昨日は、研究室の教授の最終講義だったの。
国立大学の教員というのは65歳が定年なの。
それで教授も65歳になったので、3月で定年退職されるのだけど、それを記念しての特別講義でした。
大学院の講義というのは内容が専門的だから、普段は私が聞いても分からないの。でも昨日は「わが師、わが友」というタイトルのお話。それで私も仕事を早めに終えてお話をお聞きしました。
広い教室には大学関係者、卒業生、教授の友人などたくさんの人が来ていました。
印象的だったのは、この教授が、初めの指導教官から3つの約束をされたという話。
それは研究をしていく上で、
1.専門的な学問に偏らないこと。
2.アジアの人と友人になること。
3.小学生でも分かるような説明ができるようになること。
ということだったの。
教授はこの約束をきちんと守ったのよ。
つまり教授のもともとの専攻は機械工学という分野だったのだけど、今では視覚、錯視、ヒューマンインターフェースなどと多岐にわたるいろんな分野の研究をされているの。
また大学内の留学生のとりまとめをしたり、研究室には中国人も多くいるし、アジアの人たちからもとても親しまれているのよ。
小学生向きの「あれ、あれれ、めのさっかく」という本も書いていらっしゃるの。それも3つ目の約束を守ったからなんでしょうね。
最終講義の後は、立食パーティでした。
奥様、お嬢様、お孫さんも登場して、花束贈呈。よかったわ。
先生が研究に打ち込んでいられたのも、奥様あってのことよね。
教授はマラソンが趣味なの。
つい最近までフルマラソンを走っていたのよ。
海外に出張の時も、ランニングシューズを持っていき、あちこち走ったそうです。
それと教授の隠れた趣味は、なんと「折り紙」。
大きな手で、器用に折り紙を折るの。
年の初めには、いつもその年の干支を折っていただいたりしたわ。
ピンクのストローで作った海老のお人形もいただいたわね。
とにかく「ものを作る」のがお好きな先生なの。
小学校に入る前から、お1人で動くおもちゃを作っていたんですって。
黙々と半田ごてを握ったり、やすりをかけている姿をお見かけするけれど、とても嬉しそうなの。
私もこの教授のそばに10年ほどいたわけ。
がんこだけど、人間関係をとても大切にしているの。
たくさんの学生が有給休暇を取って駆けつけてくれたほどみんなに慕われて、さすがにご人徳だわ。
これから3月末まで、もうひとつ、新しいものを作り上げたいとおっしゃっていたのが、すごいわ。
10 件のコメント:
素敵な先生ですね。
一芸に秀でるものは・・・と言いますけれど、正にそんな方なのでしょうね。
退官なさったら、としちゃんさんお寂しいのではないかしら?
これからも、私大の客員教授などなさるのかも知れませんね。
素晴らしい先生には、ずっと教育の現場に携わっていらして欲しいです。
そう、そう、そういえば、去年学校祭に誘っていただいて、目の錯覚の勉強をしました(汗)機械工学とは結びつかない気がするのだけど、いろんな分野に秀でた方なのね。
最終という言葉は寂しい響きだけど、たくさんの方に聴講してもらって、素晴らしい最後の講義でしたよね。
10年間そばで仕事をとしちゃんの胸にも、感慨深いものがあったことでしょう。こういう方のそばで長らく仕事されたことは、ひとつの財産だと思います。
「最終講義」この言葉にはいろいろな感情が
湧きますね。私にとってはとても
懐かしい響きです。
普通は寂しかったり、ほっとなさったり、
でも、話題のこの教授はきっと寂しいなんて
思っている時間なぞ無く、先を見据えて
まだまだやる仕事を目指していらっしゃるんでしょうね。
65歳、同世代だけど頼もしいわ。
私も少しでもあやかれるよう
頑張らなくちゃ。
なんちゃってね。遊んでばかりの私です。
史子さん、そうね、先生にはいつまでも教育現場に携わっていただきたいわね。
私も、先生が出張の時はいつもお土産をいただいたりして、楽しく過ごさせていただきました。
マサさん、そうそう大学祭にも来ていただいたんですね。あのとき、小柴先生の電子計算機も置いてあったかしら? あれは先生の宝物なんですよ。
真蘭さん、そうね、65歳というのはまだまだ若いですよね。現役でも通用しますもの。
ひっこんでしまうのはもったいないわ。
でも男性は年をとると、結構、気短かになると思いませんか? 昔はそうでもなくても急に怒り出したりして、お年なのかなと思うことも増えてきましたね。
こんばんは。寂しいですが、素敵ですね。この時期は、素敵ですけど、やはり寂しい事が多く、寂しいのは苦手なので、この季節は少し苦手です。
明日はボス(一番の友人でもあります)が最終勤務日です。異動するだけですので、この先も同じ会社で働く訳ですが、入社以来お世話になり、且つ同じ年齢の友人として、チームから彼女が抜けるのはこの上なく寂しいと思い、その事とシンクロしながら読ませて頂きました。
明日は。。。憂鬱です。。。
日々是写真日和さん、この時期は別れの季節でもありますね。ボスの異動はお寂しいことでしょう。
でも大学というところは、数年たって卒業生が立派な社会人となって訪れてくれることがあるので、それがまた楽しみでもあるのです。私は教員ではありませんけれど、ひさしぶりに卒業生と会うと、とても楽しいのですよ。
大学の最終講義・・何かジーンときますね。
私も多くの先生達を知っていて、定年を迎える先生方も多くなってきていますが、こういうシーンには立ち会えません。
研究者は企業の方と違って何か純粋な感じを受けます。
私たちも時どき研究テーマ提案のプレゼンを聞く機会がありますが素人にもわかるように話せることがポイントになっているようです。
人生の大切な1ページに立ち会ったような感じでしたね。
私も何人かの先生の最終講義を聞かせていただきましたけれど、みなさんとても個性的な先生ばかりでした。名物教授が減ってしまうようで、それが寂しいですね。
とにかく「ものづくり」がお好きな先生です。学生にも、頭だけでなく、手や体を使うことの大切さを教えていましたね。
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