「いよよ華やぐ」というのは、岡本かの子の歌
「年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐ 命なりけり」(老妓抄)
からとったそうですが、それをタイトルにした瀬戸内寂聴さんの本「いよよ華やぐ」を読みました。
ここに登場するのは、91歳の料理屋の女将でなおかつ俳人の阿紗、きものブティック経営者のゆき84歳、そしてスナックのママ珠子72歳。この3人合わせて250歳近いおばあさまたちと、彼女たちの恋のお相手たち。
この本を読んだのは「京まんだら」つながりだったんすけれど、内容からいえば、京都を舞台にした京まんだらのほうがずっと上質で、知らない世界がたくさんあって、面白かったですね。
でも「いよよ華やぐ」には、高齢と呼ばれるにふさわしい老女たちが、豪快な飲みっぷり、食べっぷりを披露して、これまでの波乱万丈な人生や激しい恋を懐かしみつつも今を生きるという感じで、たくましさを感じました。
この本には、女性はいつまで恋ができ、いつまで相手に体を開くことができるのか、ということも語られていますけれど、「灰になるまで」というのもまんざら嘘じゃないのね、というのが感じでしたね。
この本に登場した女流俳人はあの鈴木真砂女のことですが、千葉の旅館の娘として生まれ、最初の結婚相手は失踪、次は旅館を継いでいた姉が急死したために、家業のために姉の夫だった人と再婚、そして家庭持ちの海軍士官との不倫。そして50歳になって銀座で小料理屋をはじめ、作家仲間などの間で有名になった人です。結局96歳でお亡くなりになったそうですけれど、すごい人生だったのですね。
私にはとうてい彼女のような人生は送れないけれど、いつまでも好奇心をもって、本に登場する彼女たちのように、明るく元気に過ごすことができたらいいなーと思いました。
4 件のコメント:
としちゃんの読書力には驚きます。
もう全然本を読めないこのごろです。
鈴木真砂女さんは何回かTVで見たことがありました。
すてきな方ですよね。これだけ時が経っているもですからもう亡くなられたのですね。
真砂女さんは平成15年にお亡くなりになったそうですよ。明治、大正、昭和、平成と生きていらっしゃったのですよね。
私は通勤のときに座っていけることが多いので、それが読書タイムです。読むのはすごく早いの。でもすぐに忘れてしまうので、備忘録としてブログに書いているの。
本当にとしちゃんはよく書を読まれますね。私なら電車で座れることができれば、ちょっ早で寝ます。遠い昔は文学少女と呼ばれた時期もありました、これでも。今じゃ言うのも恥ずかしい(汗)
でも鈴木真砂女は知っています。この方と宇野千代さんが生き方・恋愛遍歴などでは、あの時代の両横綱ってところでしょうかね。
他人の目より自分の気持ちに正直な人って長生きするのかしら? お二人とも長寿でしたね。私はダメだけど・・・としちゃんは?人生、素敵に謳歌できそうですよ♪
ひょっこりさん、私は電車の中で寝るの大好きなんですよ。降りる駅に来るとちゃんと目が覚めるのが不思議ですよね。
私はあまり長生きしたくないですね。75歳くらいで人生が終えられたらと思いますけど。
耄碌しないうちにね。
コメントを投稿