2013年1月31日木曜日

「東京家族」

どうしても新宿駅に行かなくてはならない野暮な用事があり(この件についてはまたご紹介しますね)、ただ駅に行くだけではもったいないので、新宿ピカデリーで「東京家族」▼を見てきました。


(ちなみに、このようなシーンは映画の中にはありません。)

そう、山田洋次監督が小津安二郎の「東京物語」に捧げるために作ったという作品です。

割と評判が良かったので行ってみたのですが、レディスディだったせいか、すごく混んでいて、かなり前のほうの席しか空いていない状況でした。

ある家族の物語です。
橋爪功と吉行和子の老夫婦。
子どもは長男が医者の西村雅彦&夏川結衣の夫婦とその子供たち。
(ちなみに彼らが住んでいるところは、私の職場のごく近くのようでした。)
美容院を経営する長女の中島朋子&柳家正蔵の夫婦。
そして舞台制作のアルバイトをしている末っ子の妻夫木聡&蒼井優の恋人同士という組み合わせ。

瀬戸内海の小島の田舎から東京に出てきた老夫婦ですが、東京での旅行中に、妻が東京で突然死んでしまうという話。

なんとなくテレビを見ているようで、映画にした理由が良く分かりませんでしたね。

それに時間がすごく長い。

出演者の中で気になったことをちょっと書いて見ます。

吉行和子もおばあさん役になってしまったのか、というのが仕方ないといえばそれまでですけれど、他の女優さんはいなかったのかしらと思いましたね。
茶色の大島紬が似合っていました。

田舎の中学生を演じた女の子、印象的でした。きっと将来は有望な女優さんになるかもしれないわ。蒼井優もかすんでしまいそうな、初々しさがありましたね。

そうそう風吹ジュンが飲み屋の女将さん役をしているのだけれど、ちょっと生活に疲れた薄汚れた感じで、なんだか彼女のふわふわした良さが出ていないようで残念でした。

橋爪功はうまかったですね。
この人がラジオのトーク番組で、「演技をすると山田監督からダメを出された」と話していましたが、自然に演じると言うのは難しいのだろうなと思いました。

小林稔侍がいやーな感じの暑苦しいデブの中年男を演じていました。こういう男、よくいるよねーと思いました。

3・11のことや、東京スカイツリーが完成したことなど、現代の話題もさりげなくストーリーに取り入れてあり、今を生きる普通の人々、普通の家族のことを話題にしたいのだろうと思いました。
淡々としていて、ごく平凡な人々をうまく描いてはいると思います。

でも、この映画は誰に見てもらいたいのかが、よく分からないわ。

観客はほとんどが中高年でしたが、やはり山田洋次は若者には無理なのかな?

ゆっくりじっくりとした丁寧な映画でしたが、私の中では75点くらいかしら。


2013年1月30日水曜日

母の誕生日

昨日は母の誕生日でした。

ホームに行ったところ、カナダに住んでいる妹から、いつものように素敵なお花のプレゼントが届いていました。

まぁ、可愛い!!


淡い色のバラ、白いくまちゃん、パールの飾り・・・・。
まるで10代の女の子のバースディみたいね。
金のお皿に乗っていて、ケーキのようでしたよ。

私は着るものを買って行きました。
女性は何歳になっても、新しい服があると喜びますものね。


袋を抱いて嬉しそうにしていますが、実はこのお店は超若向きのお店だったのです。でも地味な色のカーディガンがあったので、それにしました。
お店の売り子さんは、若い人に贈るのだと勘違いしていましたが・・・・。

ひょう柄(?)のカーディガンは、自分でなんとかボタンが留められました。
袖がちょっと長かったけれど、暖かそうでした。
カードを手にして嬉しそうにしています。


89歳になりましたが、この分だとまだまだ長生きしそうですね。




2013年1月29日火曜日

お風呂デザインやり直し

去年の暮れに某浴室メーカーのショールームに出かけて、アドリア・ブルーのお風呂を設計▼してきました。

本当だったら、今頃はそのお風呂にゆったりと入っていられるはずだったのです。
ところが、うちのマンションの浴室には梁が出ていて、そこのメーカーの天井板とサイズが合わず、この話はボツになりました。

しかしボイラーがもうダメになりそうなのでお風呂は変えなくてはならないので、今度は別のメーカーのショールームに行って一からやり直しをしてきました。

新宿のショールームに行くと、なんと私の好きな松山ケンイチくんがお出迎え。
ところが私の嫌いな広末が妻役なので、ちょっとがっくり。


いろいろなお風呂を見て、性能やら機能やら色合いなどを決めてきました。

こちらは壁の見本のあれこれ。


でも浴槽や壁の色にあまり気にいったのがなくて、仕方なく、無難な組み合わせになってしまいました。

大体のイメージはこんな感じかな。
壁面は薄いベージュの横ストライプにして、広がりを見せました。
(浴室テレビはありませんよ。)


前回のメーカーは、その場でパソコンでシュミレーション画像を出してくれたり、見積りもその場でやってくれたのですが、今回のメーカーはそのような対応はなく、ちょっと電子化が遅れているかな。

でも案内役の人が、前回は若いお姉さんでなんとなく頼りにならなかったのに、今回はしっかりものの主婦という感じの方で、相談がしやすかったですね。
「あれこれ飾りが付いていると、お掃除のときに面倒ですよね」などという会話も自然にされていたので、実生活をよく分かっていらっしゃる様子で、そのほうが私には良かったですね。

工事は3月末に予定しているので、4月にはようやく新しいお風呂でゆっくりできるかしら。

2013年1月28日月曜日

え、衿がない着物!

先日、吉祥寺まで現代美術を見に行ったとき▼、こういうように一人で気ままに出かけるときは、あまり人の目を気にしないで好きな着物で出かけます。
(誰かと一緒の時はある程度、相手に気を使って選びます。)

それで世田谷のボロ市で買った紬を出して着てみたのですが、なんかおかしいのですよ。


よく見たら、なんと衿がなかったのです!

衿といっても普通の長い衿はあるのですが、その上にかかっている「かけ衿」が付いていないの。

何とも間抜けな感じでした。

胸のあたりがスカスカするみたい。
横に一本切り替えがあるのとないのとでは、こんなに印象が違うのかという感じでした。

地味色の割には模様が可愛らしかったし、未着用の着物だったし、他の部分はなんともなかったので、2000円なら安いと思って買ったのですが、こういうわけだったのね・・・。

いっそのこと、黒繻子のかけ衿でもつけてしまうか?

でも上にコートを羽織れば分からないか、と着替えずにそのまま出かけました。

帯はさとさんにいただいたウールの裏なしの帯。
この帯、たれ先と手先が5センチくらいフリンジになっていて、すごく可愛いのですよ。

帯揚げは自分で染め直したものです。

それにしても、こんな着物は見たことがなかったのですが、どうして衿がないんでしょうね?
布が足りなかった?
あるいは単につけるのを忘れただけ?

なんとも不可思議な体験でした。





2013年1月27日日曜日

「脳で視るアート」@吉祥寺

吉祥寺美術館で中ザワヒデキ展「脳で視るアート」▼というのを見てきました。


この美術館は武蔵野市立なので、入場料は何と100円。
昔、伊勢丹があったビルの7階に入っています。


中ザワヒデキさんという方は、千葉大学医学部を卒業された眼医者さんだったというちょっと変わった経歴の方でした。

この中ザワさんと、府中市立美術館の学芸員さんの対談がありました。

どうして府中市の方が対談相手だったかというと、2006年に府中市立美術館において、中ザワさんの「公開制作」▼というのが開催されたご縁だからだそうです。
そこでは頭に電極を付け、ベッドに横たわり、そして脳波を計測している中ザワさんの姿がありました。
それは「脳波ドローイング」といって、普通は絵を描くときは絵筆や絵の具などの道具を使って描くわけですけれど、お客さんが見ている中で、中ザワさんは何も使わずに念じるだけで、その脳波がグラフになって表れ、その波形を芸術として発表したのでした。

中ザワさんは、漫画の「まことちゃん」のようなおかっぱ頭をしていて、細身にプリント模様のシャツを着て、一見して普通のサラリーマンとは違う容貌の方でした。

対談のテーマは「脳波ドローイング」の生まれた日」。

中ザワさんはいかにして「きれいな波形の脳波」が出るかを訓練して、そしてその公開の場に臨んだそうです。
雑念があると、いわゆるアルファー波も出ないそうで、つまらない波形になるのだそうです。
どうすると面白い波形が出るかを修業したそうですが、結論としては、「気を抜く」ことにより、美しい脳波が描かれるのだとか。

私の職場では、脳波を研究している研究員もいるし、また頭に電極を取り付ける脳波測定器も置いてあるのですが、さすがにこれで美術に取り組もうと考える人はいないでしょうね。

ふーむ、対談はあまりよく分かりませんでしたが、この他にも変わった作品がいろいろ展示されていました。

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他にも簡単に中ザワさんの作品をご紹介してみます。

今回の展覧会の表紙にもなっている「視力検査表」の作品。
人を食ったような絵ですが、視力の表の中に、変なおじさんがいるのが面白いですね。

下の写真は「灰色絵画」。
黄色、青、ピンクというカラフルな3色を使っていますが、それらを組み合わせると脳の中では灰色になるので、そいいうタイトルにしたのだとか。
「見る」ということは単に目で見るだけでなく、脳の中で再認識するということを意識させたいような意図を感じました。

でも私は「目で視る」と「脳で視る」との違いがよく分かりませんでしたね。
普段から目でモノを見ていても、それは網膜の上にできた像を視神経が感じ取って、そして脳の中の視覚野が判断するから見えるのであって、普段から「脳で視ている」のじゃないかしら?


いただいたパンフレットがちょっとシワになってしまったのですが、上の作品も掲載されていますね。


パンフレットの右下のは「セル」というタイトルの絵。
これは細胞を意識して描いたものでしょうか。
いろいろな色の組み合わせのセルがありました。

パンフレットの左下は、真っ白な大きな碁盤に、白と黒の碁石を敷き詰めたもの。
「三五目三五絽の盤上布石絵」というタイトルが付いていました。

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中ザワさんの絵はいわゆる「下手ウマ絵」とでもいうのでしょうか。
ご自身を「コンセプショナル・アーティスト」と呼んでいらっしゃいましたが、「コンセプショナル」は「概念」という意味だとすると、「概念芸術家」というのはどういう意味なんでしょうね。

中ザワさんの絵はカラフルできれいで、いろいろなことに挑戦されていらっしゃるのは分かりますが、脳波ドローイングは脳波を大きく表示しただけで、私の頭ではどこが素晴らしいのか、あまりよく理解できなかったわ。

世の中には変わったことに挑戦する人がいるのだな、という感じかしら。
私の頭が固定観念にしばりつけられているといえば、それまでですが。

いずれにせよ、中ザワさんはかなり人気のある現代芸術家のようで、展覧会場には若い人からお年寄りまでたくさんの方が来ていました。

この展覧会は2月17日まで武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中。
2月10日にはご本人による公開新作設置があるそうですので、それを見るのも面白いかもしれません。

中ザワヒデキさんのfacebook▼にも今回のことが詳しく紹介されています。



2013年1月26日土曜日

日本橋のランチ

仕事の時のお昼はいつも学食で300円台の定食や麺類ばかりなので、たまに外で一人で食事をするとなると、どこをみても「高い!」と思ってしまいます。

昨日、日本橋三越に出かけた時も、高いランチばかりでした。
一人で昼から1500円も2000円も出せませんよね。

それに着物を着ていると、やはり汁物(蕎麦など)は避けたいので、たいてい私はちょっとお洒落なパン屋さんで、その場で食べられるところに入ることが多いですね。

でも日本橋三越の近くにはパン屋さんもありませんでした。

日本橋三井タワーに入っているイタリアンレストラン「ラ・ベットラ ベルトゥッティ」▼というお店で998円というランチを見かけたので、妥協してみました。

前菜はフォカッチャ、サラダ、コーンスープ。
まぁまぁでしたが、スープが暖かくなくて残念。


メインはヤリイカとブロッコリーのぺペロンチーノ。
細い麺でしたが、これが思った以上においしくて、全部食べてしまいました。
(私は外食の麺類は多すぎて、たいていは残してしまうのですが)


でもガーリックと鷹の爪が効きすぎていて、口の中がひりひりしてしまい、食後のコーヒーが出てくると思って待っていたのに、何も出てきませんでした。

1000円もするなら、せめてコーヒーぐらいは付けてほしいわ。

日本橋あたりのランチではこれが相場なんでしょうかね。

2013年1月25日金曜日

長唄演奏会は奥様風着物で

私の三味線の先生や、そのまた先生が出演される長唄演奏会に行ってきました。

「新春邦楽舞台始め 女流名家長唄大会」という演奏会です。
チケットがきれいでしょ。
いかにも「女流」という華やかさがありますね。


日本橋三越の6階にある三越劇場で行われました。


私の先生はいつもはすっぴんで洋服姿なのですが、今日はきれいにお化粧をして髪を結い上げ、黒の留袖に白の袋帯、朱色の帯締めという素敵なお姿でした。

もちろん演奏も素晴らしかったですよ。

演奏会に着ていく着物ですが、派手な銘仙では三越劇場の雰囲気にそぐわないし、かといって地味色の紬の着物でもつまらないので、柔らかものを着て出かけました。


薄紫に白い小花が不規則に飛んでいます。
ちょっとお上品で奥様っぽいでしょ。
でも昭和レトロ風かしら。


まるで私らしくなくて、着ていても、落ち着きませんでした。

この着物と帯は、昨年の暮れに神楽坂にある某リサイクル着物屋さんでセットで購入したもの。
お店の人に、あれよ、あれよという間に試着させられてしまって、つい断り切れずに買ってしまったものです。

まぁ、こういう席に着ていく大人し目の着物も必要かもね。

でも実際は、会場に来ていた方で着物姿の人は数えるほどしかいませんでしたが。




2013年1月24日木曜日

嬉しいプレゼント

ある着物関係の組織▼がネット上でアンケートを実施しています。
私はそのアンケートに何回か回答をしていました。

たとえば「着物をどんな時に着ますか」とか「どこで買いますか」とか「着物を着るときにどんな工夫をしていますか」などの質問に答えて送信していました。

このように、ごく普通の人の着物に対する感想などを集計して、着物の商売をしている人にも実情を反映してもらいたいということが発端のようです。

回答はポイント制になっていて、そのポイントがたまるとプレゼントを送ってくれるというシステムになっています。

そんなことはすっかり忘れていたら、今朝、郵便ポストに見慣れない大きめの封筒が入っていました。

開けてみると、こんなに素敵なプレゼントでした。


ゆかたで有名な「三勝」というお店の手ぬぐいです。

パッとする色使いが素敵ね。

広げて見るとこんな絵柄です。椿かしら?


アンケートのプレゼントというと、ありふれたボールペンとかあまり役に立たない雑貨などが多いのですけれど、この手ぬぐいは本当に素敵!

気持ちが春めいてきました。

2013年1月23日水曜日

良性腫瘍

ここ1年ほど前から、目の下にイボのようなものができていて、それがどんどん大きくなっていたのです。

ほったらかしにしていたのですが、かなり目立つようになったので、近所の皮膚科で見てもらうことにしました。

待つこと1時間半。
皮膚科ってどこでもすごく混雑していますね。


名前を呼ばれて、診察室に入ると、妙齢の女医さんが待っていました。
皮膚科というのは、女医さんが多いですね。

私の顔をちらっと見て、そして女医さんは「良性腫瘍」との診断を下しました。

えっ、「腫瘍?」と思いましたが、単なる「ほくろ」なんだそうです。
な~んだ、ですね。
医学用語ってなんだか、人を脅かしますよね。

それですぐに液体窒素で焼いて、切り取ってもらいました。
チクッとしましたが、すぐに終了。

実は数年前に、耳たぶのところにほくろが目立つようになって、別の女医さんの皮膚科に行ったことがあるのですが、そのときはけっこう大がかりな手術だったし、皮膚がんの検査までしたのですが、今回はあまりに簡単であっけにとられてしまいました。

でもこれも手術の部類になるそうで、5000円かかってしまいましたが。

あと2週間ほどすると、かさぶたができて、それがポロリと取れると、きれいな肌になるのだとか。

もうちょっとの辛抱です。




2013年1月22日火曜日

「天地明察」

久しぶりの読書感想ブログです。

というのも、年末から年始にかけて「天地明察」上下2巻を読んでいたのですが、なかなか読み進めない。

内容がつまらないというのではなく、なんというか、この本の文体が私には合っていなくて、それで読むのにすごく時間がかかってしまったのです。



ストーリーは映画にもなったのでおなじみだと思いますが、江戸時代の天文暦学者である渋川春海という人の青年時代からの半生を描いたもの。

渋川さんという人は本業は囲碁の棋士であり、将軍の前で囲碁を打ったりするのが仕事だったそうです。
ところが数学の世界に非常に興味を持ったため、それまで中国で使用されていた授時暦から日本独自の暦に変えるまでの苦労が描かれています。

お話の中には、水戸光圀や、和算で有名な関孝和、今の将棋界でも名のある本因坊家も登場して面白いのですが、どうも読みにくいのですね。

この本の著者は冲方 丁さんという若手の作家なのですが、今の人ってこういう文体が普通なのかしら?
やけにしかめっ面っぽい硬い文章が続いたと思うと、急に劇画調になってしまいます。

しんみりとしたり、はんなりとしたりというのとはほど遠い文体で、おまけに誰が話した台詞かがよく分からない。それで何回も同じところを読み返してしましました。

ストーリーは面白かったですが、やはり私には女性作家の文体が好きだな。

2013年1月21日月曜日

ただ今 工事中

先週からマンションの大規模修理が始まっています。

エレベーターの中には、こんなポスターが貼ってあります。


今回の工事で驚いたのは(私が遅れていたのかもしれませんが)、この修理工事会社の情報発信力のすごさでした。

マンションの玄関には大きな白板が設置され、そこには全体のスケジュール、本日の予定・明日の予定が分かりやすく説明されています。

それだけなら普通かもしれませんが、驚いたのは、各部屋ごとに、洗濯物を干して良い部屋(○)、、干さないほうが良い部屋(△)、干してはダメな部屋(×)というのが、見取り図のようにして貼られているのです。
それが毎日、変わるのですが、この表を見れば、大きな洗濯(シーツとか)はしたほうが良いかどうか一目瞭然ですね。

頭いいな~と思いましたよ。

またマンションの住人にはIDとパスワードが与えられ、工事の進行状況がインターネットで分かるようになるそうです。

ふーむ、現代的ですね。

そして多くの職人さんがきびきびと働いています。
私、鳶の人が履くズボン(なんていう名前?)が好きなんですよね。
かっこいいな~。

この寒い中、本当にお疲れ様ですね。

工事は4月まで続きますが、みなさん、お怪我がないように、気をつけてくださいね。




2013年1月20日日曜日

吉祥のしるし 2 ~うたどん帯とモノクロ紬~

私の着物や帯は、ほとんどがリサイクル品やいただきものなのですが、「吉祥のしるし」展覧会に着用したのは、こちらのうたどんさんからたくさんいただいた帯▼の一枚です。


着物や帯をたくさんいただきましたが、中でも左下に見える、赤と黒の名古屋帯が気に入りました。
ざっくりとしていて暖かそうな感じでしょ。ちょっとインカっぽい絵柄ですね。

すぐにでも着用したかったのですが、あいにくとこの帯に似合う着物がなかったのです。
私はどちらかというと黒っぽい着物のほうが多いのですが、黒い着物とこの帯では重すぎてしまうし、かといってブルー系統の着物にも合いません。

それでずっとしまっておいたのですが、先日、私の体形をよく知っている例の骨董市のおじさんから、「これはお客さんには絶対にぴったりだよ」と言って、白とグレイのモノクロ紬を見せてもらいました。
格安の値段(他の人に売る値段のの3分の2)でよい、というので、話は即、決まりました。

(実物は写真で見るよりも、もう少しぼーっとした感じです。)

赤と黒のざっくり帯に、ぴったりでしょ。


このおじさんは私自身よりも、私の寸法や好みをよく知っている人なので、手を通して試着しない着物でもOKなのです。

帯揚げは何にしてよいか分からなかったので、グレイと水色の中間色にしました。
帯締めは先日のボロ市で買ったオレンジ色。


お出かけの時は、暖かったので、洋服用の黒いマントを羽織りました。
(へんなポーズですが)


ちょっと変わった柄の帯でしたが、これで六本木の「吉祥のしるし」に行ってきました。

おめでたいことに出会えたかな?








2013年1月19日土曜日

吉祥のしるし 1 @六本木

「吉祥」というのは、良いこと、幸せなこと、良い前兆などの意味だと思うのですが、六本木にある「泉屋博古(せんおくはくこ)分館」▼という美術館で、「吉祥のしるし」という展覧会を見てきました。

ここは住友財閥が運営している美術館だそうですが、六本木1丁目の界隈は、どこもかしこも住友系の超高層マンションやら建物で、非日常的な風景が広がっていました。

駅の改札口にある案内板もお洒落でしたよ。


改札口を出るとこんな感じ。
メトロの駅とは思えないラブリーな雰囲気でしょ。


ここでコーヒーを飲んだら、おいしそうだわ。


駅から出て、エスカレーターを何本も乗り継いで行くと、超高層ビルばかりです。


辺りはまだ雪景色。
都心なのに雪が残っているのは、珍しいですね。


さて、こちらが「泉屋博古分館」です。


「吉祥のかたち」

吉祥というと、着物や帯に使われている吉祥文様を思い出してしまいますが、これは
幸せをもたらす文様という意味だそうです。
着物以外にも、道具などに用いられているおめでたい模様のことを指します。

 
展覧会場は2か所に分かれていて、半分が中国の吉祥、もう半分が日本の吉祥でした。

ちょうど学芸員のギャラリートークがあったのでそれに参加しました。
この方は中国美術が専門で、とても分かりやすいお話で参考になりました。

中国は「3000年の歴史」と言われていますが、紀元前1500年のころから、すごいものを作っていたのだと驚きました。

年表が貼ってあり、そこには商という時代(知りませんでしたね)から、周、春秋時代、戦国時代、秦、前漢、後漢などと中国の歴史が書かれていましたが、すごく長い歴史ですね。

学芸員さんのお話によれば、今から3500年ほど前から、青銅の器などに吉祥のしるしが刻まれていました。この器はお祭りや儀式のときに用いられる道具であり、日常には使われていなかったそうです。

吉祥模様の95パーセントは生き物、つまり動物の姿だそうです。

一番古いのは、角の生えた怪獣の顔なんだそうです。
魔よけとして描かれたのかもしれません。

そしてその模様の隙間には、ラーメン丼によく描かれている渦巻もありました。

時代が下がると、龍の模様が使われるようになりました。
この龍は口を大きく開けていて、横向きの細長い姿が特徴なんだそうです。

その次は鳥の姿で、周の時代のころに登場したとか。
お酒を入れる器などには鳥の形をしたものも多くあったそうです。
この鳥がだんだん変化していって、鳳凰になったそうです。

他にも虎、象、亀、羊などがおめでたい生き物として、吉祥模様に登場していったというお話でした。

お土産の絵ハガキからちょっとご紹介します。

日本の部はあまり展示品が多くはありませんでしたが、私の好きな伊藤若冲の絵は良かったですね。
こちらは、木の上にメジロちゃんがたくさん並んでいるのですが、「目白押し」というのはここから出たのではないかと思うくらい、仲良く並んだ姿が可愛らしかったですよ。
「海棠目白図」


こちらはおめでたい花の「梅」。
昭和の絵だそうです。
すっきりしていて、帯の柄にいいななんて思いました。
安田靫彦(ゆきひこ)


こちらは水たばこ(?)を入れるための瓶だそうですが、小さくてお洒落でした。


美術館から眺めた外の景色です。
赤い椿がポツンポツンと咲いていましたが、写真だとあまりよく分かりませんね。


このあたりはスペイン大使館などもあり、高級そうなムードが漂っていました。

いつもの私の行動範囲とはちょっと違うので、おのぼりさん気分でした。




2013年1月18日金曜日

世田谷ボロ市 2 ~失敗品~

寒い風にも積雪にもめげずに出かけた「世田谷ボロ市」。
お買い得品を仕入れて▼、にんまりしていた私ですが、実は失敗したものもあるのです。

こちらが今回の失敗品。
失敗というか、普段なら絶対に買わないしろものなのですが、ウキウキ気分でつい買ってしまった!

「魔が射した」としか思えないようなものです。

なんと金色の帯。


いったいいつ、使うのでしょう?
それに、こんな金ぴか帯に合わせる着物がないわ。

でもお花の刺繍が豪華だったので、欲しかったんです!

最初は5500円の値札がついていたんですよ。
でも「雪の日にわざわざ来たのだから安くして」とか
「ここにシミがあるわ」とか言ってお店の人に交渉したところ、4000円に負けてもらいました。

でも、やはりもったいなかったわ~。

飾りにするしかないかしら。
それとも薄い紫とかベージュとかの豪華な着物を買い足すか・・・。

ああ、無駄遣いしてしまった・・・・!

と、後悔半分の日々なのです。


2013年1月17日木曜日

世田谷ボロ市 1 ~戦利品~

「世田谷ボロ市」というのは、世田谷の上町にあったお代官様のお屋敷を中心とした、骨董市で、400年以上の歴史があるそうで、昔は古道具や農具を持ち寄ったことから「ボロ市」と呼ばれています。
最近は食べ物屋さんも多く、また新品も売られていますが、年々、賑やかになっていくようですね。

その年の12月15日、16日と翌年の1月15日、16日に開催されるものです。
12月はちょうど土曜日・日曜日に当たっていたので、きっと混雑するだろうと思って、参加しませんでした。

昨日は平日、おまけに雪の後なので、そんなに人はいないだろうと思っていましたが、いやいやその人出のすごいことと言ったら、世の中、こんなに暇人が多いのかと驚くほどでした。
(私もその暇人ですが。)

道路の真ん中にはまだ雪が残っていて、歩きづらかったわ。


有名な「代官餅」ですが、行列ができていました。
寒いので、並ぶ気にもなりませんでした。


私のお目当ては、もちろん着物と帯です。
メジャーを持参して、繰り出しました。

いろいろと戦利品がありましたよ。

薄紫色の麻の葉模様の着物。
未着用です。
八掛が小花柄でとても可愛いでしょ。
300円也。

 
お次は地味色の紬。
雪の輪のような模様が可愛い。
これも未着用ですが、保存状態があまりよくなかったのか、裏地にちょっとシミがありました。
本当はリサイクル用(服などに作り替える)として売られていましたが、サイズもぴったりなので、私は着用しますよ。
2000円也。



ピンク色の柔らかな織物の帯。
単衣の着物にいいかな。
1000円也。


表と裏とリバーシブルになっていて、お楽しみがある帯。
実物はもっと深緑色をしています。
長さも十分にありました。
500円也。

 
 
ちょっとキンキラの帯。
模様が「GOOGLE」と書いてあるようにも見えますね。
1回くらい使われていたようです。
これも500円也。


オレンジ色の帯締め。
こういう色、探していたのです。
400円也。


かなり、いいものを見つけたと自己満足でした。
私は普通の人に比べると、裄がすごく短いので、ボロ市サイズがちょうどよいのです。

でもね、実は人には言えないような失敗もあったのです。

それはまたね。




2013年1月16日水曜日

「北斎漫画」には北斎ブルーで

市民カレッジ「葛飾北斎とその時代」も回を重ねて6回目の受講となりました。

今回の講座のテーマは「北斎漫画」でした。
でも「漫画」といっても、「サザエさん」のような漫画ではなく、コミックや劇画のことではありません。
「漫然と描かれた絵」というような意味なんだそうです。

北斎は前にも書きましたが、生涯のうち何度もペンネームを替えていて、この北斎漫画を描いたころは「北斎」ではなく「為一」という名前で登場していたようです。

「北斎漫画」は約13センチ×19センチの大きさの用紙に描かれていたそうですから、今の新書版くらいのサイズでしょうか。全部で15巻まであるそうです。

その絵をお手本にして描いていた人も多いということです。

(写真は先生からいただいた資料を写したものです。)

働く庶民の姿が描かれたもの。ほんとに絵がうまいですね。


生き物あれこれ。象もいますが、左下のウサギが超可愛い!


左はいろいろな道具を集めたもの。
右は魚ですね。ヒラメやタイ、太刀魚などが描かれています。


これは妖怪の絵です。
ろくろく首が面白いですね。


馬の糞やら、奇病にかかった人(見世物か?)など、変な絵も描いていたようです。


これらの「北斎漫画」は、江戸はもちろんのこと、日本中で人気がありましたが、それだけではくヨーロッパの画家たちにも大きな影響を与えたそうです。

また北斎は、ぶん回し(今のコンパス)や定規を使った幾何学的な絵画術にもたけていたそうです。

下の絵は、おなじみの「富嶽三十六景」ですが、これも多くの丸や三角を使って描いているのだそうです。
すっきりとしてそして大胆な絵ですね。


この絵に使われているブルーは、それまで使われていた植物系の青ではなく、鉱物系の青だそうで、「北斎ブルー」と呼ばれている青です。

この青にちなんで、藍色の大島を着て行きました。

(写真がボケてしまいました。)


これは着物を着始めて、まだほんのちょっとの時に、高円寺のリサイクル呉服屋さんで買ったものなのですが、その頃は着物のことなどまるで分からなかったので、お店の人に「これはお買い得」と言われて五千円で買ったものです。

ところが身幅がものすごく広すぎて、おまけに裏は真っ赤だし、今だったら絶対に手を出さないような着物なのです。
初心者だったので、半分、騙されて買ったようなものですね。
でも着ていてとても暖かいので、寒い冬には重宝しています。


帯は昨年、小田原のリサイクル屋さんで見つけた千円のしろもの。
その時のブログはこちら▼をご覧ください。
紅型風で、梅の絵が可愛いので、今頃にはいいかなと思いました。
今回の写真では写っていませんが、たれが無地で、まさに北斎ブルーなのです。

それで北斎に敬意を表して、この組み合わせにしてみたのでした。

そうそう、足元はカレンブロッソの黒の「花緒サンダル」▼にしました。
この草履は鼻緒のところに穴が開いていないので、雪道を歩いても濡れて沁みることがないのです。
スニーカーのような感覚で履けるので、雨や雪の時にもOKですよ。