「東京大洪水」に引き続いて、また高嶋哲夫さんの小説を読んでみました。
前回は巨大台風の話でしたが、今回は東京直下型地震の話です。
ということでMは、マグニチュードのMを表し、タイトルのM8は大地震という意味です。
たまたま、ちょっと前、東京でも震度4程度の地震があり、交通機関や水道設備に多くの被害があったので、現実感がありました。
物語の主人公は、28歳の若い防災センターの研究者です。
そして彼の高校時代の同級生二人も登場します。
一人は代議士の秘書の女性、もう一人は自衛隊員です。
この3人がメインとなり、東京直下型地震に対して様々な行動を取ります。
そして「東京大洪水」と同様、都知事や総理大臣、区役所の職員などもそれぞれの立場で、地震と立ち向かう姿が描かれています。
この小説は阪神淡路大震災の大地震発生から11年経った時代の話ですが、出版されたのは2004年です。ということは東北の大震災が起こる前に書かれていたのですが、とてもリアルで、恐ろしいほどでした。
主人公の研究者は、パソコンを駆使してシュミレーションを行うのですが、現在ならもっと確率の高い計算ができると思います。
古い話ですが、私は今から50年ほど前、地震研究所に勤めていました。といっても地震の研究者ではなく、火山学者の団体の事務をしていました。
当時はコンピュータを使っての研究など、ほとんど聞いたことがなくて、実地調査がメインだっただろうと思います。何しろ私のような事務職では、通信手段は郵便か電話しかなくて、FAXもない時代のことでした。
これから衆議院の選挙が行われますが、経済回復をメインに訴える人が多いと思います。ただし日本は災害の多い国であることを忘れず、将来を見据えた地震対策、治水対策、防災対策をきちんとやってくれる政治家を期待します。
いつ起こっても不思議ではない大震災です。
かなり分厚い本ですが、一日で読み終えました。
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一日一句
速報が どこかで地震 告げる日々
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