2008年10月26日日曜日
今日も源氏
今日もまた、源氏ワールドに浸ってきました。
今日の日経ホールで行われた講演会はすごかったわよ!
登場したのは、ドナルド・キーン先生 86歳。
芳賀 徹先生(東大名誉教授) 77歳。
井伊 春樹先生(国文学研究資料館館長) 国文学研究所所長67歳。
それに源氏物語の語り部である平野啓子さん 50歳くらい?
こういったそうそうたるメンバーが、大手町の日経ホールに集合しました。
お客さんもすごいのよ。白髪頭や髪の毛ががほとんどない源氏物語研究者であろうおじい様たち、それに着物姿の深窓の奥さまや、断髪の才女というような人たちがワンサと集まったの。
今日は国際フォーラムというだけあって、長い歴史の中で、そして世界各国での源氏物語の話が展開されました。
横の糸(国際化)の話としては、源氏物語を最初に英訳したアーサー・ウェィリーさんという人の話から、サイデンステッカーさんの話、世界各地での源氏物語の話を聞くことができたの。
アメリカはもちろん、ヨーロッパ、それもフィンランドやオランダというちょっと日本文学とは縁遠いような国の話も紹介してもらえました。
またイギリス人の女性研究家であるニコルさんという方もパネルディスカッションに登場したのだけれど、彼女が最初に源氏物語に接したのは、橋姫が描かれた器からだったんですって。
そういう美術工芸品から源氏物語との接点が生まれるというのは、すごいわね。
おまけは、モンゴル大統領からの感謝状というもあったの。
というのも、今ではモンゴルでも源氏物語がモンゴル語で翻訳されているそうで、それでモンゴル大統領からの感謝状というのが、ドナルドキーンさんに渡されたの。
そして縦の糸(歴史的背景)としては、与謝野晶子の翻訳の話や、阪急電鉄の社長だった小林一三さんが与謝野晶子を支援した話等も面白かったわ。
日本各地では、今年は、たとえば源氏物語まんじゅうや源氏物語ハンカチまで入れると、源氏物語関連の催しは2000件とも3000件とも行われているんですって。源氏効果というのは、すごいわね。
上記のようなそうそうたる面々が思い思いに源氏物語を語ったのよ。
そして出た結論が、11月1日を「古典の日」として制定しようと、政府に働きかけているんですって。
つまり現代のような乱れた世界を修復するには、日本古来の古典文学に親しみ、そこから現在を振り返るためには「古典の日」というのを作りたいそうです。ふーん、がんばっているのね。
実は来週の11月1日から3日にかけては、京都の国際会議場で源氏物語の一大イベントが開かれるのよ。
本当は私もそのイベントに参加したかったのだけど、連休の間に京都までいって、参加費3万5千円を支払うまでの余裕はなかったので、東京で行われる行事に行くことにしたのです。
それでも会場はすごい熱気でしたよ。
今日の最大の収穫は平野啓子さんの朗読。
本当にお声の奇麗な方で、思い入れたっぷりの朗読は素晴らしかったわ。
淡いオレンジ色の着物も素敵でした。
「桐壺」と、「夕顔」と、「御法(みのり)」つまり紫上の臨終のシーンを朗読してくれたのだけど、最高でした。
源氏物語って、こういうふうに声に出して読むとまったく違ったものになるのね、と納得したわ。
今日の講演者の皆さんが話していたけれど、11世紀の初めに、旦那さんに死に別れた一人の才能豊かな女性(紫式部)によって書かれた小説が、こんなに多くの人々に、これほど長い間読み継がれていたというのは、世界的に見ても素晴らしいということ。
ヨーロッパで長編小説というのが書かれたのはダンテの神曲あたり(15世紀?)というので、それよりもずっと前から日本でこういう物語が描かれたというのは、世界的にも誇れることなんだそうです。
おまけに源氏物語というのは、単なる恋愛小説で終わることなく、人間の生き方を描いたものでもあるし、また四季折々の移ろいを描写したものであるということ、そういう小説としては世界最初だった、つまりこれぞ日本の美意識の始まりは源氏物語にあった、というのは私たち日本人として自慢してもいいことだそうよ。
こういった「源氏力」が今の閉塞状況にある日本にもうまく伝わるといいわね、と感じた次第でした。
そんなわけで、私も今度は与謝野晶子さんの源氏物語を読み返すことにしました。
ナンといったって、私の小学校の校歌は与謝野晶子さんの作詞なんだから、何らかのご縁があるのでしょう。
頑張って読んでみますわ。
今日の講演会はとても収穫がありました。
ちょっとまだ興奮気味の私でした。文章が支離滅裂なところは、ご容赦下さいませ。
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8 件のコメント:
としちゃんも、立派な源氏の研究者ですね。
見聞きしたことと、ご自分でお調べになったことを合わせて、本にされたら良いのではないかと思います。
源氏物語フォーラム、おもしろそうですね。
近くでやっているのに、いかれないのが残念です。
shiollyさん、私は何も研究していないのよ。こういう研究もあるのね、すごいなーといって感心しているだけなの。
京都に住んでいたら、もっとファンになったかもしれないわね。
としちゃんの興奮、伝わってきますよ。ゴージャスな講演会ですよね。「源氏物語」が、長い時代を経ても、今なお私たちの心をひきつけるのは、普遍性があるからでしょうかね。
Y新聞では、このところ、「源氏ひと絵巻」という特集を組んでいますが、今日は、「紫式部は徹底したリアリスト」とありました。「男女の三角関係を徹頭徹尾、描ききった作家は少ない」とも。
私は、源氏に詳しくないので、「ふ~ん」と思いながら、読んでいますが。
関係ないですけど、11月1日は「めがねの日」でもありますよね。
ドナルド・キーン!!
懐かしい!!
高校の時の教材でした。
(難しくて訳せなかった覚えが・・・・・)
今更乍ら、源氏物語って大変な人気なんですね。
こんなにイヴェントで盛り上がるなんて。
あたしは恋愛モノがそもそも苦手なんですけれど、現代の人間にとっては、それ以上の要素がたくさんありそうですね。
あたしも、関係ありませんが、11月1日は神さまの日なんですって。
だから前日のハロウィンは、お化けたちが騒ぐそうですよ。
あたしもお化けですから、騒ぎます(笑)
マサさん、Y新聞でも源氏の連載をしているのね。
源氏物語における三角関係って、だいたいが男2対女1というパターンなのよね。逆に女2対男1というケースはないのかもしれないな。
それに源氏物語の恋愛って、結果としてどちらかが亡くなってしまうか、出家してしまうかでしょ。それもなんだかさみしいわ。ハッピーエンドはありえないのかしらね。
紫式部自身が夫に死に別れたからそうなるのかしらね?
へー、史子さんは高校の時にドナルドキーンを読んでいたの?
なんとなく淀川長治さんのような感じのおじいちゃまでした。
私、恋愛もの好きですよ。でも現代の恋愛ものは、「ばっかばかしい」なんて思いながら読んでいることもありますけどね。
源氏物語は自分ではありえない皇室や貴族のお話だから好きなの。
11月1日は神様の日なんて初めて知ったわ。
ハロウィンではどんなスタイルをするのかしら?
こんなにあちこちで源氏物語千年記の催しが行われているとは驚きです。
11月初旬も京都ではいろんなイベントがあるのね、知りませんでした・・・
としちゃんはホントに熱心よね。
京都に住んだらどんなになるのでしょう(笑)代わってあげたいくらいだわ。
私などちょっとしか知らなくて恥ずかしいわぁ~
千年紀のイベントは経済効果も高いかもしれないわね。
本当は11月の初めの連休の時に京都に行く予定だったのだけれど、絶対に混みそうだからその予定はやめました。きっと国際会議場のあたりは、超満員になるかもしれないわ。
あのね、平野啓子さんの朗読、すばらしかったです。一度聴いたら、さとさんもファンになるかもよ。
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