2008年8月4日月曜日

崖の上のポニョ


先日の金曜日(8月1日)は毎月の映画の日で、お一人様1000円で鑑賞できるので、地元のP映画館に行ったの。

ちょうど「崖の上のポニョ」を上映していたの。

これが良いという評判を聞いていたのだけど、夏休みだしお子様向き映画のようだし、うるさいお子様たちに混じって見るのはどうかな~と思っていたのよ。そうしたら夜7時からの上映があったので、仕事帰りに寄ってみました。


映画のストーリーは、崖の上のおうちで母親(介護施設に働いている)と暮らしている5歳の男の子(お父さんは猟師さんで、漁業に出ているの)と、ポニョの交流のお話。

ポニョというのは、赤い金魚のことだそうですけど、そこは宮崎駿さんの映画だから、金魚がしゃべったり、歌ったり、変身したりするのよ。

(ちなみに宮崎さんというのは母校のT高校の先輩なんですよ。)


それで、ポニョが男の子を助けたり、悪い怪物(?)と戦ったりするんだけれど、どうも解せないシーンがいくつかあったのよね。

介護施設にいる老女たちが、それまでは車椅子に座っていたのに、急に歩き出してしまったり、母親の運転がものすごく荒っぽかったり、そういう変なことが気になったの。

些細なことが気になると、映画に集中できないのよね。


ポニョの公式ホームページによると、「少年と少女、愛と責任、海と生命、これら初源(意味が不明)に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうとする」映画だというの。

でもそれは言いすぎじゃないかなというのが率直な感想。


一番気になったのは、この映画(アニメ)の声優について。

男の子の声はプロの人だし、母親役の山口智子や父親役の長島一茂は割りとがんばっていい線だと思ったのよ。
海の妖精のような女王様(ポニョのお母さん)の声は天海祐希だったのだけど、彼女の声も品があって素敵でした。何んとなく松坂慶子を彷彿とさせるような女王だったけれどね。
小さい金魚たち(矢野顕子)も可愛いので許せたわ。

ところがまるでひどいのが悪魔(ポニョのお父さん)の声の所ジョージ。
ド下手でとにかく一本調子なの。

せっかくのシーンも彼の声で台無しだった。
どうしてこういう人を起用したのか、解せませんでした。

こういうことが気になってしまう私は、夢のあるアニメの世界には没頭できないな~とつくづく思ったわ。


私が一番好きな宮崎作品は「魔女の宅急便」。

女の子が主人公なのだけれど、「13歳になったら独立しなければいけない」という魔女の掟がとても好きで、うちの娘もそういう方針で育てたの。

女の子が主人公だと自分自身に通じるものがあるのだけれど、5歳の男の子というのは分からないので、それだけ同感できなかったな。

とはいえ、海が荒れるシーンや女王様のシーンはとても大胆できれいで、それなりに楽しめましたけれど、こういう田舎に住む若い家族という設定は、我が身とかけ離れているせいか、よく分からなかった。

私には、「神経症の時代に立ち向かう」は大げさすぎると思ったわ。

もっとファンタジックなストーリーだけならよかったのだろうけれど、妙に現実的(介護のところなど、これは我が身に当てはまるので見たくなかったな)なシーンが入り混じっていて、なんだかちぐはぐ。

映画の日で1000円だから見たけれど、1800円払って見るだけの価値があるかな~。

ちょっと辛口のコメントでした。

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ポニョ、ご覧になったのですね。
好き好きはいろいろでしょうから、なんとも言えませんが、いくつか誤解されているようなので。(誤解するということは、作品の表現力がどこか不足しているのですね。)
荘介のお父さんは漁師さんではなく、瀬戸内海を航行する本船の船長さん。だからあの帽子にはとても象徴的な意味(ちょっと古臭い男の思いみたいなもの)があるんだと思います。
ポニョのお父さんは悪魔、ではなくフジモトという名前で、単純な悪役ではなく、人の社会に絶望した科学者、という設定だと思います。所ジョージの声は、その生き方や考え方の不器用さをストレートに表した演技だとおもってました。でも、うがちすぎだったかな?と、としちゃんさんの感想を見て、思いました。感じ方や解釈は人それぞれですね。私はあのアートの領域にいったんじゃないか、と思う、デザイン化された波や海、水中からみた水上などの絵や動きに魅了されました。
あ、ちなみにあのお母さんの運転、狭路での障害のよけ方、ステアリング操作、どれもすごくちゃんとしたドライビングテクニックをきちんと書いてました。動きとして手抜きなし、ってのがすごかったです。
きっと担当したアニメータは死にそうだったと思うけど。

おおしまとしこ さんのコメント...

そうそう、男の子のお父さんは船長さんでした。彼が父親とライトで交信するところは、ちょいといいシーンでしたね。
でも父親のことや母親を呼ぶのに名前で呼びつけるのは、どうかな~という印象もありました。「パパ」や「ママ」でもおかしいけれど、あの男の子なら「お父ちゃん」「お母ちゃん」でも良かったのかなと。呼び方に違和感がありました。(くだらないことが気になる)
それから所ジョージの科学者というのも理解していますが、どうしてあの名前がフジモトなのかよく分からない。
私も海の波の描き方(藍色が素敵)やポニョの妹(?)たちの描き方は好きでした。それに全部手描きだそうですね。
それだけになんだか作品全体としてはもったいないなーという感じでしたね。感動を求めすぎていたのかな?

匿名 さんのコメント...

Pでは今、「ポニョ」をやっているのね。
夏休み中は、お子さま向きの映画が多くて、私は寂しい~。
いつからか、声の出演に有名な俳優をあてるようになったけど、これってどうなんでしょう。ときどき、彼らの顔が頭にチラついてしまう。声優ほど上手くもないし。

宮崎駿さんの作品で私が一番好きなのは、「おもひでぽろぽろ」かな。これが一番好き、っていう人はあまりいないのだけど(苦笑)
「神経症と不安の時代に立ち向かおうとする」なんてたいそうなことを言う前の、それよりずっと前の作品が好き。

おおしまとしこ さんのコメント...

「おもひでぽろぽろ」は見ていないけれど、確かに宮崎作品もある時期から変わってきたみたいね。そういう変化が好きな人もいるだろうけれど、私も昔の作品のほうが好きですね。
所ジョージの声は、ふだんTVなどで見るようなおちゃらけた感じの声ではなく、もっと沈んでいる声だったの。それでかえって違和感があったな。そういう声でいいのなら、他の声優さんもいたと思うのよ。所ジョージの個性がないかんじでした。

匿名 さんのコメント...

Leave your commentって書いてあるから英語にしようと思ったけど恥かくといけないからやめたわ。昨日プロフェッショナルで宮崎駿のことをやっていてやっぱりポニョ見に行こうかと思いました。私も全然宮崎を知らなかったけど最初にTVで「耳を澄ませば」を見てひきつけられましたね。わくわくしました。あとトトロね。TVでラピュタを見て、妹からナウシカを借り、もののけ姫と千と千尋は映画館に見に行きました。独特の世界を持った人ですね。ちょっとグロいところもあるけど千と千尋もすごくよかったです。昨日のTVでは若いアニメーターに向けた厳しい言葉が印象に残っています。ジブリ美術館に行った時、水グモもんもんというのを見たけど短編に見事に生命を描いていました。私が出会った英会話の先生の多くは宮崎ファンでしたね。私はディズニーより深いものを感じます。そこにはアメリカナイズされていない世界があります。

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、このブログっておかしいの。時々表記が英語になります。でも今はまた日本語に戻っているでしょ。
「耳を澄ませば」は確か多摩のあたりがぶたいでしたよね。あれは好きです。それから子供が小さい頃は「ラピュタ」を見たりしていましたね。ジブリ美術館は近いのだけどなかなかいくチャンスがなくて残念。
アメリカ人やヨーロッパの人でも宮崎ファンが多いのね。
来週、屋久島に行くんだけれど、そこは「もののけひめ」の舞台になったところだそうです。千尋の滝というのもあるらしいの。

匿名 さんのコメント...

屋久島いいわね。
超原始の森っていう感じ・・森林浴たっぷりできそうですね。

私は来週軽井沢に脱出です。
のんびり過ごします。

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、私はどちらかというと軽井沢のほうがいいわ。
屋久島ではトレッキングとかいうのをするらしいのよ。朝早くから歩くんだけど、山道を歩くよりも、のんびりしていたいな~。でも諏訪でのんびりできるかな?