった。
脳を扱う小説を書く人が、どんな想像力で小説を書くのだろう。
ゲストにはアニメ作家も登場したが、この方面にはまるで疎いので、何を言いたいのか分からなかった。ご本人も「自分のようなものが壇上にいるのが不思議」というほどなんとなく、ミスマッチの様子。
また勤務先である某大学の女性研究者もパネリストとして登場していたが、せっかくのディスカッションもよく理解できなかった。
想像と創造をひっかけてのディスカッションだったが、想像力に欠ける私にはちょっと自分自身の問題解決には結びつかなかった。
でもこれに懲りて、もう行くのはヤーメタ、というほどヤワな私じゃなかったのです。
最初はね・・・
どうしてこういう脳科学の企画に行ってみようかと思い立ったのかというと、もちろん仕事の関係者が登場したり、一度はこの目で著名人を拝見してみたいというミーハー的下心があったのは当然。
それより最近、自分の記憶力の衰えがどうしようもなく、ああ、こんなに物覚えが悪くなってどうしようと、落胆する日々が続いていた。
大好きな作家、夏樹静子の「明日の貌」という本に書かれていることは、まるで自分そのものではないか。
また渡辺謙が主演した「明日の朝」の主人公にも身に覚えがあるのだ。
自転車を駐輪場などに置いて、その後、電車に乗って出かけて、帰宅するときは自転車のことなど忘れて、そのまま駅から帰宅してしまう。それで、翌朝、出勤するときまで気がつかず、自宅の自転車置場に行って自転車の姿がないのに気付き、ようやく「あ~!」ということが、何回もあった。
先日も勤務先の駐輪場に自転車が見当たらないので、「盗られた!」と叫びそうになってしまったのだが、なんと、別の場所に置いていたのを忘れていただけだったのだ。こういう情けないことが続いていた。
もう私の頭は崩壊の危機に面しているのかしら、とがっくりと、それでも他人には笑い話としてすませていた。
そんな情けない日々を送っていたとき、イタリアの話を聞いて、はたと、30年前以上昔に行ったフィレンツェの川の名前をありありと思い出したのだ。
フィレンツェに流れる川はアルノ川だった。そしてその街の風景やバスから見た景色、どこまでも続くオリーブ畑がぱーっと脳裏に浮かび上がってきた。
ええ、どうして?
どうして思い出せたんだろう?
ちょうどその頃、高校時代の友人から、そのまた友人の同級生がブログを公開していると教えてくれて、図々しくもそこに参加してみた。
そうしたら、それこそ××年間も一度も会ったことのなかった彼や彼女たちが生き生きして登場しているではないか。
ブログに載っている写真を見ると、すぐに「あ、この人だ!」と分かる。
ずーっと長いこと引き出しにしまっておいた記憶が次から次から湧き出してきた。
修学旅行の日は雨だったとか、あのときにどうしたとか・・・・・。
もう懐かしさ一杯になり、中年男女の友情(?)が復活という状況になった。
おまけに10年ほどお会いしていなかった叔父がある日亡くなったのだが、その葬式で再会した音信不通だったいとこ達との出会い。
どういう因縁か、このところ、古い出来事が重なりあい、そして私の脳内にいろんな出来事が復活してきた。
これってどういうこと?
私が年を取ってきた、という当然のことではあるのだが。
でもどうしてそれまで思い出しもしなかったできごとが、ある日、急にくっきり、鮮明に思い出されるのだろう。
不思議、不思議の私の脳なんだけど、それは私だけの出来事ではないはず。
そんなことをちゃんと研究している有能な研究者の発表を聞かない手はない。
ということでチャンス到来と、ほぼ毎月1回、お台場にある日本科学未来館、東銀座の時事通信ホール、大手町にある経団連会館などに足繁く通うことになったのだ。
さて、私の不思議は解決できたでしょうか。
それより最近、自分の記憶力の衰えがどうしようもなく、ああ、こんなに物覚えが悪くなってどうしようと、落胆する日々が続いていた。
大好きな作家、夏樹静子の「明日の貌」という本に書かれていることは、まるで自分そのものではないか。
また渡辺謙が主演した「明日の朝」の主人公にも身に覚えがあるのだ。
自転車を駐輪場などに置いて、その後、電車に乗って出かけて、帰宅するときは自転車のことなど忘れて、そのまま駅から帰宅してしまう。それで、翌朝、出勤するときまで気がつかず、自宅の自転車置場に行って自転車の姿がないのに気付き、ようやく「あ~!」ということが、何回もあった。
先日も勤務先の駐輪場に自転車が見当たらないので、「盗られた!」と叫びそうになってしまったのだが、なんと、別の場所に置いていたのを忘れていただけだったのだ。こういう情けないことが続いていた。
もう私の頭は崩壊の危機に面しているのかしら、とがっくりと、それでも他人には笑い話としてすませていた。
そんな情けない日々を送っていたとき、イタリアの話を聞いて、はたと、30年前以上昔に行ったフィレンツェの川の名前をありありと思い出したのだ。
フィレンツェに流れる川はアルノ川だった。そしてその街の風景やバスから見た景色、どこまでも続くオリーブ畑がぱーっと脳裏に浮かび上がってきた。
ええ、どうして?
どうして思い出せたんだろう?
ちょうどその頃、高校時代の友人から、そのまた友人の同級生がブログを公開していると教えてくれて、図々しくもそこに参加してみた。
そうしたら、それこそ××年間も一度も会ったことのなかった彼や彼女たちが生き生きして登場しているではないか。
ブログに載っている写真を見ると、すぐに「あ、この人だ!」と分かる。
ずーっと長いこと引き出しにしまっておいた記憶が次から次から湧き出してきた。
修学旅行の日は雨だったとか、あのときにどうしたとか・・・・・。
もう懐かしさ一杯になり、中年男女の友情(?)が復活という状況になった。
おまけに10年ほどお会いしていなかった叔父がある日亡くなったのだが、その葬式で再会した音信不通だったいとこ達との出会い。
どういう因縁か、このところ、古い出来事が重なりあい、そして私の脳内にいろんな出来事が復活してきた。
これってどういうこと?
私が年を取ってきた、という当然のことではあるのだが。
でもどうしてそれまで思い出しもしなかったできごとが、ある日、急にくっきり、鮮明に思い出されるのだろう。
不思議、不思議の私の脳なんだけど、それは私だけの出来事ではないはず。
そんなことをちゃんと研究している有能な研究者の発表を聞かない手はない。
ということでチャンス到来と、ほぼ毎月1回、お台場にある日本科学未来館、東銀座の時事通信ホール、大手町にある経団連会館などに足繁く通うことになったのだ。
さて、私の不思議は解決できたでしょうか。
ゆめみる脳科学
理研BSI創立10周年記念事業という企画があった。
理研というのは正式名は独立行政法人理化学研究所といって、日本のサイエンスの頂点に立つ研究施設なのだが、イマイチ一般の人には知られていないと思う。
理研といえば、「ふえるわかめちゃん」というイメージが強いのだ。
その理化学研究所は東京、筑波、播磨、神戸など日本各地をはじめ、海外にも拠点のある世界的な規模の研究所と称せられている。
その中で脳科学総合研究センターというのは埼玉県の和光市にある。日本名はセンターなのだが、英語ではBrain Science Institute というので、その頭文字をとって、通称、理研BSIと呼ばれている。
そのBSIが創立されたのが1997年10月22日。日本の将来の脳研究を見据えて、世界中の研究施設から優秀な研究者を引き抜き(?)、日本における脳研究の中核的存在として研究を重ねてきたという。国からの予算・支援も膨大なものと思われる。
そんなBSIが、一般人のために10周年記念行事「ゆめみる脳科学」と銘打って、この半年くらいの間にさまざま行事を行ってきた。
私はたまたま仕事の関係でこの行事の存在を知り、トークセッションやシンポジウムに参加してみた。
もともとミーハーなもので、あの茂木健一郎や香山リカさんの実物にお目にかかることができる、という好奇心で出かけたが、多少は収穫もあったはずなので、思い出すまま、書いてみよう。
理研というのは正式名は独立行政法人理化学研究所といって、日本のサイエンスの頂点に立つ研究施設なのだが、イマイチ一般の人には知られていないと思う。
理研といえば、「ふえるわかめちゃん」というイメージが強いのだ。
その理化学研究所は東京、筑波、播磨、神戸など日本各地をはじめ、海外にも拠点のある世界的な規模の研究所と称せられている。
その中で脳科学総合研究センターというのは埼玉県の和光市にある。日本名はセンターなのだが、英語ではBrain Science Institute というので、その頭文字をとって、通称、理研BSIと呼ばれている。
そのBSIが創立されたのが1997年10月22日。日本の将来の脳研究を見据えて、世界中の研究施設から優秀な研究者を引き抜き(?)、日本における脳研究の中核的存在として研究を重ねてきたという。国からの予算・支援も膨大なものと思われる。
そんなBSIが、一般人のために10周年記念行事「ゆめみる脳科学」と銘打って、この半年くらいの間にさまざま行事を行ってきた。
私はたまたま仕事の関係でこの行事の存在を知り、トークセッションやシンポジウムに参加してみた。
もともとミーハーなもので、あの茂木健一郎や香山リカさんの実物にお目にかかることができる、という好奇心で出かけたが、多少は収穫もあったはずなので、思い出すまま、書いてみよう。
2007年10月30日火曜日
たまには現代劇もいいかもね
これまで一緒にラジオ番組を作っていたKさんがちょいと離れたところに引越ししてしまった。そのKさんと2ヶ月ぶりくらいに一緒に劇を見ることにした。
久しぶりに会ったKさんとは電車の中からずっとおしゃべり。
池袋で軽くランチをして、東京芸術劇場小ホールで今日の公演が千秋楽となるピープルシアターの「聖なる路地」の観劇。
左の写真は劇場の入り口。
ラジオ番組がスタートした頃にこの劇団の主演者にゲスト出演していただいたことがあり、それがご縁で公演があるたびに、手書きの手紙つきのご案内のお知らせをいただく。
観劇とはあまり縁のない生活をしているのだが、時には刺激が必要になってくる。
出演者たちの鍛えられた肉体と研ぎ澄まされた発声にはいつもどぎまぎしてしまうほど、存在感がある。
今日もヒーローは素敵だった。新宿歌舞伎町と思わせるうらぶれた路地裏の酒場のマスター役だったが、いつも前回とはまったく違う役になっていて、見る人を驚かせる。
舞台はほんの目の前で繰り広げられる。フロアーには本物のオートバイに乗った若いけばけばしい男女が登場する。激しく踊り狂い、雄たけびを上げる。暗闇にオートバイのライトと、耳をつんざくようなけたたましい音がはじける。
それは暴力と狂気の世界。そしてコロシ。
この劇団の劇にはいつも問題を正面切って突きつけられる。
それは反戦だったり、宗教だったり、天皇制だったり、重い問題ばかりだ。
それでもその中にかすかに明かりが射している・・・・というスタイルが多い。
うーん、あまりにも日常とは離れているんだけど、2時間が瞬く間に過ぎていく。
幕間もない舞台で、緊張感を保って演じる役者さんってあー、すごい、と思うばかり。
Kさんとは新宿で別れたが、次回は関西まで一緒に旅行の予定。
また楽しくおしゃべりしようね。
2007年10月28日日曜日
コンサートのはしご
ラジオでインタビュー番組を作っているため、いろんなひととの出会いがある。
今日はそんな出会いの結果、午前中はチターのコンサート、午後はピアノやフルートのコンサートに出かけることとなった。
チターとのつながりは、このコンサートを企画しているNさんが次回のゲストのため、その下見、というか下聴き。(こんな言葉はないけれど。)
ドイツから来日したチター演奏家フーバーさんと日本の若い女性のジョイントだった。若い女性奏者さやかさんは神戸出身で、もともとはフルートがメインだったが、ドイツ留学中にチターに魅せられてその道に走っていったという可愛い人。
チターといえば、「第三の男」くらいしか知らなかったが、「となりのトトロ」からスタートして、「大きな古時計」のような誰でも知っている曲や民族風の曲、バッハまで演奏。そして演奏が終わった後は、めったにお目にかかることのないチターに触れさせていただくという貴重な体験もさせていただいた。
このお二人は神戸の日本酒の酒蔵でも利き酒をしながらのコンサートがあるそうで、それはいいな。
今日はそんな出会いの結果、午前中はチターのコンサート、午後はピアノやフルートのコンサートに出かけることとなった。
チターとのつながりは、このコンサートを企画しているNさんが次回のゲストのため、その下見、というか下聴き。(こんな言葉はないけれど。)
ドイツから来日したチター演奏家フーバーさんと日本の若い女性のジョイントだった。若い女性奏者さやかさんは神戸出身で、もともとはフルートがメインだったが、ドイツ留学中にチターに魅せられてその道に走っていったという可愛い人。
チターといえば、「第三の男」くらいしか知らなかったが、「となりのトトロ」からスタートして、「大きな古時計」のような誰でも知っている曲や民族風の曲、バッハまで演奏。そして演奏が終わった後は、めったにお目にかかることのないチターに触れさせていただくという貴重な体験もさせていただいた。
このお二人は神戸の日本酒の酒蔵でも利き酒をしながらのコンサートがあるそうで、それはいいな。
午後のピアノとフルートはかつてゲストに出ていただいた方なので、その演奏を聞きに出かけた。
会場は市内の大きな病院の上の階にあるホール。
ここの院長婦人がピアニストなので患者さん向けにクリスマスコンサートをはじめたのがきっかけで、今では毎月一回、無料のコンサートをしている。
今回はコントラバスとピアノ2台、それにフルートという構成。
サンサーンスの謝肉祭などの楽しい曲が盛りだくさん。
会場は超満員。今回は100回記念だった。
何でも長く続けるというのは大変なこと。
「みなさんに喜んで聞いていただけるのが一番嬉しい」と院長婦人。
そうだよね~。
秋の一日、優雅な音楽に浸りました。