そんな時代のお話を、例によって嘘っこで書きあげたのが、清水義範さんの「幕末裏返史です。
彼は日本大好き人間で、日本のために尽くそうと思っているのです。
その彼がオランダ人のふりをして(当時は西洋ではオランダ人のみ入国が許されていたので)、通訳を兼ねて、時の将軍や勝海舟などたちと会って大活躍をするのです。
ところがどこまでが史実に基づいた話なのか、あるいは適当に作り上げたお話なのかが入り混じっているので、あまり信じてはイケません。
だってこの話だと、吉田松陰は船から落っこちて死んだことになっているし、幕末には大統領選挙が行われたことになっているし・・・。
そんないい加減さを割り引いても、歴史が楽しめる本です。
清水さんの「金鯱の夢」は、もし名古屋弁が日本の公用語になったらという、これも作り上げた歴史小説ですが、それよりは長編です。
私は小説に関しては、ほとんど女性作家のものしか読みませんが、例外はこの清水義範さんと浅田次郎さんの小説です。
清水さんはパロディ小説も真面目な小説もどちらも面白いですね。
でもいつだったか直木賞を取り損ねて、がっかりしました。
なんであんなに面白い小説を数多く書いている人が取れないのか、不思議です。
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