雨の銀座 ～高橋真琴展・大和文化会 ３～

＜トロント旅行はちょっとお休みです。＞

今日のタイトルは何やら昔の歌謡曲のようですが・・・・。

昨日は雨の中、銀座まで出かけてきました。
かなり雨に濡れてしまいましたが、洋服だったので雨も大丈夫。

ところがショックなことがありました。
割と若向きのパンツルックだったのに、また地下鉄の中で若者から席を譲られそうになったのですよ。
着物の時は何回も席を譲られることがあったのですけれど、洋服でも譲られるというのは、相当おばあさんなのかな～。
その若者には「あら、だいじょうぶよ～。まだそれほど年じゃないのよ。次に降りるからどうぞあなたが座ってね。」と、にこやかに答えましたが、内心はムッとしましたよ。

雨に濡れて美しい銀座の紫陽花です。

銀座といえば柳が有名なのですが、紫陽花も道端にきれいに咲いていました。



まずは銀座５丁目で高橋真琴さんの個展を見てきました。
私ぐらいの年の人なら、あの眼の中にお星様の入った女の子の絵を覚えている人も多いことでしょう。



その高橋さんご本人も会場にいらっしゃっていて、インタビューを受けていました。
聞き手が若い人だったので、昔の「なかよし」とか「マーガレット」に掲載されていて大活躍されていたことは知らないでしょうね。



高橋さんは今は８０歳くらいなのでしょうか、それでもまだ現役で、昔と変わらないロマンチックな絵を描き続けていらっしゃいます。

お土産に絵ハガキを買ってきました。
これは１９６８年ごろの絵だそうです。
現在の絵はもっとゴージャスな感じでした。



高橋真琴さんの公式ＨＰはこちら▼
たくさんの懐かしい漫画が見られますよ。



そのあとは銀座２丁目での例の奈良のお勉強会に行きました。

今回のテーマは「玄昉（げんほう）と道鏡」という二人のお坊さんのお話。
この方たちは平城京（８世紀）のころ、政治に宗教を持ち込んだお坊さんなのです。

玄昉という人は阿倍仲麻呂や吉備真備とともに遣唐使として唐へ渡り、帰国後は僧正というお坊さんの中では一番高い位までなった方です。
中国の仏教政策をまねて、国分寺や国分尼寺を設置したり、般若心経を流行らせた人だそうです。

道鏡は孝謙上皇（女性）とただならぬ関係になったということで、あまり評判の良い人ではありません。
病気の上皇に秘法を使って看病したというが出会いですが、その後、男女の関係になり、政治にも口を出したという人です。
鎌倉時代にかなり悪い評判が立ち、それをずっと引きずっているみたいですね。

私にとっては、歴史のお話の内容よりも、講師の先生がよかったですね。
京都の種智院（しゅちいん）大学と▼いう仏教系の大学で学長をされていた頼富（よりとみ）先生という方です。

密教が専門だそうですが、穏やかな語り口で、優しい笑みを浮かべながら話されていました。
私の知っている某先生に雰囲気がそっくりなのでした。
お人柄がとても素晴らしくて、さすがだなと思いました。

この先生を良い方だなと感じたところは、桓武天皇のことを「かんむさん」と呼んだり、玄昉のことを「げんほうさん」と呼んでいるところです。
いかにその時代のことがお好きで、天皇やお坊さんをご自分の身内のように思っていらっしゃり、そして深い興味で研究をされているのが分かるということでした。

どんな学問をするにしても、その対象が「好きで好きでたまらない」、というのが一番でしょうね。

この大和文化会は本当にすごい講師を集めているのだと感心しています。