2024年1月24日水曜日

プレミアム大学 《傾向と対策》

先日、東京都立大学プレミアムカレッジから入学許可を受け取りました。

そのことをfacebookの友人にアナウンスしたところ、たくさんの方から「おめでとう」の声をいただきました。

私自身としては、それほどすごいこととは思っていなかったので、かえって驚いてしまいました。ほんとうに、たいしたことではないのです。

それでも何かの役に立つかと思い、ここで若い頃にお世話になった《傾向と対策》という大学受験の参考書のことを思い出して、どんな準備をしていたかを書いてみましょう。

なぜプレミアム大学を受験したのか、まとめてみます。

一番のきっかけは、2020年からのコロナ禍です。コロナがあれほど流行しなければ、私は今までと同じように、旅行を楽しみ、着物を楽しみ、趣味を楽しむおばあさんを続けていたかもしれません。

それがコロナのため、他人との交流が制限され、他の地域への移動が禁止され、私は仕方なく家の周辺を歩くことにしました。幸い、うちの近所には多摩川が流れていて、散歩には最適な場所でした。最初のうちは道ばたの花の写真を写したりしていましたが、そのうち川に架かる橋にも興味が出てきました。また歩く範囲も都心の川などに広がって行きました。

そして、あることをきっかけにして、江戸時代に多摩川から取水して用水を作った人に興味を持つようになりました。このことは何回もブログに書いていますが、その人は小泉次太夫さんというお奉行です。

また多摩の奥から新宿まで繋がる玉川用水にも、興味を持つようになりました。こちらは玉川兄弟の話に関心があったからです。

両方とも、人物に興味を持ったのが先でした。

そして都内や近隣他府県の川や用水を歩いた記録をブログに書いていましたが、単なる旅行記のような内容でした。

2023年9月、たまたま東京都立大学で「坂」についての講演を聴く機会がありました。無料だったので軽い気持ちで参加してみました。そのときのブログです。

https://toshiko72.blogspot.com/2023/09/blog-post_27.html

それはプレミアムカレッジへのお誘いでもありました。

プレミアムカレッジを調べてみると、50歳以上なら文系理系を問わず、首都の東京や江戸に関しての様々な授業を学べるということが分かりました。また現役の大学生との交流もあり、同世代との付き合いが多くなってきた私にとっては、刺激的な内容でした。さらに東京都立大学は、我が家からはとても行きやすい場所にあり、学費が安いことも魅力でした。

合格するには、小論文と面接をクリアーすることが必要でしたが、その内容の程度が分からないので不安はありました。普通の受験なら合格点数や問題の傾向が分かるのですが、合格基準が分からず困りました。

いわゆる受験勉強なら頑張れば点数は上がりますが、小論文はどう書いたらよいのか、ちょっと考えてしまいました。

それでもそれまでの自分の書いたブログを振り返りました。2023年10月の時点で、橋は1000ヵ所以上通過してきたこと、川や用水や上水は100キロ以上歩いてきたこと、そしてこの体験を土台にして、東京の水路の地理と歴史を学びたい、などとアピールして小論文の下書きをまとめました。

このときに役立ったのは、今まで歩いてきたそれぞれの地域の区役所や市役所で発行している地図や、各地の郷土資料館や歴史博物館などで集めた資料でした。

また大田区田園調布の「せせらぎ館」や、川崎市多摩区にある「せせらぎ館」にも、内容の確認のため、何回か訪問しました。


「東京都水道歴史館」の展示も役立ちました。

その後、小論文をまとめて提出しましたが、結果が出るまで2ヶ月ほど日にちがありました。

その間、京都に旅行に行き、高瀬川巡りをしたのは楽しいひとときでした。水のあるところならば、どこでも楽しく思うようになりました。

また11月に高校のクラス会がありました。まだ合格もしていないのに、旧友たちに「来年は私は大学に行きます」と宣言してしまい、後になって落ちたらどうしようと思ったりしました。それでも同じ受験体験を過ごした仲間たちには、大学受験の話も通じたので、気分が軽くなりました。

小論文提出から、その後の11月と12月には、馬力をかけて玉川上水や多摩川の二つの水路跡をくまなく歩きました。このときは着物友達にも声をかけて、一緒に歩いたのは楽しい思い出です。

そして玉川上水の最終目的地の羽村堰に行ったその日に、小論文が通過したという通知があり、ほっとしました。

2024年のお正月には近所の神社でおみくじを引き、「大吉」が出ました。おみくじの言葉を信じて、次の面接のシミュレーションをしてみました。

面接時の服装は自由だというので、着物で臨むことにしました。

何を着たらよいか着物友達に聞くと、「紋付きの訪問着」が良いだろうとのこと。とはいえ紋付きは祖母の着ていた古いものしかありません。それで手持ちの南天の柄の淡いピンクの訪問着と、白い帯で面接に臨みました。

あまりお金をかけたくない私は、着物も帯もコートも小物も手持ちのものですませましたが、草履だけは新調しました。通販で買ったカレンブロッソです。

美容院でヘアカットをしてもらい、「しまむら」で見つけたちょっと高そうに見える大きめのバッグも用意しました。

それと年末にはノートパソコンを新調しました。

以前はウインドウズ8のノートパソコンを使っていましたが、2年ほど前に急に壊れてしまい、パソコンを使うときは、夫のものを借りていました。私専用のパソコンは諦めて、タブレットとスマホだけの生活を続けていました。しかし大学に行くようになったら、さすがにそれではまずいだろうと思い、年末に最軽量のノートパソコンを購入しました。ウインドウズ11はなんだか分からないことも多く、戸惑いながら使っているところです。

そして正月明けに面接がありました。

男性も女性も黒っぽいスーツ姿の方が多かったようです。着物はたぶん、私一人だったでしょう。

面接のシミュレーションをあれこれ考えていましたが、あっけない感じで終わりました。

面接官から「大学のゼミにも着物でいらっしゃいますか?」と聞かれました。以前、着物を研究テーマにした女性もいたという話を聞いて、これは良い前兆かとも思いました。ただし、他の方の様子が分からないので、早合点はしないようにしました。

その後、2週間経過して、面接も合格したという通知があり、ほっとしました。

そして入学手続きやら、今後の授業科目選択やら、あれこれと準備しているところです。

たいしたことのない私の《傾向と対策》でしたが、これまでの行動をブログに綴ってきたことが役にたったとも言えます。

そして一番、拠り所にしているのは、こちらの書籍です。


「二ヶ領用水400年 ~よみがえる水と緑~」

出版は1999年と少し古いのですが、二ヶ領用水を守ってきた市民による活動記録です。
普通の市民がとりまとめた内容が、素晴らしいと思います。

この表紙にあるのは川崎市高津区にある久地(くじ)円筒分水です。桜の咲く頃に、また行ってみたいと願っています。

さてこれから残りの人生、どのように展開するか、楽しみにしています。

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「一日一句」
水を追い 橋を渡りて 春を待つ



4 件のコメント:

カンカン さんのコメント...

としちゃん、おめでとうございます。
どこの大学かと思っていましたが、都立大だったのですね。
50歳以上のプレミアム大学に70歳以上で挑戦。それだけでもすごいと思うのに
宣言通り、パスしてよかったです!
今までの研究がさらに深まり楽しみですね。私も歴史が好きです。
大学に通うなんて気分がウキウキしそうです。若いお友達も増えるかも。

リトアニアのことが出ていましたが、この前相談した小中の同級生の友達が
エストニアに友人がいるので話をいろいろ聞きました。ロシアに近い小国で
心配もあるのですが、なんとIT王国で世界一だとのこと。スカイプ
も開発してマイクロソフトに売却したということで電子政府とも言われていて
日本の立ち遅れも改めて感じました。

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、コメントありがとうございます。
次のクラス会のとき、嘘つきだと言われないですみました(笑い)
他の人には誰にも話していなかったのに、やはり同級生とうことで、
自分の気持ちを素直に出せたのでしょうか?

リトアニアについて、何も知りませんでしたが、小国でも優れた能力がある国なのですね。
景色を見ると、中世のような雰囲気がありますね。行ってみたくなりました。

カンカン さんのコメント...

IT王国はエストニアのことです。エストニアの写真も見せてもらいましたが、リトアニア
と同じように童話の世界のような家がすてきでした。バルト海からクルーズで入るのがいいとか。
私も行ってみたくなりましたが、超贅沢な旅行のようです。彼はお相撲さんだったバルト
と写真を一緒にとっていましたよ。パリで飲んでいてエストニアの印刷業界で
有名な人と知り合い、友だちになって毎年日本に遊びに来るとか。京都も時々案内して
お茶もI君の茶室に案内したとかでした。

関係ない話になってしまいましたが、いつまでも若々しいとしちゃんのこれからも
楽しみですね。

おおしまとしこ さんのコメント...

リトアニアとエストニア、間違えてごめんなさい。
あのあたりの国、身近に知り合いでもいないと、なかなか縁がないと区別がつきません。
お相撲のバルト関は、あちらの出身だったのね。