2011年2月2日水曜日

着物の学校

近江の国の旅行記はちょっとお休みして、先日参加した着物のお勉強会の報告をしておきますね。
報告というと堅苦しいのですけれど、私自身の覚え書きです。

これは本当は「一枚の着物から」というタイトルの集まりなんですけれど、私にとっては「着物の学校」という感じかしら。

「一枚の着物から」のオリジナルは、こちらのきぬたやさんのホームページをどうぞご覧くださいね。とても分かりやすい説明がしてありますよ。

さて、着物の学校は中央区にある人形町区民館で開かれました。
ここは地下鉄の人形町と水天宮の真ん中あたり、そう有名な甘酒横町の近くです。


区民館は新しくてバリアフリー設計できれいで、とてもいいところです。

集まった人は袴姿の女性もいれば、ウールのアンサンブルを着た女性、紬着物の方、そして粋な角帯の男性が二人もいました。みんな着物好きということが共通ですね。

私は初めてお会いする人もいるので、いちおう大島(もちろん中古)とさとさんから頂いた龍村の帯という真面目な格好で行きました。


この日のお勉強会は私は勝手に工作の時間、実験の時間と時間割を名づけました。

まずは工作の時間
きぬたやさんが用意してくれた手作りの紙を使います。

3種類の織り方を、自分で紙で織物を作ってみます。

どうしてこういうことをするかというと、その織り方によって布の性質や手触りや強さなどがまるで違ってくるというのを、身を持って体験することができるのです。

まずは平織り。
縦糸と横糸が立て横に1列ずつ交互しています。
初めの一段目はこんな感じ。
スリットの入った用紙に、横に1列ずつ、テープを通していきます。


ちょっとできあがったところです。


平織りは普通の生地、大島などを織る織り方です。

次は綾織り。


斜め45度に筋が入っているのが見えますよね。
この織り方はジーパンのような丈夫な生地にするときの織り方だそうです。
縦糸1、次に横糸2の順序で織ります。

3番目は繻子織りです。  
縦糸1、横糸4の順序で織ります。


この織り方だと、裏に糸が渡るので摺れやすいのだそうです。
でも布に光沢が出るのできれいな織り方です。
この織り方はちょっと手こずりましたね。

織物をしているときはみんな無言。
手の早い人もいれば、じっくりと取り組む人もいました。
私はどちらかというと早くできましたけれど、どうも出来上がりが雑だわ。
性格が現れますね。

自分で作った紙の織物と布を比べているところ。


工作が一段落したところで、自由時間。
いろいろな布を自分の手で触れてみました。


中国産の絹と国産の絹。まるで違いましたね。中国産のはごわごわしていましたけれど、国産品は本当にしなやかで、見た目は同じなのにこんなに違うとは。
でも現在では原材料まで国産の絹と言うのは希少価値だそうで、繭は海外のものがほとんどだそうです。

金糸や銀糸が織り込んである高級な布も触らせてもらいました。


絽、紗、羅という夏物の生地の織り方も教えてもらいました。
透け具合や糸の絡み具合を確かめました。
重ねて使うとより豪華な感じでした。

これは可愛い帯。


豪華な辻が花の帯。
 

そして理科の時間になりました。
縮緬の生地はどのくらい水に弱いか? という実験をしてみました。
実際にお水をたらして、水に濡れるとくるくると縮むかという実験です。
これは面白かったですね。


きぬたやさんには毎度のことながら、たくさんの布をお持ちいただき、それを自由に触らせていただきましたが、「百聞は一見にしかず」ということを実感しましたね。

普通の着付け教室などでは絶対に学ぶことのできない有意義な機会だったと思います。

外はどんよりと寒い日でしたけれど、和室でぽかぽかになった昼下がりでした。

2 件のコメント:

さと さんのコメント...

としちゃん、この着物の学校は素晴らしいですね。
紙で織物を作るところは昨年の籐編みを思い出しました。
斜め斜めに模様が入るような感じだけど私は間違ってほどいてばかりでした。。。

着物を着るだけでなく、幅広く学べることはいいですね。
きぬたやさんはこうした地道なお勉強を続けてきものファンを増やしてらっしゃるのでしょうね♪

辻が花の帯と着物を昔作ったのよ。
忘れてたのを思い出しました(苦笑)
あぁ着物も着なくてはもったいないね。。。

おおしまとしこ さんのコメント...

さとさん、そうなんですよ、着物の知識だけでなくて、実技というか実際に触れて見ることができるのでいいですよね。
それに公民館で行っているので、販売は絶対に禁止されているので、安心です。
きぬたやさんはとても謙遜家なんですけれど、こういう機会を与えてくださるだけでもラッキーですね。

辻が花、持っているんですか!
すごい!
是非、着てみてくださいね。