子供の時から習っている方に比べると、覚えが悪い、何回やっても身に付かないなど、さまざまな難点があるので、あちこちの邦楽演奏会やワークショップに出かけて、少しでも刺激を受けるようにしています。
さて演奏会でいつも感動するのは、お唄や三味線の方たちの前に座り、五人囃子のように太鼓を叩いたり、笛を吹くお囃子さんたちのことです。
お囃子さんたちはじーっと正面を見つめて座り、どんな長い曲でも何でも来いという姿勢を保ち、出番まできちっと身動きもせずに構え、そしていざご自分の出番になると息を合わせて演奏し、そして最後は盛り上がって、びしっと締めくくるのです。
その神業のようなお姿を見るたび、お囃子さんたちはいったいどうやって曲を覚えるのか、どうやってお稽古をするのか、不思議でたまりませんでした。
黒紋付きに袴姿の正装で、ひと言も発せず、にこりともせず、一点を見つめて楽器を操る姿は、私のような素人には別世界の方のように見えていました。
そんなお囃子さんのイメージが付いていたので、お囃子さんが金銀赤黒の派手な着物で登場して、落語家さんのように軽い調子でおしゃべりを始めたときは、のけ反るほどびっくりしました。
えー、お囃子さんってしゃべっていいの?
というのが第一印象でした。
その方は、こちらの鶴のマークの福原鶴十郎さん。
先週末、鶴さまはじめ、邦楽器のみなさまがたのライブに出かけてきましたので、ちょっとご紹介させていただきます。
実はこの邦楽ライブの前日に情報を得たのですが、facebookにも載っていたので、演奏会前日のお忙しい時に申し訳ないと思いつつ、メッセージを入れたところ、鶴さまからすぐにお返事をいただき、会場へのアクセス写真もいただきました。
邦楽の世界の方は、ほとんどが高齢のため、とくに私の周りの方はあまりメールやSNSはされないので、すぐにお返事をいただいて、それだけでも私のお囃子さんのイメージからは離れていました。
こちらのFB▼を見て、出かけました。
会場は東京の麹町にあるビルの2階。
猛暑の夕方でした。
受付をすると、ドリンク券をいただき、ビルの1階にあるこちらのカフェで飲み物が選べるというサービスがありました。
ちょっと早めに着いたので、アイスコーヒーを飲んで、暑さをしのぎました。
ライブの前には、会場に置いてあるさまざまな種類の邦楽器を自由に触ってよいという時間でした。
お馴染みの大鼓、小鼓。
持ち方や指の叩き方が異なります。
数々の笛。
擬音を出す道具。
鐘の系統の楽器。
そしていよいよお囃子のトークがありました。
題して「黒御簾の裏側の世界を見てみよう」
黒御簾を内側から写した写真を見せていただきました。
初めて見ましたが、えー、こうなっているのか、と軽い驚き。
客席からは中の演奏姿は見えませんが、御簾の中からは外がよく見えるのだそうです。
そして黒御簾の中で使われている楽器の音を出してみるという実演がありました。
こんなにいっぱい種類があるそうです。
聞いたことのある音、初めての音などありましたが、邦楽器の多くは神社やお寺で使われている道具をうまく使っているそうです。
楽しそうに音を出す鶴十郎さんと、貴三郎さん。
まるで掛け合い漫才のように面白かったですよ。
これは日蓮宗のお坊さんが使うものだとか?
そのあとに福原百貴さんの笛のレクチャーがありました。
どこかでお目にかかったことのある方だと思っていましたが、2013年8月に「邦楽ワークショップ ~ご祝儀曲と夏の彩り~」▼という地元のイベントで出演されていらっしゃった方でした。
今回は、昭和42年のNHK大河ドラマ「樅の木は残った」の挿入曲などを、能管と篠笛で演奏されました。
幽玄の世界に引き込まれてしまうような笛の音色でした。
その後は、長唄の演奏となりました。
杵屋勝壽(三味線)、東音坂田舞子(三味線)
福原鶴十郎(鳴り物)、福原貴三郎(鳴り物)、福原鶴十紫(鳴り物)、福原百貴(笛)のみなさま。
(敬称略)
「岸の柳」の演奏の時は、みなさま、カラフルな浴衣。
出演されたのは、
紫蘭まき(唄)、東音丸山登紀子(唄)杵屋勝壽(三味線)、東音坂田舞子(三味線)
福原鶴十郎(鳴り物)、福原貴三郎(鳴り物)、福原鶴十紫(鳴り物)、福原百貴(笛)のみなさま。
(敬称略)
「岸の柳」の演奏の時は、みなさま、カラフルな浴衣。
(写真がなくて残念!)
この曲は、紹介が面白くて、分かりやすかったです。
実は私も少しだけ習ったことがあるのですが、プロの方が弾くとこんなに素敵になるのかと思いました。
この曲は、紹介が面白くて、分かりやすかったです。
実は私も少しだけ習ったことがあるのですが、プロの方が弾くとこんなに素敵になるのかと思いました。
「廓丹前」の時は、しっとりとした江戸前風の藍色の浴衣にお召替えでした。
とてもリズミカルで、迫力がある演奏でした。
長唄の演奏を聴いた後は、みなさんと記念撮影。
顔を出すのが恥ずかしいという人のために、うちわや梅宮辰夫の似顔絵(WHY?)まで準備されるというサービス精神いっぱいのみなさまでした。
とてもリズミカルで、迫力がある演奏でした。
長唄の演奏を聴いた後は、みなさんと記念撮影。
顔を出すのが恥ずかしいという人のために、うちわや梅宮辰夫の似顔絵(WHY?)まで準備されるというサービス精神いっぱいのみなさまでした。
普通の演奏会ではお客様の層が決まってしまう傾向にありますが、このライブは老若男女、カップルや家族連れ、お友達同士、とさまざまで、それもとても良かったと思いました。
右は、最近、常磐津三味線を習い始めたY子さん。
麻の葉模様の浴衣をすっきりと着こなしていらっしゃいました。
目をつぶってしまったのでもう一枚。
すっかり鶴さまに魅惑された夜でした。
このライブは次回の企画もありますので、是非、また参加したいと思いました。
*****
この日の装い。
「浴衣会」ということだったので、浴衣が良いのかとも思いましたが、私の浴衣はどれも生地が詰まっていて暑苦しいので、いただきものの夏着物にしました。
暑いので帯板をしなかったら、やはりぴりっとしませんね。
ぶりっこして半巾帯を三重ゴムで締めたのですが、やはりおばあさんには無理があります。
背中にしわが寄っているし・・・・・。
早く涼しくなって、名古屋帯を締めたいところです。
4 件のコメント:
としちゃん、とても面白そうなライブですね。鶴さまもステキ!素晴らしい演奏をたくさん聴くことも上達の早道ですね♪
鶴さまは本物のエンターテイナーだと思いましたね。
お忙しいでしょうに、疲れた表情などまるで見せずに、お客さんを楽しませて下さいました。
また次の企画があるようなので、その時はご一緒しましょうか?
「鶴さま」楽しい方でしたよね。(笑)
邦楽を盛り上げようという熱意を感じました。
次回もお出かけでしたら是非またご一緒させて下さいね。
よーでるさん、楽しい邦楽ナイトになりましたね。
どんな内容かあまりよく分からずに出かけましたが、十分、元は取れましたね。
それにしてプロの方はみなさんタフですよね。
毎日あのような活動を続けているわけですから。
またご一緒しましょう。
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