昨日は、新橋演舞場に出かけました。
「花柳章太郎追悼 10月特別公演」です。
私は花柳章太郎の舞台は見たことはありませんが、この方は、立役も女形もどちらも素晴らしい役者だったそうです。
劇場に昔の舞台写真がありました。きれいなお顔の方でしたね。
一部は、花柳章太郎が演じた新橋の小梅という芸者と、人気役者と、新富町の芸者の三角関係を描いたお芝居「小梅と一重」でした。実は私の母が生まれたところは、その新富町なのですが、今は高速道路の下になってしまっているようです。
この三角関係の間に入って立つのが、一中節のお師匠さん役の水谷八重子。もう80歳くらいだと思いますが、堂々としていて貫禄がありました。
私は役者役の喜多村緑郎さんが好きで、期待していたのですが、この日は体調不良ということで、代役の喜多村一郎さんという人が演じていました。
二部の「太夫(こったい)さん」は昭和23年から25年頃の、京都島原遊廓のお話でした。
私はちょうどその頃の生まれなので、戦後まもない頃は、労働運動が盛んだったこと、まだ廓があったことなどの社会情勢が盛り込まれていて、面白く感じました。はんなりとした京言葉も良かったです。
花柳章太郎が演じた廓の女将役は波乃久里子、そして藤山直美が太夫役でした。久里子さんの初恋?の相手である田村亮も、かなり年配になりましたが、いい味を出していて、二人で昔を懐かしむ場面は良かったですね。
それにしてもコロナ禍のためか、やはりまだお客さんの入りは少なかったですね。
当日券でしたが、花道のすぐ脇の良い席が取れたくらいです。ちょうどすっぽんの目の前でしたが、今回のお芝居には花道は使用されませんでした。
新派は大正時代や昭和の戦前の話などが多く、今の時代と合わないところもあると思いますが、粋な着物姿や、男女の仲、親子の仲などをしんみりと伝える芝居もあり、日常とは離れた気分転換ができるので、私は好きですけどね。
劇場からの帰りは、メトロの地下道を歩いて銀座まで行きましたが、とてもきれいになっていてびっくりしました。暗かった銀座駅が、明るくなっていました。
コロナ禍で都心への外出は見合わせていましたが、久しぶりの銀座でした。
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この日の装い。
10月だというのに、まだ30度近い気温が予想されたので、セオアルファーの着物にしました。
帯もポリエステル。この着物には青い帯を締めることが多いのですが、今回はちょっと秋っぽい色の帯にしました。
久しぶり 新派楽しむ 秋日和
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