宮尾登美子さんの「きものがたり」を読みました。
いや、読んだというよりも眺めたというほうが正しいのかもしれないわ。
この本はもともと家庭画報に載せていたものなどをまとめて出版したそうです。
この本は小説ではなくて、宮尾さんの箪笥の中にしまってある着物をみんなに公開して、それぞれの着物にまつわる思い出や思い入れを語るというもので、カラーページにはものすごい数の着物が載っているのです。
その構成は1か月ずつに分類してあって、1月は礼装用の着物、2月は羽織、3月は訪問着、薄物、刺繍の着物、絞りの着物・・・・というように12か月に分けてあり、それぞれ毎月20着ずつほどが載っています。つまり1冊まとめると240着以上の着物が見られるということ。
なんという数なのでしょうね。
でも宮尾さんは小さい時から70年以上、着物生活をしているし、いろいろな人からのいただき物の着物も多いそうで、それでこんなに数が増えてしまったのだとか。中でも宇野千代さんからの着物が多いみたいね。
それぞれの着物は、「女流文学賞を受賞した時に誂えた着物」とか「宮中にお招きにあずかったときに誂えた着物」とか「小説が映画化されたときの記念式典で着た着物」など、一般人とはちょっと格の違う着物もたくさんありました。
写真を見ているだけでも楽しいけれど、でもやはりその間に宮尾さんの着物に関する意見や思い出がたっぷりと書かれているので、宮尾ファンにとっては二重の喜びが得られます。
それにしてもこんなにたくさんの着物をどうやって保存してあるのか、全部着る機会はあるのか、ちょっと気になりますね。
「きものがたり」宮尾登美子著 1999年 世界文化社
6 件のコメント:
そういえば、着物姿以外の宮尾さんは拝見したことのない気がします。普段もお着物なんでしょうかね。
それにしても、240着以上というのはスゴイですね。管理も大変でしょう。どうやって保存し管理しているかも書いて欲しかったですね。
としちゃんには、興味深い本だったことでしょうね。
マサさん、宮尾さんによれば、「これでも全部ではない」と書いてあるので、いったい全部で何着持っているのかしらね? 衣裳部屋が何部屋もあるのかもしれないわね。
この本の紹介文に「エッセイ」だと書いてあったけれど、そんな軽いものじゃないと思ったの。彼女の人生そのものだと思いましたよ。
ご飯の残りを布の袋に入れて、糊として使う話とか、懐かしいこともたくさん描かれていたわ。
宮尾登美子は好きですが、「きものものがたり」は手にしていないわ。
としちゃんにとっては、興味深い一冊だった事でしょう。きっとたくさんの智恵を吸収できたのでは。
沢村貞子さんから私は着物や生活の知恵を
学んだ気がします。
そうですね、宮尾さんと言うよりも昔の女性の着物に対する気持ちが伝わってくる本ですね。
沢村貞子さんは粋な方でしたね。縦縞の着物が似合う感じでした。
真蘭さんは訪問着というイメージかしら。
沢村さんの縞柄の着物姿に憧れていたのよ。
ゆったりと着こなして、粋でしたね。
私もあんなふうに縞柄の着物を着こなせたら、、、
私は大島が好きですよ。
そうそう、沢村貞子さんってすごくゆったりと着ていましたよね。首のあたりなど、すかすかというか。
でも昔のおばあちゃんたちはみんなあんな感じで、きっちりと着ていた人の方が少なかったかもしれませんね。
私は白大島というのに憧れるのですけれど、すごく高そうで手が出ないわ。
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