新宿区のちょっと西のはずれに、中井というところがあるの。
西武新宿線や大江戸線の駅があるところです。
この中井駅から5分ほど歩いた閑静な住宅街に「林芙美子記念館」というのがあるのです。今日は、ここに着物で行ってみました。
とても立派なお屋敷でした。竹林が素晴らしい。
実は、銀座にある「いち利」というカジュアル着物屋さんが企画したイベントに参加したの。
今日のコースは、「林芙美子記念館」を見学した後に、近くにある江戸更紗の工房に行って、そこで江戸更紗のテーブルセンターを作るというユニークなイベントでした。
着物屋さんのイベントなので、着物で出かけましたが、天気予報を見ても、今日は暑いのだか寒いのだか晴れるのだか雨なのだか全然見当がつかなかったので、着ていくものを選ぶのにちょっと悩みました。結局さとさんからいただいた単衣の絣にしました。絣なのでちょっと少女っぽいので、帯はクリーム色にオレンジの花柄のざっくりとしたものにしてみました。帯揚げは淡いオレンジ色。帯締めは銀座で買った黄色にオレンジのもの。
このイベントに参加したのは、千葉からやってきたという女性と私の二人。いち利の番頭さん(?)が案内してくれました。
林芙美子記念館は、昭和16年に建てられた家でつまり築70年の建築物です。
ここは、林芙美子と旦那さん、それに養子の男の子が生活したおうちであり、林芙美子が執筆した仕事の場所でもあるそうです。旦那さんというのは緑敏さんという画家の方で、この方の描いた芙美子像というのも飾ってありました。
とてもすてきなおうちでした。
ここが東京の新宿にあるとは思えません。まるで京都にいるみたい。
林芙美子は竹が好きだったそうで、縁側にも竹を使っていました。
お庭も家も戦争前に建てられたものとは思えないほど、凝ったところがあり、とても素敵でした。
それもそのはず、この家を建てるにあたって、林芙美子は建築関係の本を200冊も読み、京都まで行って建築家の人と相談して、大徳寺に似せて作った家だとか。あちこちに京の町屋の良さも取り入れて工夫したそうです。
書斎、客間、お母さんの部屋、客間、お風呂、台所、どこも戦前のモダンな香りがしました。
電気冷蔵庫もあり、当時としては珍しかったのでしょうね。
こちらにはピアノが置いてありました。養子にピアノを習わせようとして買ったものだそうです。
ここでは今では新宿区のものとなり、新宿区のボランティア・ガイドのおじいさんがいろいろと説明してくれました。
林芙美子はなんと48歳という若さで亡くなってしまったそうです。その代わりというか、旦那さんという人は林芙美子の死後、40年間もご存命で、平成元年にお亡くなりになったのだとか。
これまで林芙美子の小説はちゃんと読んだことがなかったので、これから読んでみることにしましょう。
見学している途中、ザーザー雨が降ってきてしまい、着物で出かけた私はひやひやものでした。日傘用の小さな傘しかなかったので、それをさしましたけれど、やはり濡れてしまったわ。草履の鼻緒の色が足袋についてしまいました。
さて、この後、妙法寺川近くの江戸更紗工房「双葉苑」に行って、楽しい体験をしたのです。
この話はまたね。
6 件のコメント:
林芙美子は、森光子さんが舞台で主役を演じる「放浪記」があまりにも有名だけど、そういえば私もちゃんと読んだことがないわ。
赤貧の作家のイメージがあるのだけど、こんな立派なお屋敷に住んでいたのね。
としちゃん、絣の着物が可愛いです~♪
クリームやオレンジ色の帯や帯締めが、紺色の着物によく合っていますね。
絣の着物よく似合ってますね!
黄色が映えるのね~
帯や帯締めも色合わせがちゃんとできてていい感じです♪
林芙美子のイメージがちょっと変わったわ。
凄いお宅に住んでおられたんですね~
静かな雰囲気のいいお宅で京都の感じもあるわね。
マサさん、そうなのよ、林芙美子というと貧しいイメージがあるでしょ。それがすごい豪邸でびっくりしました。おまけにご主人がすごく長生きをしたというのは知らなかったわ。養子の息子は電車事故で亡くなったそうで、宮城道雄さんを思い出しました。
着物はさとさんが着ていたものをいただいたの。帯は3000円、帯締めは1000円という安上がりのスタイルでした。
さとさん、この絣は木綿なのかしら? 雨に濡れてしまったので、どうしようかと思っちゃいました。黄色の模様に合わせて黄色い帯にしてみたの。帯が赤いと子どもっぽくなってしまって、おばさんにはちょいと厳しいです。
この続きも是非ご覧くださいね。京都の友禅(さとさんの銀行バック)と同じような体験をしてきたんですよ。
林芙美子さんも京都が好きだったようですね。竹やザクロ、ばらなどを愛していたようで、素敵なお庭でしたよ。上京されたらご案内したいところです。
近くなのでいってみたいところです。
すてきですね。最近佐伯祐三のアトリエも見れるようになったと区報に書いてありました。
そういえば染めのところは中学か高校で社会科見学でいったことがありました。
そうそう、ここはカンカンのところからなら近いわよ。高田馬場の2つ先だったかしら。林芙美子さんは若くして作家として有名になり、48歳で亡くなってしまったんですって。写真からするともう少しおばさん(失礼)だと思っていたのに、今の私などよりもずっと若くお亡くなりになってしまい、残念ですよね。
二葉苑、こんど6月末に「大染色祭」というのがあって、いろんな染めものが体験できるそうですよ。佐伯祐三のことも新宿区でやっているみたいね。
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