土曜日は、「宮城道雄記念館 三味線のお話と演奏会」というのを聞きに、また神楽坂まで出かけてきました。
そう、あの盲目のお琴の名手、宮城道雄は三味線の名手でもあり、三味線用の曲をいくつも作曲していた人だったのです。
三味線の演奏会なので、多分、たくさんの人が着物で参加するだろうと思い、気合を入れて着付けをして出かけました。ところが会場には100人くらいのお客さんがいましたけれど、着物で来ていた人は私を入れて4人しかいませんでした。なんだか残念ですよね。
着物はさとさんからいただいたピンク色の地にブルーの横線が入った紬です。黄色の模様もちょっと入っています。桜色なので、今の季節にちょうどいいと思って着てみました。
私以外の着物の人を観察しました。
一人は年配の方でしたけれど、すごく気張った白の訪問着でかなり浮いていましたね。衣紋をかなり抜いていて、普通の商売の人ではなかったかもしれません。
もう一人は、茶色地に白の大きな格子柄でちょっとラフすぎるように思いました。なんとなく「おさんどん」みたいでした。
もう一人はやはりくすんだ色の普段着っぽい感じの木綿の着物のようで、せっかくの演奏会なのに、もうちょっとお洒落なほうがいいんじゃないかしら、なんてあれこれ観察していました。
着物って洋服以上に「格」がありますよね。着て行く場所や内容に合わせるのが難しいと言えば難しいですけれど、それだけ楽しみもあるというもの。
先日読んだ着物の本の中に、「義経千本桜の歌舞伎を見に行く時には、たとえ1月でもお芝居に敬意を表して桜模様の訪問着を着てもおかしくない」と書いてありました。着物は奥が深いわ。
下の写真は、宮城道雄の後継ぎの方が演奏会のときに着ていた着物です。お花の部分は刺繍でしたよ。
さて、初めはこの記念館の研究員である千葉優子さんの講演。日本の音楽は奈良時代の雅楽から始まったというお話から始まり、三味線というのはいつごろから日本に来て、どんな形で広まっていったかのお話でした。簡単にまとめると三味線は江戸時代に町人の間で発達した楽器であり、唄がつきものだということ。その唄の種類には、浄瑠璃から始まり、義太夫節、河東節、新内節、清元節、長唄、端唄、小唄などがあり、そんなに種類があるのかと驚きました。
お話の後は演奏会です。
まず宮城道雄が19歳のときに作ったという「唐砧」(からきぬた)。この曲は、彼にとっては2つ目の作曲ですが、西洋音楽を取り入れたみずみずしい曲でした。
その次も宮城道雄作曲の「落ち葉の踊り」。これは十七絃のお琴と普通の琴、そして三味線の合奏でしたが、十七絃というのは彼が作ったものだそうで、それは知りませんでした。低音が魅力の大きなお琴です。
その次は、地歌の「石橋」という曲。もとは能の曲だそうで、三味線も琴も歌いながら演奏していました。
最後が長唄の「英執着獅子」(はなぶさしゅうちゃくじし)。この曲は長くて長くて、聞いているのも大変なので、演奏する人はすごく大変だろうと思いました。全部暗譜ですものね。
演奏していたのはみなさん芸大の邦楽科出身の女性ばかりで、さすがにお上手でした。
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お天気も良く風もなかったので、飯田橋までぶらぶらと歩いて行きました。
最後のお花見をしようと、お堀端のカフェは満員です。すごい行列でしたよ。
青空に桜がきれい。今年の春、初めての青空じゃないかしら。
6 件のコメント:
早速来ていただいて嬉しいわ!
春は何となくピンク系が着たくなりますね。
もうすっかり着物を自分のものにしている姿は素晴らしい。
自分が着ると人様の着物姿が目につくね。
そうして目が肥えてくるのでしょうね。
さとさん、こちらこそどうもありがとう!
ピンクでもちょっと霞がかかった感じだから、私が着ても大丈夫でしょ。帯は赤っぽい丸い模様のにしました。でも家でちゃんと着たつもりでも、ガラス窓などに写った姿を見ると、あーもうちょっと衣紋を抜いたほうがよかったかなー、とか思うんですよね。
それに東京の人はみんな裾が短すぎるような気がするの。パタパタ歩いていますもの。
批評だけはいっちょ前になりますね。
考えてみると、わが娘は成人式に着物を1回着ただけですよ。
親から子供へ着物を伝えて行かないと、着物文化は途絶えてしまいそうですね。
すでに団塊の世代は着物を着た事がない人の方が多いのではないかな?
そういう私も、着物を着たのは、子供時代の浴衣以外は大学時代にテレビの時代劇のエキストラをやった時に着たのが最初で最後です。
えー、諏訪ッチさん、時代劇に出たの? それはそれは・・・。りりしいお侍さん? じゃないわよね。町衆かな。
私だって昔、少女時代に何回か着ただけですよ。着物などほとんど興味ありませんでしたもの。浴衣はよく着ましたけどね。
chaeちゃんはいかが? ボーイッシュだから、きりりとした縞の着物なんか似合いそうだけどな。
まぁ、素敵♪淡くてやさしい色合いが、今の季節にピッタリですね。
としちゃんの観察眼、鋭いわ。なるほど、と思いながら読みました。
着物のことはよくわからないけど、確かに季節や場所を選びますよね。亡くなった伯母に、紅葉したもみじ柄の訪問着をもらったのだけど、春には着れそうもないわ。
孫が生まれたら、七五三のお祝いのとき娘に来てもらおうと思っているの(笑)
おお、マサさんの伯母さんといえば、お嬢様には大おばさんになるのよね。お孫さんの七五三はいつになるかしらね。その時が楽しみね。
着物を着るようになって、意外な場所に呉服屋さんがあったことにも気がつきました。○○銀座にも呉服屋さんがありましたよ~。
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