2012年10月12日金曜日

「葛飾北斎とその時代」 1

また新しい市民カレッジに参加してきました。

これまで江戸時代の絵画の勉強や、着物の歴史などいくつかの講座に参加しましたが、今回は「葛飾北斎とその時代」というテーマで神奈川大学日本常民文化研究所の特別研究員の富澤先生という方の講義を受けることになりました。

富澤先生はまだお若い先生なのですが、今回の受講生の平均年齢はものすごく高いのです。おまけにほとんどが男性(おじいちゃん)なのです。
平日の午後に出かけられる人は限られているでしょうけれど、とにかく教室の雰囲気は地味な感じでしたね。

まず初回なので、北斎を学ぶ前提として、浮世絵とは何かということから教えていただきました。

江戸に幕府ができてから約50年ほどたった時、「明暦の大火」という大火事がありました。いわゆる「振袖火事」と呼ばれている火事ですね。

その火事の後は、「憂き世」から転じて「浮世」という言葉が流行したそうです。

つまり火事による町の再建の中、庶民は娯楽に飢えていた時代がありました。
(なんとなく、今の世の中と似ているなと感じました)

その時、井原西鶴の「好色一代男」が人気になり、その挿絵を描いていた菱川師宣の描く絵にも注目が集まったそうです。
それが「浮世絵」の始まりだったそうです。

今回の講義では、先生はパワーポイントを使いながらの説明をされるのですが、かなり凝ったパワポです。
フォントも凝っているし、いろいろな効果も凝っているのですが、私はあまり効果を狙うパワポは好みではありませんね。

それでも絵画の勉強をするには視覚に訴えるのが一番ですが。

写真はカラフルな配布資料です。
「見返り美人」もいますね。


さて菱川師宣の後は懐月堂安度(かいげつどうあんど)という画家(江島生島事件に関わったという理由で遠島になったそうです)の絵も評判になったそうです。

その後、鈴木春信や歌川広重が登場して、そして北斎の時代となるわけです。

浮世絵には3種類あり、
 1.肉筆のもの(絹や紙に描かれていた一点もの)
 2.墨一色の版画
 3.多色の版画(錦絵)
と区別されています。

この中ではやはり多色使いの浮世絵が有名で、それによって浮世絵文化が花開いたわけですが、その陰には日本独特の「ばれん」という竹製品を使った摺りの技法が重要だったそうです。

何色も重ねて摺ってもずれないのには、「見当」という目印があったそうですが、これが「見当はずれ」とか「見当がつかない」という言葉の語源なんだだとか。
なーるほどね。


この日の装いは、江戸時代を意識して、縞の着ものにしてみました。
これで黒襟でもかけると、おかみさんっぽくなりますね。

帯は黒に白の幾何学模様の万能帯です。


そういえば、講座の休憩時間に英語の分厚い本を読んでいらっしゃるおじいさまがいらっしゃいました。すごく教養のありそうな方でした。

この講座、一見、理系の研究者風の独断味のする講師と、超高齢おじいちゃん軍団のバトルが始まりそうな予感もします。するどい質問をしていた方もいらっしゃいましたよ。

どのように展開するでしょうか。ちょっと高みの見物とでも行きましょうか。




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