8月のある日、渋谷のBUNKAMURAで開催されていた「だまし絵展」を見てきたの。
もうすぐ開催終了という時に出かけたためか、会場はすごい人混みで、驚き。みんな、だまされるのが好きなのかしら。なんでも入場者数は20万人以上を超えたとか。
展示されていたのは主にベルギーのだまし絵、アメリカのエッシャーの絵、日本の浮世絵など。
だまし絵というのはかなり昔からある手法だそうで、古いものには16世紀の絵もあったわ。
「トロンプルイユ」と呼ばれているそうで、伝統的な画法のようね。
ただし、画家はだましたいと思って描いたのではなくて、より本物に近いものを書きたいという欲求から描いたのかもしれないわ。
カメラなどがない時代、いかに本物そっくりに描くかというのが、画家の力量だったと思うの。
だまし絵には、いろいろな挑戦が見られて、「これでどうだ!」というような画家の意気込みも感じられたわね。
たとえば本当に窓から人間が飛び出してくるように見える絵とか、本物そっくりに見える影だけの絵とか、「信じられない」ような絵ばかり。
視覚の錯覚を利用した絵も多くありましたよ。よく考えたらおかしいはずなのに、本物に見えてしまうものなど、自分の頭がおかしくなったのかと錯覚する絵もあって、混乱してしまったわ。
私はどちらかというと日本のだまし絵にひかれました。
特に琳派の絵が好きなので、鈴木其一の絵もあって、嬉しかったわ。
他には歌川国芳、広重などの浮世絵もありましたよ。浮世絵だけどだまし絵なの。
緻密な人間模様が描かれていて、それでいて、どこかユーモアがあるのよね。
こういうのを「機知に富んだ」というのでしょうね。
これらのだまし絵は、ベルギー国立美術館、プラハ美術館、メトロポリタン美術館、大英博物館など世界中の有名博物館から借りているもの。また日本の各地の美術館所蔵品というのが多かったけれど、浮世絵などは結構、個人が所有している作品もあり、こういうのを借りてくる手続きも大変なんだろうなと思ったわ。飛行機代や保険代、お金もかかるでしょうし、保管にはどれほど気を使うのでしょうね。
それらを一堂に集合させ、渋谷まで足を運べば、昔の人と同じ感動を享受できるのだから、現代の私たちは幸せというか、横着なんでしょうね。
コンピューター技術が進化している現代では、もっといろんなだましの要素が増えそう。
画家の挑戦も続くのでしょうね。
6 件のコメント:
果物の絵、ちょっと気持ち悪いですね(笑)
あたしはすぐ酔うので、全部見たら酔っちゃうかも?
人間の視覚ってすごいですよね。
総天然色、一関係まで普段は見分けられるのですから、そこが歪んだら脳まで歪みそう。
ちょっと毛色が違いますが、日光江戸村の忍者屋敷は、床が傾いていたり天井と逆さになっていたりして、かなーり酔います。
最後はほとんど目をつぶって出ましたが、すぐ外に椅子が置いてあったのは、気持ち悪くなるひとはあたしだけじゃなかったんですね(笑)
史子さん、あの果物の人間はルードリッヒなんとかという王様の絵らしいのだけれど、わりと小さな絵でした。もっと優雅で素敵な絵もあったのに、どうしてあれをパンフに使ったのか不思議です。
私も床が傾いた部屋というのに入ったことありますよ。気持ち悪いですよね。くらくらしましたよ。
わ~、楽しそう。
浮世絵のだまし絵なんて、見てみたいな。
京都には来ないのかしら?と思ってちらっと検索したら、兵庫に来てるみたいですね。
兵庫はちょっと遠いんだよな…。
shiollyさん、京都なら四条から京阪電車で行ったらすぐなんじゃないの?
前に伊勢神宮に行ったときにも京都行きのバスが出ていてびっくりしたけれど。
渋谷の会場はすごく混んでいて、ゆっくり見られなくて残念だったわ。
だまし絵は好きなんだけど、浮世絵にもだまし絵があるのは知らなかったな。
諏訪ッチさん、だまし絵の定義もいろいろあるようで、たとえば影絵(手を組み合わせていろんな形に見せるもの)などもだまし絵の中に含まれていました。そういう観点から言うと、浮世絵などはだまし絵の要素がたっぷりのようでしたよ。
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