2008年2月28日木曜日

読書室 4 神経の働き


私が仕事をしている研究室のサーバーが壊れている。

そこのサーバーにつまらない駄文をあげているのだけど、当分、陽の目を見ないでしょう。というので、ちょいとこのブログにお引越しをしてきました。

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◆学習図鑑:からだのひみつ 神経のはたらき◆


図鑑の掲載サイトはこちら

◆ この本を選んだ理由 ◆

脳やニューロンのことをわかりやすく書いた本を図書館で探していたの。もちろん私が探しているのは、子どもコーナー。
とにかく図がたくさんあるのがいい。

と思ってこの図鑑を選んだのだけど、絵は多いのに、内容はとても高度。

それもそのはず。原書はスペインで書かれたもの。カハール先生の後輩が書いたのかしら?
イラストもスペイン人の手によるの。だからちょっと日本人には風変わりな感覚があるかな。

◆ この本の監修者紹介 ◆

この図鑑は、大利 昌久先生という熱帯医学の専門家が監修しているの。

先生の経歴を見ると、1979~1981年当時はケニアで外務省医務官として勤務していたんですって。
まさにちょうどその3年間は、私がナイジェリアに滞在していた期間。

ナイジェリアにも医務官はいらっしゃったけど、精神科のお医者さんだったの。
そのため、現地の日本人の病気にはあまり役が立たず、重病になれば、仕方なくロンドンの病院に入院という時代でした。

大利先生のような方がいらっしゃったらなら、どんなに心強いことだったでしょう。

大利先生はその後も世界のあちこちで診療している様子。

とまあ、その先生が学習図鑑の監修をしている本です。

◆ 図鑑の内容簡単紹介 ◆

からだが寒さを感じると、それに反応してぶるっと震え、鳥肌が立つことってあるわね。
それに応じて慌てて服を着て、ストーブをつけたりする。
このような反応はどのようにして起こるのかしら?

からだの外の情報は、「受容器細胞」という細胞の中にある「レセプター」と呼ばれる特別な器官で分かるようになっているんですって。

これらの細胞で、外からの刺激が電気的信号(インパルス)に置き換えられるらしいのよ。

このインパルスは神経中枢に伝えられるそうよ。

神経中枢では、インパルスは感覚にかえられ、意識的または無意識的に適した反応が選ばれるそうよ。

それからまた別のニューロンを伝わり、あらかじめ一定の行動が決まっている「奏効体器官」へ伝えられるんですって。

つまり身体の仕組みというのは、外からの刺激→感覚→反応というコースをたどるのね。

◆ 神経細胞(ニューロン)のしくみ ◆

神経系はニューロン(神経細胞)とグリア(膠細胞)からできているそうです。

ニューロンは神経インパルスを作り、それを伝えるのがお仕事。
グリアはニューロンを保護し、栄養を与えるのがお仕事。

ニューロン体からは樹状突起と軸策が伸びているの。
神経インパルスは樹状突起を通ってニューロン体に届く。

樹状突起は短く、元でいっしょになっていて、先のほうは木の枝のように分かれている。
その絵はどこかで見たことがあるでしょう。

神経インパルスはニューロン体から軸策を通ってほかのニューロン体や組織へ伝わるというの。
軸策の長さは数センチから1メートルまでいろいろあるそうよ。

軸策は「ミエリン」というもので覆われていて、これはいくつかのグリアからなる「シュワン細胞」というものでできているというの。

この覆いはつながっていないで、ところどころ「ラヴィエ間鞘」という隙間があいているんですって。

ニューロンは灰色だけど、ミエリンは真っ白。

そのため、ニューロン体が集まっている神経系を灰白質、ミエリン鞘をまとった神経線維が多いところを白質というそうです。

ニューロンはたがいに結びつき、複雑なネットワークを作っていて、それにそって体のある部分から別の場所へと情報が伝わるんですって。

コンピュータの集積回路と似ているそうよ。

でも、どうしてインパルスというのが起こるのかしら。

インパルスは細胞膜の内外の電気的、化学的変化(信号)なんですって。

いずれにせよ、神経インパルスはなんらかの原因で細胞膜の透過性が変化したときにはじまるそうよ。

それによってプラスイオンが細胞内部に入ってくる。

この刺激が強いと、ニューロン内部のプラスイオンの濃度は細胞内外の電荷が逆になるまで増える。

この過程を脱分極とい、プラスになった電荷を活動電位というそうよ。

活動電位が神経細胞内でつくられると、細部膜付近で電流が発生する。
この電流は軸策の伸びた方向にそって神経インパルスを運ぶ。
軸策の直径がふといほど大きく、早く運べる。
ミエリン鞘に包まれた軸策ないでは神経インパルスはもっと速く伝わる。これを「跳躍伝導」というそうですけど。

うーん、このあたりの説明は、私には難しくて、よく分かりませんでしたわ。

◆ 神経インパルスの旅 ◆

ニューロンをたどって体中を動く。でも、それぞれのニューロンは直接にはつながっていないのよね。

それらの間には小さな隙間があって、インパルスの伝達はかなり複雑みたい。

インパルスが軸策の先端まで達するとシナプスという接続部を通ってジャンプするの。
二つのニューロン間の伝達は、伝える側のニューロンの軸策の先と受けて側のニューロンの樹状突起で行われるんですって。

ニューロンからニューロンへの神経インパルスの伝達は神経伝達物質という化学物質によって行われるそうよ。

神経伝達物質は軸策の先にあるいくつもの小さな袋に蓄えられているんですって。

それが隣のニューロンの膜にうつり、そこで受容器と呼ばれる分子と結びつく。
これにより受容器側の細胞膜に変化が起こり、神経の伝達が続けられるということです。

この接続部であるシナプスさん。

この伝達にも「刺激的なシナプス伝達(袋は長い)」と「抑制的なシナプス伝達(袋は丸い)」というのがあるらしいの。

ということが分かるのは、顕微鏡でその形が分かるかららしい。すごいものです。

私たちが「あっ」と思う瞬間には、シナプスで袋から化学物質が飛び出ていただなんて、知っていました?

◆ こんなこと、習わなかったぞ ◆

ミエリン、ランヴィエ節、とかいう単語をはじめて知ったわ。

小学生向けの図鑑とはいえ、侮れないわよね。

あなたはこういう単語を知っていましたか?

大昔、大学受験で生物を選択したが、受験勉強をしたときもランヴィエなんぞ記憶にない。
単に忘れただけなのか、それとももともとインプットされていなかったのか、今となっては調べる方法もないわね。

◆ もっとお勉強しましょう ◆

この図鑑にはニューロンの仕組みだけではなく、末梢神経のこと、自律神経のこと、大脳のことなどとても詳しく書かれていました。

またこの図鑑は全9巻からなり、骨や血液、消化器、筋肉のことなども説明してあるの。

もっとお勉強しましょう。

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