2008年9月30日火曜日

南北問題


南北問題といっても、朝鮮半島における南北問題じゃないのよ。

ましてや北アメリカと南アメリカの経済格差の問題でもないの。

それはね、私の住んでいるC市を南北に分断して走っている私鉄のことなの。


つまりこの私鉄の南側から北側へ、あるいは北側から南側へ行くには、これまでは踏切かあるいは地下通路を通らないと渡れなかったの。

その踏切は開かずの踏切と化していて、夏は炎天下のもと、冬は吹きすさぶ北風にさらされながら、目の前を通過する電車をずっと待たないとならないの。これは辛いわよ~。

私の場合、家は私鉄の南側にあり、お仕事は私鉄の北側に位置しているの。
だから、この踏切で待たされると本当にイライラしちゃうの。

電車が何台も何台も通過するのよ!

特急が通ったかと思うと鈍行が続き、はたまた今度は急行、あるいは快速が続き、ようやく渡れるかと思うと、今度は準特急。10台以上、目の前を電車が通り過ぎるのよ。

もういいかげんにしてほしいわよね。

この踏切をスムーズに渡れるかどうかで、その日の運勢を占っているみたいなのよ。

そういう状態がずーっと何年も続いていて、この市における南北問題は重大だったの。


それが数年前からようやく私鉄を地下に埋めようという工事が始まったの。
もう30年越しくらいの懸案だったそうよ。

そして今、それまで一階に位置していた改札口を、一度は二階に上げることになったわけ。

つまり一気に駅を地下におろすのではなく、一度上に上げておいて、その間に地下工事をするのでしょうね。

ところがよ、今までは踏切では苦労していても、駅には地下通路というのがあったので、そこを歩けば、わりと簡単にあちら側へ行けたわけ。

でも、今は地下通路が縦断禁止となってしまったので、南北を横断する時は、いったん二階まで階段を上り、そしてまた階段を下りないと向こう側に行けなくなってしまったのよ。もちろん、自転車は通れないから踏切のところで待つしかないの。


この階段は2週間前くらいにできたんだけど、けっこう回り道のところにできたのよ。

地下化のために仕方がないとはいえ、私にとっては南北問題は重大な問題なの。

足腰を鍛えるために、そしてダイエットのため、せっせと階段を歩くしかないみたいね。

2008年9月29日月曜日

肉体の秘密 またまた


7月中旬からスポーツジムで筋肉トレーニング(いわゆる筋トレ)を始めて3ヶ月ほど経ちました。

昨日はその3ヶ月目の測定というのをしてきたの。

ところがよ、その測定器が正しいのか正しくないのか分からないけれど、何と言うか、あまり大した結果が出なかったのよ。


私が一番がっくりしたのは、体重とウエスト周り。

体重は結局、スタートする前と同じになってしまったの。

ウエストに至っては、なんと2センチも増えているのよ。
スカートがきつくなったのも気のせいではなかったんだわ。

その反面、筋肉量が増加、基礎代謝量も増加、体脂肪量は減少しました。

でもね、腹筋だって頑張ってやっているのに、ウエストが太くなってしまったら意味がないわよね。

おまけに、見た目の変化は何もないのよ。
それよりか、ぽっちゃり度合いが増えてしまったわ。

これじゃ、何のために筋トレをしたのか分からないわよね。


この測定機械に言わせると、私の場合、あと4キロは太らなくてはいけないんですって。
そんなことが実現したら、卒倒しちゃうわ。

やはり食べ過ぎているのが諸悪の根源なんだろうな。

そんな反省をしつつ、11月に韓国に行くときは、プルコギとビビンバだけはどうしても本場のものを味わいたいと思っているんだから、本当は反省はしていないのかもね。

肉体の秘密 その1

肉体の秘密 その2

肉体の秘密 その3

肉体の秘密 その後

写真は9月27日の青山の街角です。

2008年9月28日日曜日

これも花なの?



昨日、青山の東京ウィメンズカレッジに出かけたとき、早く着きすぎて時間が余ってしまったの。

それで、ビルの中をぶらぶらしていたら、すごいオブジェを見つけてしまいました。
大きさは私の背の高さくらいあったの。大きいのよ。

これが蘭さんが帝国ホテルで見た、噂のプリザーブドフラワーというのでしょうか。


ここは日比谷花壇がやっているフラワースクールのようでした。

いくら近寄って見ても、どうしてもお花には見えないのよ。

でもお花なんです。

写真がいまいちですけれど、お花というよりも高級な手工品のような感じでした。

こういう花のデザインを見たのは初めて。いろんなことを創造する人がいるんだなと思いました。

ここでは毎月お稽古があるようですけれど、リッチな趣味ですね。

薔薇の花一輪でもすぐにダメにしてしまう私にはとても、とても恐れ多くて近寄りがたい教室でした。

2008年9月27日土曜日

公開講座 その2


実践女子大学の公開講座の2番目の講演は、近藤みゆき教授の「源氏物語とジェンダー ~歌ことばが創造する「男」と「女」~」という難しいもの。

この先生、年齢不詳なんだけれど、すごく美人でスタイルもよく、立ち振る舞いもきれいでどこかの女優さんみたいなの。ところが難解な内容を立て板に水の如く話す様は、まさに才女です。


私は初め、どうして源氏物語とジェンダーが結びつのか分からなかったのよね。

というのも、私は学生の頃、女性学なんていうものをちょっとかじったことがあるのだけれど、そういうのって社会学の分野だと思っていたのよ。たとえば上野千鶴子先生のようなね。

だから国文学の分野でもジェンダーということが取り上げらること自体、違和感があったの。
でも、今日の近藤教授のお話を聞いて、作られた「女性性」や「男性性」というものが分かったわ。
ジェンダーというのは社会的観点から作り上げられるものなのね。
声高に女性の権利ばかり主張するのではなく、こういった地道な研究からジェンダーのことを取り上げる論法というのは素晴らしいと思ったわ。


そもそも、近藤教授というのは古今和歌集の分析を研究して、そこに集められた1111句を全部分析して、どんな用語がどんなときに使われていたかを研究していたの。

「nグラム統計」という統計処理ソフトを使って分析したというの。
まるで統計学の世界でしょ。
n=なんとかかんとか・・・・という数式を使ってね。

そしてどんな用語は男性歌人しか使わない言葉であるとか、どんな用語は女性歌人しか使わないとかをぜーんぶ調べたんですって。
おまけにその用語はどんな場面で使用されたかも調べたというの。

そのようにして、平安時代に作られた勅撰(天皇が命令したという意味)古今和歌集のころから、日本人の美意識というものが構築されたということでした。

近藤教授はその研究で言語処理学会というところで優秀賞をもらったそうです。


そして、その用法を使って源氏物語に書かれた和歌を分析したところ、すごく面白い結果が出たというわけ。

源氏物語というのは読んだ人なら分かるけれど、文章だけで書かれているのではないの。
登場人物が作る和歌が、あちらこちらに挿入されているの。

つまり誰かを好きになったり、誰かと死に別れて悲しくなった時には、必ず、和歌で応答するの。
それがうまいか下手であるかで、その人の教養が分かっていたのね。
それで、全部で795首あるんですって。

紫式部がすごいのは、もちろん、すべてが彼女の作であるのだけれど、登場人物によってまるで違うタイプの和歌を書き分けているというところでしょうね。

私は和歌など全然分からないのだけど、ロマンチックタイプなものとか、あまりにストレートすぎるタイプのものであるかは、なんとなく分かるくらいかな。


そういうふうに、登場人物の性格によって和歌にも違いをつけるというのはすごいわよね。
もちろん若い人、年をとった人、男性、女性の区別もきちんとしているの。

そして近藤教授の研究によると、同じ男性でも、光源氏の書いた和歌と薫の書いた和歌では、使われている言葉がまるで違うらしいのよ。

光源氏のほうは「恋ふ」とか「逢ふ」という言葉をたくさん使用しているのに、薫になると「見る」ばっかりなんですって。
つまりこの二人の書いた和歌からだけでも、薫というのがどんなにうじうじしていて、行動に移さない人間かが分かるというの。

また女性の和歌を分析すると、二つのタイプに分かれるんですって。
ひとつは「我が道を行く」タイプで、奔放な恋に生きた朧月夜や、良妻賢母を貫いた花散里や、古風なところがおかしい末摘花は、「ゆらぎのない女性」として、いわゆる女性用語しか使わなかったんですって。

ところが恋に悩み、生きていくのが辛いことが多かった他の女性たち、たとえば藤壺、紫の上、宇治十帖の女性姉妹などは「ゆらぎのある女性」として、和歌の言葉には女ことばと男ことばが混在しているそうです。

とくに宇治十帖の浮舟は彼女の生きる時代によって言葉も変化しているそうで、最初は単に受身の女性で薫と匂宮の間をふらふらとしていたのに、入水してからは普通なら男性しか使わない言葉「乱れる」「悲しき」「かたみ」などという言葉を使うようになったんですって。

今の私たちだったら、「知る」「見る」「思う」「立つ」「まどう」など、平気で女性が使っているけれど、平安時代はみんな男ことばだったというのが、面白いわ。つまり当時の女性はものを思ったり、知ろうとしたり、ましてや自分から恋してはいけなかったのよね。


近藤教授は膨大な量の研究のほんの一部だけを話していたのだけど、こういうことを研究するという発想がすごいなと思ったわ。

紫式部だって、まさか1000年後に、和歌を分析した研究がされるとは思ってもみなかったのではないかしら。

それにしても、分析方法など知らなくても、源氏物語の登場人物それぞれが作った和歌から、その人の性格や生き方までしっかりと描いていたのだから、やはり紫式部はすごい天才だわ。

(その1もあります)

公開講座 その1


今日はしっかりお勉強をしてきましたよ。

はい、また源氏物語です。

今までの講演会などは、どちらかというとカルチャースクールっぽいお話が多かったけれど、今回は今までとは格段に内容が難しくて、まるで学会の発表を聞いている感じだったの。

源氏物語のストーリーや登場人物などは知っていて当然、内容を楽しむというよりも学術的な側面からの講演でした。
でも、源氏物語っていろいろな立場の研究があるのね、と納得。面白かったわよ。


この公開講座は実践女子大学の「源氏物語千年紀」記念講演会でした。

青山にある東京ウィメンズプラザまで行ってきたの。そう、こどもの城の隣にあります。

2つの講演がありました。

最初は横井孝教授という人の「源氏物語の100年」(1000年のミスじゃないのよ)と題して、明治以降、大正、昭和そして現在にいたるまでの源氏物語研究の歴史でした。

私は全然知らなかったのだけど、実践女子大学を創立した下田歌子先生というのは源氏物語の研究者でもあったそうで、立派な書籍を出していたの。

実は私の母は戦前、下田歌子先生の影響が強い頃、実践に通っていたので、下田歌子先生の話は小さい頃によく聞かされていたのよ。
宮中で天皇に講義をされたとか。
その後、林真理子さんの小説「ミカドの淑女」で下田歌子先生のことを詳しく知ったのだけど、そんなことで、この講義は勉強になりました。


横井教授の講演は、源氏物語の写本の研究でした。
写本にもいろいろあって「大沢本」「飯島本」「角屋本」と何種類もあるそうです。
展示会に行くと必ず展示してあるのだけれど、どこがどう違うのかよく分からないのよね。
その系統によって書かれた時代や内容も微妙に違うらしいわ。

横井教授が言うには、紫式部の書いたオリジナルの写本というのは、存在の可能性はほとんどなくて、せいぜい、彼女の生きた200年後ぐらいの写本が一番、古いということでした。


講演で面白かったのは、科学系の公開講座ではパワーポイントで説明するのは今では当たり前なんだけど、国文科の先生はパワーポイントのことを「電子紙芝居」とおっしゃったのよ。

その紙芝居、和紙の背景を使っていて、スライドの入れ替えもアニメーションを使ったりして、国文学が専門の先生もやはりIT時代にはパワーポイントも使いこなせないといけないみたいね。

横井教授が、最近、源氏物語の写本があちこちで発見されたという話題を説明するときに、朝日・読売・毎日・日経新聞の切り抜き記事をスライドで見せてくれたのよ。
私ももちろん新聞記事は見ていたけれど、だいたいが文化面に掲載されていて、誰でもが気づくという記事ではなかったでしょ。

ところが、教授が「京都新聞」の切り抜きを見せてくれた時は驚いたわ。だって一面トップでカラー写真付きなんですもの。
それだけ京都の人にとっては源氏物語も身近な存在なんだろうなと思いました。

源氏物語というのは、明治以降だけでもいろいろな学者がいろいろな研究をしていて、時代の流れによってもてはやされたり、下賤なものだと烙印を押されたりと、その変動も激しかったのだと思ったわ。

(その2に続く)

おともだち リンク


このブログの左下にある「おともだち リンク」にワレモコウさんのブログを追加しました。

ワレモコウさんは盆栽大好きママなんですよ。

私と同じ市内に住んでいて、ひょんなことから知り合いになりました。

盆栽だけではなく、植物全般のことにはとても博学なので、みなさんよろしくね。

ちなみに「ときめき」のさとさんはバラに夢中、「これも花・あれも花」の蘭さんは生け花の先生なの。

他の皆さんもお花を愛でる気持ちは素晴らしいのです。

そういう私は、花といえば何でも枯らしてしまう名人。(とほほ)

そんな私でも、皆さんの素敵な写真や文章を通していろいろな楽しみを与えてもらい、心の糧にしています。


そういえばね、ワレモコウさんは富山の「風の盆」にも行ってきたんですって。
さとさん、この本の著者は高橋治でした。橋本治じゃなかったわ。

旅行の話もどんどんお聞かせ下さい。

ちなみに私は11月には韓国に行く予定。

どなたかソウル情報をご存知でしたら、教えて下さいね。

2008年9月26日金曜日

Tシャツあれこれ


昨日は会議があったのでスーツ姿で出かけたんだけど、今日はいつもどおり、Tシャツにスカート姿で出勤。

いやぁ、こういうスタイルのほうが気楽でいいわ。


といっても、私はTシャツに関してはちょいとうるさいのよ。

まず、Tシャツに模様がついていたり、ロゴマークがついているのは絶対にお断り。
家ではそういうのを着ることはあるけれど、外では無地に限ります。

色は黒か、焦げ茶、濃い紫、オリーブグリーンしか着ないですね。
だって淡い色は膨張して見えるんですもの。

さて、私がTシャツで一番うるさいのは、襟ぐり。
襟ぐりが開きすぎると、胸の谷間(あるのか?)が見えてしまい、それはNG。学生の目に毒でしょ?
狭すぎると、丸顔がよけに丸顔に見えてしまい、それもNG。

ちょうどいいUカットの襟ぐりが第一条件です。
でも、なかなかないのよね。
鎖骨がほどよく見えるのがいいんだけどな。

お次の注文は袖丈。
私は人よりかなり腕が短いので、長袖なんてもっての他。
普通の人の八分袖でちょうど良いくらいなの。

今の季節なら五分丈が一番いいのだけれど、なかなかないのよね。

夏なら上腕が隠れるくらいの袖の長さがほしいのだけど、めったに売っていないの。
というのも、私は極端な寒がりなので、普通の半そででは腕が寒くてだめなの。
それに、この太い二の腕をさらしたくない、という理由もあるのだけどね。

それからうるさいのが、ウエストの絞り具合。
きつすぎてもダメだし、ましてやブカブカのTシャツなんて着たくもないわ。

それから他の条件としては、生地の厚さね。
薄すぎて身体のラインがもろに見えるのは嫌だし、厚すぎてボテボテしてもかっこ悪いでしょ。


ということで1000円程度のTシャツ1枚買うにも、すごく真剣になるのです。

「これでもいいか」と思って妥協して買ってきたものは、やはり着る機会が少なくて、たんすの肥やしになっているわ。

こんなことにこだわっていても仕方がないのだけれど、Tシャツくらい、納得のいくものを着たいと思わない?

すっきり見えて、体にフィットしていて、それでいてリーズナブルな価格のTシャツを探しているの。

写真は何も手入れしないのに、健気に咲いているゼラニウム。

2008年9月25日木曜日

つくばまで


今日はお仕事でつくばまで行ってきたの。

それもつくばの駅からまたバスで20分くらいかかるところでした。

産業技術総合研究所というところ。

広大な敷地に緑がたくさんあって、すごくきれいなところだったの。


こちらはちょっとおしゃれな休憩所。
なんだかリゾートホテルみたいでしょ?

近くには池があり、桜の木もたくさんあったので、きっとお花見にはいいところだと思うわ。

でもね、驚いたことがあるのよ。

ここはつくばエキスプレスで行けば、1時間足らずのところなのだけど、やはり茨城県。

研究所の守衛さんとかは地元の人だと思うのだけど、方言がすごくて、話している内容が分からなかったの。

関西弁や九州弁なら分からなくても当然かもしれないのに、同じ関東地方の言葉でもこんなに分からないとは驚きだったわ。

来年の予定は東北大学。
また方言に悩まされるかもね。

それにちょいとヤバいことがあったのよ。
というのも、久しぶりにスーツを着てみたら、スカートがきつくて大変。

やはりかなり太ってしまったんだわ。

なんとかせねば!

2008年9月24日水曜日

「憑神」 書籍版


この前、憑神の映画版をDVDで見て、面白かったので今度は原作を読んだの。

著者はもちろん、浅田次郎さん。


時は幕末、武士道まっしぐらの主人公が、ひょんなことから3種類の神様(貧乏神、厄病神、死神)に取りつかれてしまって大変なことに。

神様といっても、主人公の前に現れたのは、商売人の姿をした貧乏神、お相撲さんの姿をした厄病神、そして可愛い少女の姿をした死神という面々。

そんな主人公と神様たち、そして彼の家族(離縁させられた妻、縁の切れた子供たち、母、兄、兄嫁)や、彼を取り巻く庶民代表の二八蕎麦屋の親父や、御徒士(おかちと言う下級武士)たちの物語。

私はこれまでは原作を読んで、そして映画を見て、がっくりというパターンが多かったのだけど、この本に関しては先に映画を見ていて良かったわ。

というのも、原作は漢字がいっぱいで、話もごちゃごちゃしていて、ストーリーを知らないと読みにくいと思うのよ。
今回は映画である程度ストーリーが分かっているので、難しい漢字が出てきても楽チンでした。

それに俳優さんたちのイメージがまだあるので、誰が誰だかよく分かりました。


浅田さんの原作を読んでいるといろんなことが学べるの。

たとえば、徳川家の将軍様のことだけど、「権現様」というのは誰だか分かるわよね。言わずと知れた初代の家康公です。

ところが、台徳院様、大酋(この字に右側に犬という漢字)院様、厳有院様、常憲院様、文昭院様、有章院様、有徳院様・・・・・と書いてあると誰だか分かるかしら?

ふりがなによると、それぞれ「にだいさま」「さんだいさま」「しだいさま」「ごだいさま」「ろくだいさま」「ひちだいさま」「はちだいさま」なのよ。

つまり家康から始まって、秀忠、家光、家綱、綱吉、家宣、家継、吉宗とくるわけ。

もちろん、時は15代将軍の慶喜の時の話だけどね。

ちょいと漢字ばかりが続いてしまったけれど、こんなふうに、江戸時代の人たちは将軍様を名前で呼ばないで、「なんだいさま」ということが分かっただけでも面白かったわ。


それ以上に面白いのが、当時の武士や庶民の会話の場面。

身分によってこんなに話し方が違うのかしらと思うほど、同じ日本人なのにまるで違うのよ。

きっぷのいい江戸っ子と、肩肘張って生きている武士の違いがよく見えて面白いわ。

それにしても、こういう幕末の面白い話を学生の頃に読んでいたら、歴史の時間ももっと興味が湧いて楽しかっただろうと思ったわ。

2008年9月23日火曜日

あこがれの王朝ロマン



今日は、横浜のみなとみらいにある横浜美術館まで源氏物語の特別展を見てきました。

6月に京都文化博物館に行ったとき、出かけたのが午後だったため、長時間待たなくてはならなかったので、今日は朝一番に出かけたの。

着いたのが開館直後の10時10分ごろ。それでも、すでに大勢の人が展覧会場に来ていました。

うーん、源氏物語に取りつかれた人がこんなにたくさんいるのね。


展覧会は時系列に従って、いろんな展示がありました。
京都の展覧会よりも、もう少し落ち着いた感じのように思えました。

平安時代から鎌倉時代、室町時代、江戸時代、そして現代にいたるまでの源氏物語を題材とした絵巻物や屏風、書籍、箱、着物などさまざまの展示がありました。

今から千年前に一人の女性の書いた書物がこんなに長い間、それぞれの時代の人々の心をとらえ続けてきたということは驚異です。

もちろん紫式部を題材とした絵画もたくさんありましたよ。

私が好きになったのは大和絵と言われる手法の絵画。
土佐派の土佐光吉という人の絵が気に入りました。派手でそれでいてすっきりしていて、明るい感じの画風でした。


こちらは浮世絵の喜多川歌麿の書いた「兄弟絵」というもの。


手前に立っているのは江戸時代の女性。この人は犬を飼っていますね。

そして左後ろに立っているのは女三宮です。
彼女の飼っている猫が御簾をもち上げてしまい、そしてその場を柏木が見てしまったことから、恋愛関係が始まります。ついには源氏の子供と言われる薫を生んでしまうという衝撃のシーンのスタート場面です。

そういう二つのシーンを一つの絵にまとめたのがとても面白い発想だと思いました。

最後のコーナーに瀬戸内寂聴さんの源氏物語の生原稿が置いてありました。

もっと豪快な字だと想像していましたが、案外と華奢な字で、さらさらさらと書いてありました。
なんと400字詰め原稿用紙に4000枚以上書いたそうです。
そのご苦労はいかばかりだったことでしょう。
それでもそういう翻訳本があるおかげで、現代の私たちもすらすらと読めるのですから、感謝感激ですね。

今回はイヤホンガイドを借りて鑑賞しました。
NHKの加賀美アナウンサーのしっとりとした口調の説明があるので、よく分かったわ。

今の希望は名古屋にある徳川美術館に行ってみたいということ。
源氏物語絵巻などの国宝がたくさんあるそう。
徳川幕府の歴代の殿様も、美術を愛でる心があったのだと思うわ。

これだけたくさんの展示品をゆっくりと見せてもらって、本当に優雅な気分に浸れたわ。

2008年9月22日月曜日

今週は・・・・・


今週は私にとって、一年間で一番大切なお仕事がある週なの。

その仕事のために、今まで年に一度は各地の大学でお世話になり、あちこちでおいしいものをいただいたり、ちょっぴり観光もしてきました。

去年は北九州まで行って、おまけで飯塚市にある白蓮さんのおうちまで見ることもできたの。
その時の様子はこちら

ところがね、ことしのお仕事の会場はつくばなのよ。ということで、お泊まりはなし。
つくばエクスプレスに乗れば、秋葉原からすぐに行けちゃうんですもの。

ちょっと残念ね。


でも、今週は源氏関係のイベントに二つも参加することになっているの。

明日は横浜美術館で開かれている展覧会に行く予定。

これは先日の市の講演会で入場券をプレゼントされたもの。
京都文化博物館で見た展示と同じ内容だと思うけれど、2回も見られるのは嬉しいわ。
6月の京都の展覧会の様子はこちら

そして土曜日は東京ウィメンズクラブで開催される実践女子大学の講演会

どちらも源氏物語千年記念行事です。

ということで、私にとっては、お仕事よりも趣味が大切。


さて、明日はお彼岸。

どうしてこの頃になると、彼岸花は、ちゃーんと忘れずに咲くのかしらね?

2008年9月21日日曜日

桜とうさぎ


桜とうさぎといっても、花札じゃないのよ。

これは、私が三味線で弾けるようになった曲です。

「さくら」は  さくら、さくら、やよいのそらは・・・の、さくら。


「うさぎ」は  うーさぎ、うさぎ、なにみてはねる・・・・の、うさぎ。


両方とも、あまり指を動かさないですむ簡単な曲です。

まだ2回しかお稽古に行っていないのだけど、弾けるようになりました。

とはいえ、とぎれとぎれ。
それに音色もよくありません。

でも、音が出るというのは嬉しいわ。

そのうち、「松の緑」くらい、ちゃーんと弾けるようになりたいわね。

先生に言われたように、毎日15分ずつ、練習しています。

窓を閉め切って弾いているのだけれど、ご近所の皆様にはご迷惑をかけているかもね。

2008年9月20日土曜日

エアコン掃除



ちょっと前に、玄関のポストに「エアコンクリーニング お得セット」とかいうチラシが入っていたの。

エアコンを何台かまとめてクリーニングすると、お安くなるというチラシだったの。

それでどうせなら、一度にきれいにしてもらったほがいいということになって、我が家のエアコンも掃除してもらうことにしました。

リビングルーム、寝室、娘の部屋、母の部屋、それぞれにあるエアコン合計4台まとめてクリーニング。

そして今日、ダ○○ンの人が来ました。

私はエアコン嫌いだし、ほとんど使わない(今年の夏は暑かったのでだいぶ活躍したけれど)ので、そんなに汚れていないと思っていたのよ。

でもダ○○ンの人が、カバーを開けてみて、「奥さん、見て下さい。こんなに汚れてますよ!」と言うの。

ありゃ、まっ黒だわ。

それでダ○○ンの人が二人がかりでお掃除を始めました。

1台終わると、バケツを持ってきて、その中の黒い水を見せて、「ほら、水がこんなに黒くなりましたよ。」と見せるのよ。

私にしてみれば、恥ずかしいわよね。

こんな汚いところで暮らしていたのか・・・と。

でも、思い出してみれば、この家に引っ越して8年間、一度もクリーニングをしていなかったのよ。

その8年分の汚れとほこりがたまっていたわけね。

でもきれいになってよかったわ。

さて、次は何年後かしらね?

写真は雨に濡れた朝顔。まだまだ毎朝、咲いています。

2008年9月19日金曜日

お姫様だっこ


源氏物語の中でも第三部と言われる「宇治十帖」。

これは光源氏の死去の後の時代で、彼の子供や孫が登場します。


もともと私は薫(源氏の子供と言われているけれど、本当は柏木と女三ノ宮の間にできた不倫の子供)は好きでなかったのだけど、今回、宇治十帖を読み直してみて、やっぱり薫よりもライバルの匂宮(源氏の孫)のほうが、いいなあと思ったの。

薫と匂宮は浮舟を挟んだ三角関係にあるの。

そういう状況で、私は匂宮に軍配を上げたいな。

というのは、匂宮は浮舟を小舟に乗せて向こう岸の隠れ家に連れて行くときに、お姫様だっこをしてくれるのよ。

お姫様だっこというのは、女性の背中と脚を同時に抱きかかえる方法。
(よく外国映画のウェディングシーンなどであるでしょ)

それを十二単は着ていないにしろ、着物姿の浮舟を軽々と抱き上げて、舟に乗せるなんて、かっこいいと思わない?

その時はたぶん、お付きの人が何人かそばにいたと思うのよ。
そういうシーンでも、照れもせずに堂々としちゃう匂宮が好き。

彼は浮気性だとかいろいろ悪評があるのだけれど、でも私はお姫様だっこをしてくれる人のほうがいいな。

薫は誠実男のように言われているけれど、でも心底からは浮舟を愛してはいなくて、ちょっとした愛人を囲うくらいの情熱しかなかったように思うのよ。

薫だってお姫様だっこをしてくれるのならいいけど、彼はかっこつけ男のような感じがするから、そういうことはできなかっただろうな。

「もののあはれ」と言われる宇治十帖をこんなふうに読んでしまう私は、まあ、何といい加減に読んでいるんでしょ。

2008年9月18日木曜日

お薦め本


瀬戸内寂聴さんの訳による源氏物語全10巻を先月に読み終えて、それからは源氏物語関連の本をあれこれ読んでいる。

これがまた、面白いのよ。

そのうちの3冊を紹介します。

1冊目は清水義範さんの「読み違え源氏物語」。


清水さんはパスティーシュというオリジナルの作品の作風や文体を模倣して、まるで別のものに仕上げる手法の第一人者です。たとえば深刻な小説でも、ユーモア小説風にしたり、翻訳調にしたりするわけ。

私は清水さんの大ファンで、彼の出す単行本はほとんど読んでいる。
すごく才能あふれる人で、元の本をよりいっそう面白くする技術があると思うわ。

その彼が源氏物語をオリジナルに即しながら、あっと驚く展開をしているの。

たとえば源氏物語を推理小説風に扱ってみたり、かの最高の理想の女性として称えられている藤壺をおバカさんな女性にしてみたり、末摘花はアメリカの田舎の女の子にしてみたり、よくもまあ、こんなにいろいろ考えつくと思うくらい、源氏物語を変身させているのよ。

紫式部さんも草葉の陰から「あら、こういう書き方もあったのね。」と感嘆しているかもしれないな。

でも基本にはストーリーに忠実なので、まずこういう本を読んでから源氏物語に入るのも一つの手かもしれないわ。

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2冊目はかの円地文子さんの「源氏物語私見」。


これは円地さんが源氏物語を訳している時に、不思議に思ったことや、それまでの研究者の意見に対して、ご自分の意見を述べている本。

円地さんの独特な解説があり、素晴らしい内容なので、圧倒されます。

特に登場するヒロインたちの分析は素晴らしい。

いろいろなことを言いきっているけれども、それもこれも円地さんが源氏物語を心から愛しているからだと思うの。

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3冊目は題名の通り、源氏物語の中に登場する人物の服装から物語に触れる「服装で楽しむ源氏物語」。


これは近藤富枝さんの本。

当時の人の服装がイラスト入りで描いてあり、そしてその色合わせによりおしゃれを楽しんだ様子がよく分かる本。

たとえば初夜の時はどんな服装をしていたかとか、お産の時はどんな着物であったとか、葬儀の時はどんなだったとか、詳しく描いてあるので、当時の男女の服装を知ることによって、物語の楽しみが増える本。

服装以外にも当時の人たちの生活なども説明してあるの。

ふーん、とか、はあー、とか言いながら読んでいました。

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この3冊は章ごとに分かれているので、どこから読んでもOK。

暇のあるときにパラパラとめくるにもいいかもしれないわ。

でも結構、奥行きは深い本だと思いますよ。

2008年9月17日水曜日

舞妓Haaaaan!!!


そういえばね、昨日はSシネマの1000円鑑賞日だったの。

それで堺雅人の出る「アフタースクール」を見に行く予定にしていたんだけど、上映時間が合わずに断念しました。残念。

それで190円でDVDを借りてきて「舞妓Haaaaan!!」を見たのです。


ちょっと前に上映されて評判になった映画だと思うの。

ストーリーはインスタントラーメン会社の社員の阿部サダヲが京都支店に転勤になり、一度は野球拳をしたかったという彼の高校生の時からの夢を実現させるためにいろいろな騒動を起こすコメディーあり、ショーありのエンタテイメント映画でした。

主演の阿部サダヲというのが、おかしいのよ。ちょいと鬱陶しいくらいの人なんだけど、ようやるわ~という感じね。

ライバルの野球選手役になった堤真一もかっこいいし、面白いの。

舞妓さん役の女優さんもとても可愛い。

吉行和子もお茶屋のおかみさん役でいい味を出していたわ。

えーっと驚いたのが特別出演していた植木等さん。
ワンシーンだけだったけれど、あの独特の歩き方など、大活躍をした昭和時代とちっとも変っていなかったわ。
だいぶ前にお亡くなりになったと思うのだけど、そうするとこの映画も撮影はかなり昔だったのかしらね。

そんな芸達者なキャストの中で、ただ一人浮いていたのが主演女優の柴咲コウ。
平凡なOL役のときは不細工すぎるし、舞妓さんに変身してからはあのつり眼の顔が、着物姿に全然似合っていないのよ。

この人、私の好きな妻夫木くんの彼女とかいう噂だけど、ちょっと許せないな。


柴咲コウのことは別として、かなりハチャメチャな映画だけれど、笑えました。

ラーメン会社の社員が、夢を叶えるために、プロボクサーになったり、市長選挙に出馬したり、どんどん展開するストーリーがスカッとしました。

三味線のお稽古を始めた私にとっては、お茶屋さんでお姉さんが弾く三味線の撥捌きが気になったわ。

それとあちこちに出てきた京都の街角のシーン。

10月にはもう一度、京都に行きたいなと思っています。
舞妓さんにどこかで会えるかしら?

2008年9月16日火曜日

乳がん検査


このところ、時々、何だか右のお○○いが、突っ張るような感じがしていたの。

触ってみても何もぐりぐりしないし、形も左と変わりがないの。

でも何だか気になるので、病院で検査をしてもらいました。


乳腺外科の専門医は決まった曜日にしかいらっしゃらないので、今日の担当は外科のいつものおじいちゃん先生。
この先生なら、私のお○○いを触られても、まあいいわ。

先生は左右触ってみて、触診では何もないとおっしゃるのよ。
ああ、ひと安心。


お次は超音波。ぐにゃぐにゃゼリーを塗りたくって検査をしたのだけど、これもクリアー。

おじいちゃん先生は「乳腺は時々痛くなることがあるんだよ」とのこと。
そうなのね。
でも、男の人にはこの気持は分からないだろうな。


お次は例のマンモグラフィー検査。

これ、大っ嫌いなのよ。

でも、今日の検査は死ぬほど痛くはなかったわ。

でもさ、40歳くらいの男の技師に、お○○いを触られるのはいい気持じゃないわよ。

台に乗せるために、ぐいぐいと引っ張るんですもの。
「小さくて悪かったわね。」とでも言いたくなるわよ。

私は「こういう仕事をする人って、プライベートのときでもこうやって触るのかな~」なんて、妙なことを連想してしまったわ。


結果はまた専門医のいる時に聞きにいかないとならないの。

まあ、何ともないとは思うのだけれども、ツツツという感じがするのは、何とも嫌だなあ。

これっていったい何なんだろう?

2008年9月15日月曜日

東大界隈 その3


さーて、東大界隈を一気出しです。


こちらは湯島天神
良く受験シーズンになると、ここで絵馬を描く学生の画像がテレビに出るわね。
というのもここは学問の神様、菅原道真を祀ってあるからなの。

また泉鏡花の「婦系図」の舞台にもなったところだそうで、そんな関係で新派とも縁が深いそう。

私が行ったときには、ちょうど結婚式をしていました。

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お次は上野不忍池まで足を伸ばしたの。


蓮の葉っぱがすごかったわ。

池には大きなコイも泳いでいました。

最後は旧岩崎邸


かの三菱財閥の岩崎家のおうちです。
敷地は5万坪とか。

鹿鳴館やニコライ堂を建てたイギリスの建築家、コンドルという人の作品だそうです。

とにかくゴージャスなお家だったわ。


ここはサンルーム。明るくて素敵なところでした。

そして洋館だけではなくて、和室もあったのだけど、これが素敵なところで、まるで京都にいるみたいでした。

おまけに、ビリヤード場専門の山小屋風の建物まであったのです。

当時のお金持ちの暮らしぶりを垣間見た気分でした。


こんなふうに東大界隈にいろんな名所旧跡があるというのは、東京に半世紀も住んでいても知らなかったの。

でも、若い時はこういう場所には興味は持たなかったかもしれないわね。

古いものに興味が出てきたというのは、年をとった証拠かしら?

<おしまい>

東大界隈 その2


当時、私は東大で仕事をしていたけれど、大学卒業の次の日に結婚式をしたという新婚さんだったので、いつも余計なところには寄らず、仕事の後はお茶の水にまっすぐ戻り、そして中央線で通勤をするという日々だったの。

ということで、東大界隈は銀行と郵便局とランチに行ったお店以外はあまり知らないの。

それでウン十年経ち、ちょっと大人になった私は、東大近辺で面白いお店を探してみたのです。

そこは「金魚坂」というお店。


東大の赤門の反対側の道路のちょっと入った路地にあります。

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なんと創業360年というから江戸時代からある金魚屋さんで、当時は大名や旗本などを相手に金魚を売っていたお店なんですって。

それが今では喫茶や食事もするようになったという不思議なお店。

行ってみました。


立派な金魚が水槽の中を泳いでいます。ここでは、釣りもできるそうよ。


金魚の写真を撮るのはすごく難しい。すぐに態勢を変えてしまうんですもの。

絵子ちゃんがみたらきっと喜ぶだろうなと思ってみていました。


ものすごく高価ならんちゅうとか、安い金魚もいました。

子供のころに着た金魚の柄の浴衣を思い出したわ。


こんな風にして養殖しているのです。


さて、レストランの店内は大正レトロといった雰囲気が漂っていました。

食事は煮魚や、刺身、夜にはいろんなコースもあるみたいです。

料理はちょっと高いのですが、お店の雰囲気を味わうにはいいのではないかしら?
食事のことはこちらのサイトをどうぞ。

壁やテーブルにはさりげなく、しゃれた小物や絵画が飾ってありました。


金魚にちなんだグッズもお土産に売っていました。


これはお土産に買ったガラスの一輪刺し。金魚が口を開けているの。
ちょっと夏向きだったわね。

東大の近くにこんな変わったお店があるなんて、全然知らなかったわ。

<つづく>