2021年10月31日日曜日

ミシンの思い出

母の遺骨は、しばらくの間、うちに置いておくことにしました。来春、海外渡航が自由になった頃、カナダの妹家族が来日してから、一緒に納骨をしようと考えています。

ということで骨壷を置いておく場所を考えていたら、今までミシンが置いてある場所がちょうど適していると思いました。


このミシンは購入して10年くらいでしょうか。

私は直線縫いしかできないので、孫の保育園の学用品、襦袢の寸法直し、カーテンの丈直し、などくらいしか使いませんでした。針の穴通しがちょっと壊れてしまったので、直してもらおうかとも思いましたが、もう今後は手縫いだけで十分だと思うので、ゴミに出すことにしました。

うちの市の場合、長さが40センチ以内なら、燃えないゴミとして無料で出せるそうです。ところがこのミシンはちゃんと測ったら幅が42センチあったので、粗大ゴミとなりました。手数料は630円です。収集日は12月になるのだとか。

私自身はミシンはあまり使いませんでしたが、亡くなった母は、昔はシンガーの足踏みミシンを使っていました。黒くてかっこいいミシンでした。私達姉妹や、いとこのおそろいのワンピース、学校の標準服、結婚式のドレスまで母のミシンで作ってくれました。私の家庭科の授業のスカートも縫ってもらったことがあります。

その後、母もポータブルミシンを利用していましたが、施設に入る時に手放しました。

母は洋裁も和裁も両方できたので、よく親戚から縫い物を頼まれていました。それでお小遣い稼ぎをしていたようです。

私はミシンもろくに使えず、和裁もできず、せいぜいほころびを繕うことくらいしかできません。

ミシンを駆使して洋服を縫ったり、着物を仕立てている人は素晴らしいですね。

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一日一句

思い出は ひと針ごとに 秋深し

2021年10月28日木曜日

暖かい日でした

10月28日は、それまでの肌寒くて小雨の日々とは異なり、よく晴れてとても暖かい一日でした。

昼頃に、埼玉に住む娘がやってきました。コロナのため、ずっと会えなかったので、我が家に来たのは2年ぶりくらいでしょうか?

母を見送るためでした。

娘は母とは数年間一緒に住んでいましたし、二人でカナダへ行ったこともあるのです。

一緒に昼ごはんを食べて、久しぶりのおしゃべりを楽しみました。なんとこの半年で10キロほど痩せたようです。それまで太り過ぎで心配していたのですが、よかったです。

そして黒い服に着替えて、火葬場へ向かいました。

ここはお隣の府中市にあります。

22年前には父もここで火葬しましたが、ずいぶんと、きれいになっていました。

しばらく待っていると、霊柩車で母が運ばれてきました。

その棺には、私が書いた「元気でね」という額を入れました。あの世へ行っても元気で過ごしてほしいという願いです。

また、カナダに住んでいて、来日できない妹との写真も入れてあげました。

そして私が花屋で選んだお供えの花束も、胸の前に置いてあげました。

炉の前でお別れをして、そして焼いてもらいました。

待っている間、お隣りにある多磨霊園のお庭を散歩してきました。

40分ほどで呼ばれました。今は短時間なのですね。

お骨は年の割にはとてもしっかりとしていて、骨壺に入りきれないほどたくさんの量がありました。係の方が、上からギューギューと押していたほどたくさんあったのが意外でした。

母は大昔から、「葬儀は不要」と言っていたので、この火葬のみで終了しました。

骨壷を持っていったん家に戻り、夫と娘と3人で、ビールで献杯しました。

その後は「本日開店」というチラシが新聞に入っていた寿司屋へ行き、夕食としました。

外食をしたなんて、いつ以来のことでしょう。

タッチパネルには、ネタのカロリーやアレルギーなどの表示まであり、びっくり。

美味しくいただきました。



とても暖かい日なので、助かりました。暖かい日を選んでくれて、お母さん、ありがとう。

コロナでずっと会えなかった娘とも会えたし、おいしいお寿司もいただけたのも、母のおかげです。

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一日一句

秋日和 大きく立派な 母の骨



2021年10月26日火曜日

付け足し言葉

母の荷物を片付けていると、ディサービスで作ったと思われる作品がいろいろと出てきます。

その中で、面白いものがあったので、ご紹介したいと思います。

「付け足し言葉」というものです。指導者の方か、あるいはヘルパーさんが見本を書いて、それを真似したものだと思われます。

90歳くらいのときの作品でしょうか、まだ文字もちゃんと書けていました。

寅さんの世界のようで面白いですよ。

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おどろき桃の木さんしょの木

あたりき車力車ひき

ありがたいならいも虫やくじら

うそを築地の御門跡

おそれ入谷の鬼子母神

おっと合点承知の助

その手は桑名の焼はまぐり

何か八日九日十日

何がなんきんとうなすかぼちゃ

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威勢の良い言葉ですね。

母は生まれは銀座、その後は高輪、戦後は杉並で生活していました。そんな人生の中で、見聞きした言葉もあるでしょうね。

現代はあまり使われない言葉もありますが、時代小説などを読んでいると、「合点承知之助」とか「その手は桑名の焼はまぐり」などという会話はよく見かけますね。

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一日一句

人生は 江戸の言葉で しゃっきりと 


2021年10月24日日曜日

穏やかな旅立ち

ブログが少し空いてしまいました。

母が10月22日に亡くなりました。97歳でした。


その前日、いつも母の様子を見ていただいている先生から、「今日中に会っておいたほうが良いかもしれない」という連絡がありました。

コロナ禍のため、それまではホームの玄関先でしか面会できなかったのですが、この時は久しぶりに母の個室まで入ることができました。

母はベッドに寝ていて、ちょっと呼吸が荒い感じがしたので、看護婦さんがあれこれお世話をしてくださいました。そして痰を吸引してくれると、顔色がとてもきれいになり、唇も赤く健康そうに見えました。

それで私は安心して帰宅しましたが、翌日の夕方に見回りのヘルパーさんが「呼吸が止まった」と確認して、私の元に電話連絡がありました。それで寒い雨の中、タクシーでホームまで駆けつけました。

お医者さんとホームの担当者が入室して、死亡を確認しました。「老衰です」と言われました。

その後、看護婦さんが身体をきれいに清めてくれました。私はホームの人と、最期の服を選び、母の日にプレゼントした赤いセーターを着せてもらいました。

そして顔にファンデーションと頬紅を塗ってくれて、最期に私が口紅を塗ってあげました。

母は入院してチューブに繋がれることなく、ずっと自分の部屋で自然に過ごせたこと、ホームの方によく面倒を見ていただいたこと、私が最期に口紅を塗ってあげたことなど、私にとっては満足できた往生でした。

亡くなった翌日は、医者から死亡診断書を受け取り、市役所へ提出して、火葬許可書を受け取り、その後、葬儀屋とあれこれ相談したり、母の荷物の引取を業者に頼んだりと、いろいろやっていました。

こういう手続はそんなに頻繁にすることではないので、インターネットや書籍などを頼りにして、一つずつ解決していますが、そういう体験ができることは貴重ですし、割と面白いと感じます。

ということで「私は百まで生きるかもしれない」と口癖のように言っていた母の人生も、97歳で終了しました。

人生の前半は戦争中、その後はよき家庭の主婦として過ごし、老後の12年間は認知症のグループホームで過ごしました。

私は自分では親の介護をせずに、専門家に任せてしまったのは、母のために良かったかどうか分かりませんが、最期まで穏やかに過ごすことができたので、それで良しとすることにしましょう。

母を見守っていただき、親切に対応していただいたホームのみなさん、お医者さん、看護婦さん、ありがとうございました。

まだ若い頃の母です。55歳くらいかしら。背景はカナダの紅葉。

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一日一句

穏やかに 母はあの世へ 神無月




2021年10月21日木曜日

神田川散歩 7 東中野〜高田馬場 11橋

お天気が良かったので、また神田川沿いを歩いてきました。

前回はJR東中野駅近くにある大東橋まで歩いたので、今回はその続きです。

結論から先になりますが、全部で11の橋を通過しました。写真の配置は順不同です。

この日は電車の乗り継ぎが悪くて、東中野駅をスタートしたのが10時頃になってしまいました。

まずは南小滝橋です。

ここの近くから「神田上水公園」が始まりました。

道はきれいに整備されていました。

お次は亀齢橋。読み方は、「きれいはし」です。

川沿いには桜の木が植えられていて、春にはきっと美しい桜の通り道になるのでしょうね。

子供向け、大人向けの運動用具もたくさんありました。犬の散歩や、ジョギングを楽しんでいる人もいました。

お次は小滝橋です。ここは早稲田通りにかかっていて、割と大きな橋でした。

新宿区の「いきいきウォーク」の掲示板を載せておきます。あちこちにあって、現在地が分かるので、歩く励みになります。

その次は久保前橋。

このあたり、川の向こう側には広い公園(落合中央公園)や、水の施設(落合水再生センター)が広がっていました。

着物を着て、日傘をさして歩いていたためか、散歩途中のおじさんから、「茶道会館へ行くんか?」と聞かれました。着物を着ているとお茶のお稽古だと思われることが多いですね。

こちらには、神田川の源までと、隅田川までの距離が書かれています。

お次は、せせらぎ橋。

このあたりで、3年前に着物友達のSさんと一緒に来た甘い物屋さんがありました。懐かしかったですね。ただしお店は定休日で残念でしたが。


珍しいコーラの自動販売機がありました。
伊良(いよし)コーラというのだそうです。1本450円と高いのですが、薬用成分が含まれているようでした。


新堀橋。

瀧澤橋。

ここまでは川の脇に道が続いていましたが、家にぶち当たり、急に道がなくなってしまいました。

仕方なく大回りをして、新宿区立戸塚第三小学校の周囲を歩きました。

このあたりも、川の両岸には歩道はありません。

ぐるりと歩いて、次に見えたのは落合橋。

宮田橋。かなり古そうな橋でした。

外国語の専門学校。

この辺りは富士大学の関係した施設が多くありました。昔は富士山がよく見えたのかもしれませんね。

ここは黒いスーツが制服なのか、あるいは就活のためなのか、女子学生はみんな似たような黒いスーツを着ていました。

田島橋。これは大きな橋でした。ちょっと変わった三角の石に橋の名前が刻まれていました。

近くにはエステー化学の会社がありました。

この辺りに来ると、歩行者がすごく増えてきました。

さかえ通りです。夜になると、よっぱらいが多くなりそうですね。

この日の最後は清水川橋。やはり川の脇には道がないので、ぐるりと回って写真を写しました。

神田川にかかる橋なのに、清水川橋、というのは、どんな理由なのでしょうね。

ということで、高田馬場駅に到着。

全部で6000歩くらい、2キロくらいだったでしょうか。のんびりと歩きました。気持ちの良いお散歩でした。

この日のルートです。

この日の装い。

木綿?の単衣着物です。朝のうちはちょっと涼しく感じましたが、だんだん暑くなりました。

帯は、黄色とオリーブ色のリバーシブルの半幅帯。

「ふっくらやの字」という結び方をしてみましたが、この結び方には長すぎました。

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一日一句

川べりを 秋風浴びて 心地よし 



2021年10月19日火曜日

キラキラ・イヤリング

きれいなイヤリングを求めました。

タイル作家の本間静香さんが作られたものです。

説明によると「ペリドット、アバタイト、アラゴナイト」を混ぜてレジンで加工したものだそうです。

ちょっと調べてみたら、アラゴナイトは「なごみ石」とも呼ばれていて、心身のバランスを整え、日々の緊張を和らげて、安眠・リラックス効果があるのだとか。これ以上、安眠したらどうしましょう? やる気を高める効果もあるそうですよ。

石のかけらが、まるで押し花のようできれいです。

爽やかな色でしょ? ちょっと初夏のような雰囲気もありますが、やはり水色は好きな色だし、これから藍色や焦げ茶色などの着物を着ても、マッチするかと思い、こちらの色にしました。

これはお隣の府中にあるミッテンというショッピングセンター(昔の伊勢丹)で開催されていました。

たくさんの手芸品が出展されていました。

こちらは本間さんのコーナー。

白黒のQRコードが目に付きますね。これもタイルで作られています。

左の手前にあるのは、ハロウィン用のタイルです。小さい子供が喜びそうですね。

たまたま会場にはご本人がいらっしゃり、お目にかかれました。いろいろなものを創造されていて、素晴らしいですね。

その後は、このビルの中に入っている1000円カットのお店に行ってきました。

前回のカットから3週間ほどですが、私の髪の毛はすぐに伸びてしまうので、安いところでないと、大変です。今回はかなり短くしてもらったので、一ヶ月くらいは持つかしら。

その後は、やはりこのビルにあるGUという洋服のお店に行ってみました。普段、洋服はあまり買わないのですが、急に寒くなったので、タートルネックのTシャツが必要だと思い、買ってきました。

このお店は、支払いはオール自分でするやり方でした。買ったものをトレイに入れると、機械が値段を判断してくれて、支払いもお客さんが勝手にするのでした。袋が必要な場合はそれも自分で袋に入れるのでした。レジに従業員は必要ないお店でした。

家に帰って確かめてみると、タートルネックではなくて、普通の襟でした。ちゃんと確かめたはずなんですけどね。

まぁ、黒のTシャツは何枚あってもよいので、諦めましたが、ちょっとボケてきたかな。

きれいなイヤリングが手に入ったので、それで良しとしましょう。

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「一日一句」

イヤリング 好きな色なら 秋にでも


2021年10月18日月曜日

新しい自転車

自転車を新しくしました。

パープルの可愛い自転車です。実物は、写真より濃い色です。

こちらは今まで乗っていた自転車。

古いのは、パナソニックの自転車で気に入っていたので、同じものがあればよかったのですが、パナソニックは今では電動自転車しか作っていないそうです。

この自転車に乗って、市内のあちこちのお年寄りのお家に行って、ホームヘルプの仕事をしたり、買い物に行ったり、たまには遠出をしたりしていましたが、もう8年半も乗っていたので、ぼろぼろになりました。

それで新しいのを買おうと思いましたが、今までお世話になっていた自転車専門店がお店を縮小してしまったので、別の自転車専門店に行ってみました。

そこは主に若い人向きの自転車が多く、安いのもありました。店員さんもいろいろと丁寧に教えてくれました。私の希望はとにかく軽くてシンプルということでした。自転車を持ち上げてみたり、あれこれ考えましたが、結局、ブリジストンのアルミーユというのが良いということになりました。

その店で買おうと思いましたが、店員さんがやけに話の途中に、「高齢者の方には〜」とか「年配のお客様には〜」と言うのが気になりました。もちろん私は高齢者ではありますけど、あまり強調されるといい気分はしませんよね。

それで今度は某電気屋さん(と言ってもおもちゃもお酒も販売している大規模なお店)の自転車コーナーに行ってみました。こちらの店員さんもとてもハキハキしていて、気持ちの良い人でした。それとこの店で買うと、ポイントが付くので、こちらで買うことにしました。

実はブリジストンの自転車は10月1日から値上がり、ということでしたが、たまたま私が希望していたパープルのは1台だけ在庫があり、それなら9月末までの値段で購入できるというのが、決め手でした。同じ品物なら、やはり少しでも安いほうがいいですものね。


店内で写した色のほうが、本物に近いですね。

ということで古い自転車を引き取ってもらい、新しい自転車に乗って帰りました。

とても軽くて、漕ぐのも楽な自転車です。

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一日一句

あと何年 乗れるだろうか ニューバイク

(季語なし)