「案ずるよりも産むがやすし」という言葉があるでしょ。
あれこれと先のことを心配するよりも、物事は意外とすっと行くということだと思うのだけど。
今回、妹が来日したのは、母をグループホームに入居させるという問題に、私ひとりでは立ち向かえないので、妹の力を借りるためでもあったの。
その妹と、昨日は二人でそのホームを見学してきました。
私はそこを訪問するのは二度目だったし、日本の老人ホーム事情はすこしは様子が分かるのだけど、何せ妹は何十年も日本の暮らしから離れているし、そういうところはあまり知らないので、どういうふうに写るかなと思っていたのよ。
そうしたら、妹もホームの施設や内容をとても気にってくれて、私もほっとしました。
ところがいくら周りが気に入っても、問題は本人の気持ち。
それも記憶力の衰えた母なので、あまり事前に話をしても忘れちゃうし、理由を説明しても分からないと思って、ずっと黙っていたのよ。
それで、昨夜、割と母の機嫌が良い時に、
「お母さんも、日中、ひとりで家にいるのは良くないと、お医者さんからも言われた」とまずは、外側から攻めたわけ。
そして「おかあさんの面倒を見てくれるところを見つけた。今の家で使っている家具などもそのまま使えるし、いいお部屋なのでそこを見学してみたらどう?」と言ったわけ。
そうしたら、母のほうから「私はずっと前からそういう所に行きたいと思っていたので、見つけてもらってよかった」と言われたのよ。
私はなんだか拍子抜けしてしまって、もし「そんなところへ行くのはいやだ」と言われたらどうしようかと考えていたのがウソのように感じられたの。
それで、私も妹もほっとして、「それなら今度の土曜日に行ってみよう」ということにしたのだけど、その日程は、前々から施設の人と決めていたことなの。
そして明日、ホームに面接に行くのだけれど、母が本当にそこを気に入ってくれるといいな、と思うの。
でもその反面、もう今の家、今の部屋には戻れないのかしらと思うと、それも可哀想かなとも思うわけ。
しかし、このまま気力・記憶力・体力が衰えた母の面倒を私ひとりでずっと見るわけにもいかず、専門家の手にゆだねて、少し距離を置いて付き合ったほうがお互いのためになるかなと思ってもいるのです。
まだ入居が決まったわけではないけれど、こういうことって本当に「案ずるよりも産むがやすし」だと思うわ。
そういえば、これまで私は両親をこちらに引き取る時にマンションの売買もやったし、内装の手配もしたし、今のマンションの売買もやってきた。それに父の葬式の手配もしたし、お墓も用意したし、母の介護のあれこれの手続きもやってきた・・・。
そういうことって、その時は本当に初めてのことばかりで、何が何だかよく分からないままにやってきたのよね。
でもそういうことって、やってみればできないことはないのよ。そうやって、少しずつ大人になるのかもしれないわね。
12 件のコメント:
グループホームのことは、テレビや新聞で最近よく目にします。少人数でとても家庭的なところが多いですよね。
お母さまが気に入ってくださるといいですね。入居できれば安心でしょうが、としちゃんの、「可哀想かな」と思う心の揺れも、わかります。でも、離れて暮らしても、家族であることに違いありませんもの。
よかったわね、みんなの気持ちがあうということが何より。
専門家にお願いするというのが、介護されるほうも幸せということもある。
母は、疲れ果てた私たちが見ることによって、レベルダウンもあったし、体力も衰え、怪我もあったし・・入院後はレベルアップもしました。
後は、楽しく会いに行ってあげるということを考えればいいのよね。いい時間をすごすことを考えてあげてね。まだまだ準備とか、大変だと思うけど・・・そう、こうしたことを超えて、大人になって行くのだと思う。
マサさん、どうしてグループホームを選択したかというと、そこは普通に家事ができるところなんです。
母は掃除や料理などの家事が好きなので、いわゆる上げ膳据え膳のところでは何もすることがなくて飽きちゃうんですよ。それで日常生活をしながら、なおかつケアをしてくれるところがいいと思ったんです。一緒に買い物に行ったり、洗濯物を畳んだりしていて、それがいいなと思ったのです。
トントン、ありがとうとう。トントンの言葉は体験者でしか分からないことがあり、とても実感があるわ。
母にとって新しい環境での生活は大変かもしれないけれど、レベルアップできるといいなと思いますね。
としちゃん色々とお疲れさま。
今日の面接はいかがでしたか?
私の母はわがままで施設でもよくけんかするのよねぇ・・
でも弟一人ではとても難しいし、この寒い時期は特にみんなの目があるところのほうが安心なのです。
お母さま気にいっていただけたらいいのにね。
夕べ拝読して、お母さまの言葉に、何やらあたしもホッとしました。
胸が詰まって、何も書けませんでした。
町会のお友達がグループホームで働いているんですけど、お仕事は楽しいと言っていました。
行事で食材が余ると、おばあちゃんたちと何か作るんだと言って持って帰ります。
としちゃんさんが朗らかに過ごせることは、お母さまにとっても嬉しいことなのではないでしょうか。
子どもがいないので、あくまでも想像ですが、親はいくつになっても、子どもの幸せが一番なのではないかと。
とは言え、ご自分ではできないことが増えて来ると、頼らざるを得ませんよね。
それをプロのスタッフにお願いして、時々お互いの元気な顔を見せ合えるのは何よりかと。
本当にお疲れさまです。
としちゃんさんのご心労は、きっとお優しいからです。
お母さまの楽しそうな姿をご覧になって、より充実した生活が送れますよう、心から応援しています。
妹さんもそういうことでいらしていたのですね。気持ちが揺れると思うけれど、こういうことは実際に見ている人が一番わかるので何も言えないです。とにかく家にいれば、つききりで見る人が必要になってきます。
お母様の一言すごいと思いました。としちゃんのことを思ったのでしょうね。
なんでも一人でくぐりぬけてきてすごいわ。
女の子二人だと他に頼る人もいないし・・
さとさん、おかげで今日の面接はうまくいきました。母もこの施設をとても気に入ってくれて、私もほっとしました。
さとさんのお母様もそうだけど、日中、誰か人の目に触れていたほうが安心なのよね。
そういう意味で、お互いにほっとできるようになれるのがいいわね。
史子さん、いろいろとありがとう。
ほんとうにこういうところで働いているスタッフの人って偉いなーと思うのよ。とても明るいし元気だし、年寄りの扱い方が見事ですね。私なんて絶対にできないと思うわ。
そういう人と一緒にいらるのは幸せなことだと思いますね。
とにかく母が「いいところを探してきてくれて良かった」と何回も言ってくれたので、私もほっとしました。
カンカン、そうね、妹はだいたい一年に一回来日しているのだけど、今回は妹がいてくれていろんな片付けもできるし、それはやはり良かったですね。今日も二人でずっと母の洋服などを片付けして、持って行くものに名前を書いたりしていましたが、私ひとりじゃできなかったと思うの。
カンカンのところも妹さんと一緒に協力してご両親の面倒を見られるからいいでしょう。
よかったですね。いいグループホームが見つかって。見つけることが一番ハードルが高いのよね。
もう私たちも若くはないし、自分をすり減らしての介護は限界がありますね。
かわいそうとの気持ちもよくわかります。そういう時は、自分が倒れては何もならないと思うことにしています。
近いのかな? いつでも心にゆとりを持って、会いに行けるのは、お互いにとってもいいことですよね。
紅蓮さん、ありがとう。
実はグループホームというものの存在は聞いてはいたのだけど、実際にはよく知らなかったの。それが例の和楽器屋さんのおうちのお母様が深大寺のほうのグループホームに入っていてとても良かったというお話を聞いて、それでグループホームというのを選択肢に入れたのです。
こういうのって本当にご縁で、いくら入りたくても満員だとだめですものね。
場所は布田なので、自転車で10分もかかりません。便利なところで助かります。
コメントを投稿