【追加本あり 10/23】
いつの日から宇江佐真理さんの書く時代小説のファンになったのか忘れましたが、今年の夏ごろからでしょうか。
最初に読んだ本の感想はこちら▼。
その後、どんどんと宇江佐さんの世界に引きずり込まれ、通勤途中の電車の中や寝る前の楽しみがどーんと増えました。
最初に読んだのは「伊三次捕物余話リーズ」。
髪結いをしながら、岡っ引きの手下をするかっこいい男性の捕物の裏話です。
元深川芸者だった恋女房や、二人の間に生まれた男の子も登場してきて、この子の成長を読むのも楽しみでした。このシリーズは数冊ありますが、どこから読んでも話が分かるようになっているので、大丈夫です。
その次に読んだのはこんな本でした。
「室の梅」
これは江戸時代の死体解剖医・美馬正哲と産婆さんをしている女房の話。
この本は軽妙に書いてありますけれど、有吉さんの「華岡青洲の妻」に比べても遜色のないと思うし、人情ものとしてもかなり上等な部類に入ると思います。
「深川恋物語」
深川周辺に住む恋人たちの恋のお話集。
これは深川街歩き▼のときは一部を朗読してもらいましたね。
「雷桜」
身分違いの将軍の息子と庄屋の娘の恋愛もの。
この本だけは宇江佐さんのいつもの軽妙な話とはちょっと異色。
「切られ権佐」
体中に切られた傷を多数もつ仕立て屋が与力の手下をしている短編集。おかみさんは女医さん。
宇江佐さんの本に登場する女性は職業を持った人が多いのです。
そのおかみさんとの間に生まれた女の子のいる家族が登場します。
父親でもある権佐の暖かい人情がよく出ているけれど、最後は可哀相になりました。
「富子すきすき」
粋でけなげな江戸に暮らす女性たちの作品集。
「十日えびす 花嵐浮世困話」
血のつながらない母と娘が、とあるところに引越ししてきて、世の中のいろんな矛盾の中でけなげに生きて行くお話。現代の家族像ともうまく絡まって、よく構成されている本です。
中でも「ふとんたたきおばさん」という世間から嫌われている中年女が登場するのだけれど、ちょっと前にこんな人がいましたよね。そんな現代の世情をうまく反映させています。
「彼岸花」
江戸のちょっと外れに住むいろんな家族のお話を集めたもの。
少し悲しいお話が多かったかしら。
「あやめ横町の人々」
あやめ横町に住んでいる人たちはちょっといわくつきの人が多い。
それもそのはず、「あやめ」は花のあやめではなく、「ひとをあやめる」という意味だから。
そんな横町に住むことになった旗本の三男坊を中心としたおかしな人たちのお話集。
今読みだしたのは「夕映え」
幕末の時代を生きる庶民たちの姿を描いたもの。
おでんが売り物の一杯飲み屋のおかみさんやら大工さんや八百屋の若旦那が登場。
でもいつもの宇江佐さんとちょっと違って、実在の歴史上の人物がいろいろ登場するので、時代小説というより歴史小説といった感じで、少し重たい小説です。
宇江佐さんの本は、どの本も一定のレベル以上の内容だし、現代風な風刺もちゃんと押えてあるので、時代小説に興味がない人が読んでも損はしないと思いますよ。
とにかくうまいのです。
今のところは「十日えびす」と「切られ権佐」が私のおすすめかしら?
道産子作家・宇江佐真理さんの描く粋で可愛い江戸っ子の世界は、最高ですよ。
4 件のコメント:
としちゃんお薦めの本をここで読んでは時々マネして読んでます(笑)
でも私はとしちゃんの読書量のほんのわずかだけどね・・・
面白そうね!
読んでみよう。
さとさん、宇江佐さんのすごいところは、一度も東京に住んだことがないのに、古い地図を頼りにして江戸の下町の話を書いていることだと思うのよ。
それに話し言葉がすごくうまくて、昔、おばあちゃんが使っていた様な江戸っ子の言葉をよくご存知なのです。
読んでいてスカッとしますよ。
としちゃん、すっかり「宇江佐ワールド」にはまっていますね。
今日のY新聞に、「この1ヶ間で1冊も本を読まなかった人は50%」と、載っていました。2人に1人は、読まないのね。
楽しみ方は人それぞれだから、あれこれ言うつもりはないけど、なんかもったいない気がするわ。
私は今日図書館で、予約してあった「逢わなくもあやし」を借りてきました。かなり薄い本なのね。
マサさん、「逢はなくもあやし」は薄いし活字も大きいからすぐに読めるわよ。
本を読むのも読まないのも自由だけれど、私はやはり本から得るものは大きいと思うわね。知らない世界が広がるものね。一種に暇つぶしですけれどね。
電車に乗るとき、たまーに読み物を持たないで乗ると、すごく手持無沙汰なんです。
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