2023年9月27日水曜日

「東京にはなぜ坂が多いのか」都立大プレミアム・カレッジ

八王子市の南大沢にある東京都立大学。

緑の多いキャンパスです。

ここには50歳以上の人が学べる「プレミアム・カレッジ」があります。

先日はそのプレミアム・カレッジの講演会に参加してみました。もちろん無料です。

最初にプレミアム・カレッジ長の挨拶がありました。

興味が惹かれたのは、入試(論文と面接)に受かると、江戸・東京に関しての授業やフィールドワークなどが週に4回受けられて、学費は年間20万円とのこと。

今は一人で川歩きや橋巡りをしていますが、川や橋について、もっと体系的に学んでみたいと思っているので、基礎から教えてもらえる場所で学べたらありがたいですね。

来年度の受験は無理でしょうけれど、いつかはプレミアム・カレッジに通ってみたいものだと思いました。

無理かな?

その後に松本淳特任教授の講演がありました。

題して「東京にはなぜ坂が多いのか?」でした。

川歩きや橋巡りをしていると、坂に出会うことが多いのです。最近では、この坂道を下ると川があるだろうな、ということも体感として分かってくるようになりました。

また「東京のぼる坂 くだる坂」という坂についての小説(ほしおさなえ著)が好きなので、講演にも興味がありました。

講演そのものはちょっと専門的で、おまけに講師のポインターがまるで見えず、スライドのどこを指しているのかが分からず、残念でした。

私が分かった範囲のことだけまとめると、

◯坂ができるには様々な理由がある。12万年前からの気候変動を考えること→大昔は海面が今よりも高かった。

◯地面に標高差があること。日本中で関東平野がいちばん標高差が大きい。

◯水の侵食、土砂の堆積、火山灰の堆積などの地理的理由。

◯人間が地表を改変。

などでした。

そして東京は大阪や名古屋などの都市に比べても、坂の数はダントツに多いのだそうです。

ただし私は地理学の基本的な用語が分からず、関東平野を作っている「台地」と「低地」の違いもよく分からないほどでした。基礎を学ばないとね。

面白かったのは、山手線の各駅の標高調査でした。

駒込からスタートして、巣鴨、大塚、池袋、目白、高田馬場、新大久保、新宿・・・・その後、品川や東京、上野を通り、田端まで戻るルートでしたが、その中で一番標高が高い駅は、新宿駅だそうです。

このルートの間には、それぞれ神田川、渋谷川、目黒川、などが通っていて、そこは低地となっています。また青山台地、高輪台地、麻布台地などの名前も載っていて、興味を引きました。

坂は、長い歴史の間に、河川の土が積り、それが土地の形を作るという悠久な歴史を思うのでした。

配布された資料の一部です。美しい地図ですね。


大昔、教職課程を取るために、地理の授業を受けたことがありますが、その教授は「島国」の研究が専門だったようで、知らない島国ばかり教えて貰った記憶があります。
セントビンセント及びグレナディーン諸島、など未だに名前だけは覚えていますね。

その次は「古代オリンピックとその美術」という講演がありましたが、こちらはあまり興味がないのでパス。

ということで南大沢キャンパスをさよならして、京王線と横浜線を乗り継いで、ちょっと先の新横浜まで行ってみました。

横浜線に乗るのは久しぶりでしたが、ずいぶん遠いところに来てしまったな、という感じでした。

知らないことを学んだり、知らない場所に行ったり、知らない人の話を聞いたりするのは、脳みそにも刺激があると思います。

なんとなく希望が湧いてきた一日でした。

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「一日一句」

下り坂 反対からは 上り坂

(「東京のぼる坂くだる坂」に書かれていた言葉の応用)



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