2008年10月25日土曜日
今日の源氏
2008年は源氏物語が最初に書かれてちょうど1000年目ということは割と広く知られてきたみたいね。
そして11月1日というのが、紫式部日記の中で源氏物語のことを取り上げられている日にちなの。
それで10月下旬から11月上旬にかけては、京都や東京で数々の源氏物語関連の行事が繰り広げられているのです。
そんなわけで、私も源氏物語を追って、東へ西へ。
今日は東京の西に位置する日野市にある実践女子大学の香雪記念館というところへ行ってきました。
大学は中央線日野駅から坂道をずーっと登った住宅街にありました。
実践というと、昔は渋谷にあったのだけど、ちょうど10年前に都下に引っ越してきたようで、まだ校舎は新しくて、女の子っぽい感じの大学でした。
私がいつもお仕事をしている某大学とは大違いよ。
カフェテリアもしゃれていて、ソファに座っていると、どこかの喫茶店にいるみたいだったわ。
そうそう、文化祭にはあのDAIGO(某総理大臣のお孫さん)が来るというポスターが貼ってあったわよ。
(可愛い校舎と前庭)
講演の前に時間があったので、「みやびへの憧れ」という名品展を見てきました。
源氏物語に関連する古い本や、掛け軸や屏風などが展示されていたの。
無料だったし、人も少ないのでじっくりと見られてよかったわよ。
(展示会の入口)
先週は、やはり実践女子大が主催する源氏物語の映画を日野市民会館で見てきたのよね。
これはその時の写真です。その時のブログに載せるを忘れちゃったので、1週間遅れで追加しますね。
正面は長谷川一夫と小暮美千代よ。
(映画会の前)
さて、今日の最初の講演は仲町啓子先生という美学美術史の教授でした。
たくさんのスライドを写していただき、12世紀ごろから江戸時代までの源氏物語の絵巻や浮世絵の解説をしていただきました。
第一部は室町時代の扇の形に絵を描いた屏風とか、土佐派の絵や狩野派の絵、琳派の絵をたくさん見せていただき、うっとりしたわ。
この先生は琳派の専門家なんです。
講義は文学と歴史をMIXしたお話で、日本史の復習にもなったわ。
いろいろ興味深いお話があったのだけど、一番、へーっと思ったのは、あの織田信長も源氏物語を重視していて、なんと上杉謙信に源氏物語の絵が描かれた屏風をプレゼントしたんですって。
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仲町先生の講義の第二部は、浮世絵に描かれた源氏物語のお話。
浮世絵の祖と言われる菱川師宣の絵から始まって、江戸時代も時代が下るに従って、人物の描き方がすごく変わってくるのよ。
浮舟が遊女のように描かれていたり、夕霧が歌舞伎役者のようになっていたりして、面白いの。
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仲町先生のお話で、はっとしたのは、絵(文化)というものは、その時代や環境によって変わってくるのだけれど、誰が何のために絵を描かせたか、つまり絵師というのは自分が描きたいために描いたわけではなく、ときの権力者(将軍だとか天皇だとか)が、権威を保つためや何らかのために描かせたものだ、という視点が大切だということでした。
これってヨーロッパの絵画にも言えることなんだろうけれど、今のように画家が好きなものを描くということを想像していると、そうではないことが分かり、面白い発見だと思ったわ。
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この後は、カナダのブリティッシュコロンビア大学のジョシュア・モストウ先生という方の講演でした。
この方は見かけは完全に外国人で大きな身体をしているのに、源氏物語を原語で読み上げ、訳までしてしまうのよ。私など全然読めない古文も読めちゃうのだからすごいわ。
テーマは江戸時代に読まれた女訓書といって、当時の女の子の教育本と源氏物語の関係でした。
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源氏物語に取りつかれている人がこんなにたくさんいる、ということはすごいものです。
会場には老若男女たくさん集まり、みなさん真剣に聞いていたわよ。
来週は、お香と十二単についての講演があるの。
こういうふうに多方面から源氏物語を研究するというシリーズを企画した実践女子大というのはすごいと思うわ。
こんな絵葉書までもらってきちゃった。
(下田歌子先生の講義本などの絵葉書)
さて、明日は日経ホールまで出かけて、また源氏物語のお勉強をしてきますね。
私って毎年マイブームが変わるみたいで、昨年は脳科学の追っかけをしていたんですけれど、今年は源氏の追っかけ。来週は京都まで行って雅楽と講演会に参加してくる予定なの。
物好きだね、と言われてしまうかもね。
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10 件のコメント:
先週の映画に引き続き、今日は実践女子大にいかれたんですね。
それにしてもとしちゃんの研究熱心な姿勢には頭が下がります。
もうホントにすごいわ!
来週は楽しみにしていますね。
さとさんの写真や薔薇にかける情熱ほどはないわよ。さとさんこと研究熱心だし、その効果がすぐに目に見えてくるのがすごい!
来週は十二単の実演(?)があるんですって。京都風俗博物館を思い出すわね。
スクリーンに映っているのは、大川橋蔵さんですか?
銭形平次が大好きだったんですけど、確かこんな顔だったような・・・・・
としちゃんさんの傾倒振り、もしかして、紫式部の生まれ変わり!?
とか思っちゃいました。
その内ご本を出版されたりして!?
史子さん、あれは長谷川一夫さん。
(追加記入しました)
彼は日本一の美男と言われた人だけど、しゃべり方がのったりとしていて、はきはきしていないの。昔はよく物真似されていたのよ。
史子さんのきもの屋さんのところに何回も投稿したにに、禁止されている言葉を使っているという理由で拒否されてしまい、がっくりです。
他のブログで「京都風俗博物館」と書いたらやはりダメだった。仕方なく「ふうぞく」とひらがなで書いたらOKでした。
言葉を制限するのはいいけれど、どの言葉がダメなのか分からないので、困ってしまうわ。言葉狩りみたいね。
長谷川一夫さんも銭形平次やってませんでした?
知っている名前です。
きれいな方ですねぇ。
喋っておられるところ、見てみたいです。
映画とか、あります?
禁止ワードは大変なんですよ。
ブログ会社によって、来る迷惑メールが違うんです。
茶室の方は幾つか解除しましたので、大丈夫だと思います。
リンクなどを貼りたい場合、
http://
の
hを抜かしてttp://からなら、多分書き込めます。お手数おかけしました(汗)
史子さん、そういえば長谷川一夫も銭形平次をやっていたわね。昔のことなのに、よくご存じね。私は忠臣蔵の印象が強いわ。
禁止ワードの件、了解です。
「太郎」がダメだなんて、そうしたら、麻生さんはどうなるんでしょうね!
としちゃんの研究は徹底的にやっていてすごいわ。大学院の論文になるんじゃない?
としちゃんの好奇心というかやる気は半端じゃない・・すごいパワーだと思います。
カンカン、まさかー!
だって私は国文科出身でもないし、興味を持ち始めたのは最近ですもの。
カンカンみたいに学生時代から英文学に親しんできた人とはまるで落差があるのよ。
単なるミーハーなんです。
いやいやどうしたらいいのかな?
大学院にはいきなりいけないからどうしたらいいの? 大学の雰囲気には慣れきっているので、3年からやり直せばいいのかしら・・
結構今また大学に行く人いるじゃない? 確か小椋佳とか・・
会社の先輩は仕事を2年位して大学に戻って最後は早稲田の教授になりましたよ。
カンカン、経済的問題がなければ、大学生に戻りたいわね。聴講生でもいいからね。
来週あたり、西荻に行ってくるつもりなの。
学生のころは大嫌いな大学でしたが、今となってはもっと勉強しておけばよかったと悔やみます。
大学院は英語ができないとだめでしょ?
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