先日、横浜市青葉区あざみ野まで出かけてきました。
田園都市線の駅です。昔、この沿線で仕事をしたので駅は知っていましたが、下車したのは初めてでした。
駅から急な坂を歩き、かなりハーハーしました。そして反対側の道路に渡ろうとしたのですが、信号が全然なくて、しかたなく高い階段を上って反対側まで行きました。
その高い道路から眺めたのが、会場の「アートフォーラムあざみ野 男女共同参画センター横浜北」というところでした。
山崎ナオコーラさんのことは、エッセイなどでよく目にしていましたが、実はちゃんとした小説は読んだことがありませんでした。なんとなく、つっぱっていそうで、ちょっと苦手だったのです。
ところが彼女が「源氏物語」についての本「ミライの源氏物語」を出したというので、ちょっと興味が湧いてきて、そのトークイベントに参加しようと思ったのでした。
山崎さんはなんと國學院大學文学部で学び、卒論は源氏物語だったそうです。意外でした。
そして彼女なりの源氏物語に登場する女性たちの姿を紹介したのです。
たとえば葵の上と六条御息所については「マウンティング」
紫の上は「ロリコン」
末摘花のことは「ルッキズム」
などと分かりやすく分類していました。
また宮廷という格差社会の中に生きる女性達は、重い十二単を着て、自力では動けない存在だったとも話していました。
実はこのトークイベントでは、ネットで申し込む際に「山崎さんに尋ねてみたいこと」を記入してもよい、ということが書かれていたので、私はこんな質問を記入しておきました。
それは「もし光源氏が長生きをしたら、どんなふうな老人になっていただろうか?」ということでした。
これに対して、山崎さんは「それは面白い質問ですね」と答えてから、「彼は男女関係のことは乗り越えて、趣味などに生きる人になっていたかもしれない」というようなことを答えてくれました。
他にも面白い質問がいろいろとありました。
会場は130人くらい来場者があったようですが、男性は二人のみ。おばさんの世界でした。
山崎さんはその名前が示すように、大のコーラ好きなんだそうです。トークの後で、おいしそうにゴクゴクと飲んでいました。
想像していたよりも落ち着いた感じで、一言一言を丁寧に話しているようでした。やはり文字の世界に生きているひとは、言葉を大事にするのかなとも思いました。
会場には、彼女が学んだ國學院大學の協力で、源氏物語のパネル展がありました。