2008年2月20日水曜日

創造する脳 2


有楽町の朝日ホールで行われた「創造する脳-あなたらしさの発見-」の続きです。

甘利俊一先生の講演の後は、今やTVやマスコミでお名前を見ない日はない、というくらい有名人になった茂木健一郎先生のお話。

たまたま今朝、家を出る前に聞いていたラジオ東京の番組でも、8:30から9:30まで生放送で出演されていたの。

その時は今の子どもには何が必要か、というような教育談義も話していたのだけど、茂木先生ご自身は子どもの頃は「虫大好き少年」だったんですって。
昆虫を集めたり、それを分類するには、ものすごく根気が必要なんですって。そういう根気強さが今の研究者としての生活にも大いに役立っている、というお話をされていました。

さて、茂木先生はいろいろな肩書きがあるようですけれど、今日のフォーラムでは「ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー」と「東京工業大学大学院連携教授」という肩書きでお話をされていました。連携教授などという肩書きは初めて聞きました。

つまり今回のフォーラムでは、「アハの人」とか「NHKプロの流儀の司会者」という立場ではなく、ちゃんとした脳科学の研究者であることをアピールするようなお話でした。

でもそこはマスコミで活躍している人。早口でしゃべる専門的な話の中にも、ちゃんと笑いを誘うような話を入れたりして、観客を飽きさせないような努力が見られましたわ。

茂木先生はマスコミに頻繁に登場するのは、脳科学のことを世間に理解してもらいたくて、あえてピエロ役を買って出ている、ということでした。

研究者って研究室にこもっているばかりでは、一般人とかけ離れてしまうだろうし、たくさんの予算を使って、何の役に立っているか分からない研究だけをしているのは、それは問題だと思うの。

そういうことって、私が所属している研究室の先生にも投げかけてみるのだけれど、いわゆる研究者と呼ばれるような専門家は、なかなか一般人の考えを理解してもらえないことが多いのよね。


さて、茂木先生が現在取り組んでいる研究の中で、私が面白いなと思ったのは、いわゆる「ど忘れ」状態の時に、脳の中はどうなっているのか、「言葉がのど元まで出掛かっている」時に、脳の中はどうなっているか、という実験のお話でした。

最近、人の名前が出てこなくて困っている私なんですけど、そういうような実験ならぜひとも、研究対象になってみたと思ったわ。

それと私が一番興味を引かれたのは、記憶についての話。
それも海馬がどうのこうのとかいう専門的な話ではなく、「記憶も変化する」という話。

たとえばね、今、私のブログ仲間では、高校生の時の古典の授業の話で盛り上がっているの。
発端は私が京都に旅行に出かけて、そのときに見た俵屋宗達の絵の話だったのだけど、それが高校の時の古典の授業の話に展開しているのです。

それって、単に「高校のときはこういう授業があったという記憶」から発展して、あの時の先生はこういう教え方をしていたとか、他にもこういう先生がいて、感銘を受けたとか、他の人の記憶がMIXすることによって、すごく変化してきているの。今では当時習った百人一首のことまで記憶がよみがえってきているの。

つまり記憶が深化して、変貌してきていると思うのです。

そしてね、私にとってはそのようなことで友情が復活して、高校生当時に学んだことよりも、ずっと今のほうが古典に対して楽しみが湧いてきているの。

そういう状態になっている時って、茂木先生のお話では「ドーパミンが出てきている」というそうなんですけれど、これって、脳にとって良い影響を与えているのではないかしら、と自己満足をしているのです。


もうひとつ面白い話は、人が「あれ」か「これ」にしようか迷っている時、たとえばホットコーヒーにしようか、アイスコーヒーにしようか、あるいはモカにしようか、ブレンドにしようかと迷っている時でも、人間というのは2秒で決断しているんですって。そんなに簡単に決めているのかなと思うのだけど、たいていが2秒で終わっているそうよ。

人は決断までには熟慮しているように見えるけれど、実際には2秒で終わっていると言うのも、面白いわね。

世の中には決断が遅くてぐずぐずしている人もいるけれど、それは多分その人の中では決断は出ていても、周りに示すのに時間がかかっているのかもしれないわね。


甘利先生のお話にもあったけれど、人間の脳の中にあるニューロンは1000億個もあって、そのひとつのニューロンには10000個のニューロンが組み合わさっているそうです。
そんな膨大な数字は別世界のようだけれども、実際に私たちの頭の中はそうなっているそうよ。

私の脳の中では、1000億個すべてのニューロンに活躍してもらうのは無理かもしれない。

でも毎日の食事を作ったり、洗濯をしたりというルーティンワークの中でも、少しは創造性を発揮して、ニューロンたちが滅びないようにしていかなくっちゃ、と思ったわ。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2秒!!私は大事なことほど即決するので、このごろ大事なことは間をおいて決断するようにしているのだけれど・・あまり変わらないなぁとは思っていたのよね(笑)・・意味なかったかしら!・・・何しろ、しまった!!と思うことが多いもので、これは単なる、判断ミスであったか!!(笑)

おおしまとしこ さんのコメント...

そうね、茂木先生曰く、「結婚相手を決めるのも2秒だとすると、それは一生ついて回るので大変なことだ」とおっしゃっていましたが、意外と即決するほうが合っているかもしれないわよ。自分の気持ちの中では直感で決めているのかもしれない。

とはいえ、私もミスが多くて恥ずかしいと思うことが度々です。

匿名 さんのコメント...

そうなんだ。私は迷ってばかりの人間なので、2秒って不思議。一度決めても、「やっぱりこっちにする」と選び直すことも。選び直すのに、また2秒なのか、選び直すことを含めて2秒なのか。結婚相手のことでは、ありませんよ。せいぜい、ランチメニューかな。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、そんなに迷いがあるようには見えないけれど・・・。

私など、ランチなどは決める前に「今日はこれにしよう」と事前に考えていて、それでメニューを見て、「やはりこれでよかったのだ」と念を押しているところもあるかもしれないな。
大体においてあまり迷わないほうです。
直感人間かもしれない。というか、論理性に欠けているところのほうが多いですね。