国の重要無形文化財に指定されているという本物の結城紬を一度ちゃんと目にしたいと思い、きもの熱さんといっしょに結城まで行くことにしました。
「結城って遠いんじゃないのかしら?」
と案じていましたが、新宿から出ている湘南ライナーに乗れば、1時間ちょっとで行けることが分かりました。
しかしその日は大雨だったため、小山からの接続がうまくいかず、到着したのは11時過ぎだったと思います。
結城駅に着きました。
「ユネスコ無形文化遺産登録」と記されています。
まずは結城駅すぐ近くにある観光物産センターで、ざっと結城のことを予習することにしました。
結城というところは、茨城県の西側に位置し、お隣は栃木県の小山市です。
奈良時代から、麻や木綿(ゆう)の産地として知られていたそうです。
鎌倉時代に結城家が当主を務めて、その後も城下町として発展してきました。
ちなみに1974年にNHKの朝の連続ドラマ「鳩子の海」は、結城を舞台にしたドラマだったそうで、それ以来、結城が有名になったのだとか。
私も「鳩子の海」はなんとなく覚えていますが、そういえば藤田美保子はこれでデビューしたのでしたね。
結城市の伝統産業といえば、結城紬がまず思い浮かびますが、それ以外に、桐のたんすや桐の下駄も有名なんだそうです。
さて、メインの結城紬ですが、若い女性が実演をしていました。
結城紬はこうやって織るわけですね。
「地機(じばた)」と言います。
腰にベルトのようなものをつけていますが、これで身体を前後に動かすときに調子を取るのだそうです。
他にも変わった麩やお茶菓子が置いてありました。
こちらのセンターの方は、とても親切で、おいしいお食事ができる店なども、丁寧に教えて下さいました。
問屋さんが対応していましたが、無理やりに押しつけるということはまるでなく、ゆっくりと反物を拝見することができました。
軽くて暖かい、何代にも渡って着ることができる、という結城紬。
しかし出来上がるまでには、40くらいの工程があり、そのすべてが手作業で、一反できあがるまで1年以上もかかるという結城紬。
値段が高いのもうなずけますね。
面白かったのは、反物に値札が二つ付いていて、一つはたとえば100万円。これは問屋さんの値段です。そしてもう一つは「上代」と書いてあり、そちらには200万円。これがお店で売っている値段なんだそうです。
倍になってしまうのですね!
ここでは反物についている証紙のことも学びました。
「地機」織りのもの、「高機」織りのもの、機会織りのものそれぞれマークが違います。
また同じ結城でも「ちぢみ」というのもあり、これはサラッとしていて、暑い時に着るには良さそうでした。
そして「亀甲」の数がたくさん詰まっていればそれだけで手間がかかる高級品ということです。
ポイントは、反物に、糸をつむぐ女性の姿がついているものだということです。
詳しくはこちらの「本場結城紬の見分け方」▼をどうぞ。
世間では偽物も多く出廻っているそうなので、気をつけたほうがいいですね。
じっくりと結城紬を眺めていたら、お腹もすいてきたので、雨の中、町のほうへと歩いていくことにしました。
(この項、続きます)
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