2013年1月22日火曜日

「天地明察」

久しぶりの読書感想ブログです。

というのも、年末から年始にかけて「天地明察」上下2巻を読んでいたのですが、なかなか読み進めない。

内容がつまらないというのではなく、なんというか、この本の文体が私には合っていなくて、それで読むのにすごく時間がかかってしまったのです。



ストーリーは映画にもなったのでおなじみだと思いますが、江戸時代の天文暦学者である渋川春海という人の青年時代からの半生を描いたもの。

渋川さんという人は本業は囲碁の棋士であり、将軍の前で囲碁を打ったりするのが仕事だったそうです。
ところが数学の世界に非常に興味を持ったため、それまで中国で使用されていた授時暦から日本独自の暦に変えるまでの苦労が描かれています。

お話の中には、水戸光圀や、和算で有名な関孝和、今の将棋界でも名のある本因坊家も登場して面白いのですが、どうも読みにくいのですね。

この本の著者は冲方 丁さんという若手の作家なのですが、今の人ってこういう文体が普通なのかしら?
やけにしかめっ面っぽい硬い文章が続いたと思うと、急に劇画調になってしまいます。

しんみりとしたり、はんなりとしたりというのとはほど遠い文体で、おまけに誰が話した台詞かがよく分からない。それで何回も同じところを読み返してしましました。

ストーリーは面白かったですが、やはり私には女性作家の文体が好きだな。

2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

昨年、岡田くん主演で映画になりましたよね。
私は時代小説が苦手なので、としちゃんが読みにくいという作品は、たぶん読めないと思うわ。
そういえば、先日の芥川賞は、歴代最年長の方が受賞されましたね。
その方の作品も相当読みにくいそうです。評論家でもキツイとか。
でも、あの年齢で受賞したことで励まされた人も多いことでしょう。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、「読みにくい」というか、私はこの本の文体が気になったのよ。いわゆる歴史小説風でないのが、売りなんだろうけれど、それが読みづらい原因なのかなと思ったの。
お話は面白かったですよ。

それとこの主人公が、私がお正月に出かけた渋谷の金王神社に何回もお参りに行っているの。
当時は「渋谷村」と呼ばれていたそうですけれどね。

75歳の受賞者の方、文学少女がそのままおばあさんになったような方でしたね。最近は若い人の受賞が多かったけれど、今回の受賞は良かったと思ったわ。
でも私は芥川賞受賞作品は、どれもよく分からないわ。