夏の京都 ８ ＜東山の隠れ家レストラン＞

さて、７月２８日は京都の南にある東福寺や泉湧寺にお参りした後、京都駅前のホテルに到着してシャワーを浴びてすっきりしたところに、さとさんが車でお迎えに来てくれました。

さとさんは、今日の夕食のために、あちこちグルメ情報をチェックして、東山にある和風フランス料理屋さんを見つけておいてくれたのです。おまけに下見までしてきてくれたそうで、感激。

車は東山のほうへ走ります。途中、仕事が終わったshiollyさんをピックアップして、白川通りにある目的地まで行きました。

ここはごく普通の日本家屋をフレンチ・レストランにしたところ。「聖宙庵」（せいちゅうあん）といいます。

「聖宙庵」のホームページはこちら。

普通の住宅街にあるので、フランス国旗がなければ、レストランとは分からない感じです。


私たちは、予約した時間より少し早めに着いてしまったので、外でお庭を眺めながら待ちました。

昔は、こいういうおうちはどこにもありましたけれど、今となっては貴重ですよね。


お庭にはこんな明かりと蒲団が置いてあり、そこで待っていました。


「中はどんな風になっているのかしら」と３人でおしゃべりしていると、準備ができたとのこと。

玄関で靴を脱いで通されると、そこは、なんと本格的なお茶室。


そこへ背の高いフランス人が藍色の和服に身を包み、お抹茶を運んできてくれたのです。
まぁ、こんなおもてなし、初めてだわ～。

ここは毎週水曜日は茶道の稽古をする場所だそうで、普段はレストランが使っているのだとか。

おいしいお抹茶を飲み終えたころ、ふすまを開けて、隣のお部屋に移動しました。

レストランのメインはお座敷にテーブルと椅子でいただくようなのですが、そこは予約が入っていたので、私たちはシェフが料理をする目の前にのカウンターに座りました。たった３人しか座れないのですが、私たちにとっては、心地よい場所でした。

きりりと整髪した清潔そうなシェフが、たった一人で料理を作ってくれます。

いよいよフランス料理だわ、と期待していたら、出されたのがこれ。
炊きたてのご飯がほんの一口と、味噌汁。それに梅酒がついていました。


えっ、これがフレンチ？　と思いますよね。

シェフに言わせると、これは「あなた様の到着を心よりお待ちしていました」という茶懐石で最初に出されるものなのですって。

ほんの一口のご飯がこんなにおいしいなんて。

さて、オードブルです。
季節の果物や珍しい食材がきれいに盛り付けられていて、食べるのが惜しいくらいです。小さい実はトマトなんですよ。
シェフが一つ一つ食材を説明してくれました。


これは京人参のムース。ふわふわしていて、おいしかったわ。


お次は九条ネギとジャガイモのビシソワーズ。容れ物はお抹茶茶わんですね。京野菜がこんな風にアレンジされるとはびっくりでした。


こちらはサラダです。ドレッシングがおいしかったわ。


バターを乗せるお皿も和のテイストで、すてきでしたよ。


メインの料理は、鶏肉と牛肉と魚からチョイスすることになっています。
私は魚を選びました。
ソースがとてもおいしかったわ。


普通ならここでデザートなんですけれど、そこは茶懐石風。
お口直しが出てきました。


そば湯を入れるような木の容器には、塩味のするお焦げがお湯に浸してありました。
これがあっさりとしていて、お口直しにはぴったりなんです。

最初には白い炊き立てのご飯が出てきて、お口直しにはお焦げごはんというのは、ユニークですよね。
うちでもやってみようかしら？

さて、美しいデザートはチョコレートケーキとアイスクリームのフルーツ添え。
でもこのアイス、めったに食べられるものではありません。なんと、白味噌仕立てなんです。
ほんのりお味噌の香りがしていて、おいしかったわ。


そして最後はコーヒーで締めくくり。


これだけの心づくしの料理が、とてもお安い料金で楽しめます。

こんなに安くてやっていけるのかしら、なんて心配もしてしまったほど、料理と代金は反比例していました。

いただいている間、和服のフランス人が料理をサービスしてくれます。
まだ来日して１年もたっていないそうですが、すっかり日本語も上手で、日本風のサービスもなじんできた様子。

私の写真は出来がよくないので、shiollyさんのブログでお楽しみ下さい。

旅先で友とともにおいしい料理をゆっくりと味わう。
これほどの幸せはありませんね。優雅な時間を過ごせました。

お付き合いしていただいたさとさん、shiollyさん、どうもありがとう。