2015年6月27日土曜日

歌舞伎鑑賞教室

先日、国立劇場の歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。


今回の出し物は「壺坂霊験記」でした。
なぜ、これを見たかというと、3月に赤坂サカスで文楽でこれを見た▼ので、その人間バージョンの舞台も見たかったからです。


今回は歌舞伎鑑賞教室としての舞台でした。
これは歌舞伎初心者向けのもので、高校生などを対象としていますが、一般の人が入場しても構いません。
いろいろと歌舞伎の説明があり、1500円の席もあるので、お得な舞台です。

鑑賞教室では「歌舞伎のみかた」という解説と案内役を、若手の役者さんがつとめます。
その時は素顔で、袴姿のことが多いようですね。
今回は 坂東亀寿さんという役者さんでしたが、歌舞伎のせりふとは異なり、分かりやすく話すのはけっこう難しく、緊張する役なのだとか。

会場は9割くらいが制服姿の高校生でしたので、始まるまではまぁワイワイと賑やかでした。
ところが役者さんが舞台に上がり、歌舞伎の説明をしだすと、シーンとなって静かに聞いていました。
生まれて初めて歌舞伎に接した学生も多かったと思いますが、真剣な様子でした。

司会者がまずは歌舞伎の成り立ちから始め、舞台の説明をしました。
舞台が回るとどっとどよめきが起こり、また舞台がせりあがると、歓声が上がりました。

その後は若い役者さんが登場して、女役になるときのお化粧方法をやってみせました。
それをカメラで写し、大型スクリーンで見せてくれたので、細かいところまでよく分かりました。
刷毛で顔を白く塗り、紅を引き、眉を描いた後の美しさには、学生たちもみんな感激していたようでした。

そして、その後は女子学生二人が舞台に上がり、女形といっしょに打掛を着て、花道をそろりそろりと歩くということもやっていました。
二人とも感激して、うるうるとした様子でした。

このような経験はきっと記憶に残ることだと思います。

鑑賞教室では分かりやすい冊子も配布されるので、とても親切だと思います。

外国人向けの教室もあるそうですが、それも良い試みですね。

今回は一番後ろの列でしたが、まん真ん中の席でしたので、舞台が全部見渡せてラッキーでした。

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舞台は目の見えない座頭の沢市と、その女房のお里のお話です。
もともと人形浄瑠璃として初演され、その後、歌舞伎を始め、他の芸能にも取り入れたお話です。
夫婦の愛情と観世音菩薩信仰が、お話の主題になっています。


沢市役は坂東亀三郎さん。
お里役は片岡孝太郎さんでした。

文楽で見たときは、谷底に身を投げるときは人形が後ろからどーんと倒れるように飛び込んでいましていましたが、さすがに人間が演じるときは、足からすーっと飛び込んでいました。

また文楽のときは人形の動きや人形遣いの顔が気になりましたが、役者さんが演じたときは義太夫の歌や三味線を楽しむというゆとりも生まれてきたようでした。

観世音菩薩の役は小さな女の子が演じていましたが、澄んだ声を張り上げ、よく頑張って演じたと思います。

最後に沢市の目が開き、二人が手を取りながら幸せそうに花道を帰る場面では、高校生も大きな拍手を送っていました。

ちなみに冊子によると、壺坂(壷阪)というお寺は奈良県の飛鳥地方に実在するそうです。
このお寺のことは、「枕草子」にも登場しているそうですから、かなり昔からあったのですね。
ここは今でも眼病封じの寺として有名なお寺だそうです。

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この日の装い。

雨が予想されたので、濡れても大丈夫な着物にしました。
先日の着物交換会▼でいただいてきた着物です。


抹茶色のような地味な色の着物なので、帯は生成り色にオレンジの大きな花柄の明るいものにしました。

結局雨は降らず、かなり暑い日となりました。



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