2008年2月7日木曜日
修士論文発表会
私の仕事場である大学院では、今日と明日が修士論文発表会。
(写真は雪に覆われた自転車置き場)
大学院というのは、一般の人にはなじみが薄いかもしれないが、大学院(研究科)は修士課程と博士課程というのから成り立っている。
修士というのは、普通は大学を卒業してから入学するからだいたい23歳くらいに始まり、2年後の25歳くらいで修了ということになる。
ただし社会人学生というのもいるので、年齢だけでは学生かどうかは判断ができない。
今は、72歳というおじさま修士もいるし、留学生もいる。
昔は修士課程まで進むのはよほど勉強好きか、よほど変人ということだったが、今では大学卒業は当たり前、よりよい就職を探すために2年間、研究室に所属するというのが多いように見える。
実際、彼らの就職先はSONY、NEC、NTT、など一流企業が目白押しである。
そんな修士たちだが、いわゆる単位の必要な授業というのは、だいたい1年生のときに取得できるようだ。
そして1年生の後半に入ると、もう就職活動がスタート。
1年生から2年生の間に面接などを済ませて、5月の連休前には就職先が決まっているという学生もいる。
そして2年生の半ばからは本格的な研究生活に入るのだが、まじめにやっている学生とそうでない学生がいるのは、いつの時代も同じ。
しかし修士論文発表会で審査を受けて、合格の通知がもらえないと、いくらよい就職先が決まっていても、それはだめとなる。論文の書き直しを命じられたり、再発表というケースもある。それもできないとなると、あと半年大学院にいて、10月卒業というパターンもある。
(まだ雪の残る校庭の木々)
修士を2年間で修了しても、まだ勉強を続けたいという人は博士課程まで進むことになる。
ここまでくると、修了後の進路がかえって難しいことがある。
企業にしても博士課程まで進んだ学生を簡単に雇うことはできないだろうし、専門が狭くなればなるほど、就職先も難しい。
とはいえ、いわゆる研究所や教育機関というところは、空きがないとなかなか就職は難しい。
というので、ポストドクター(ポスドク)の存在と言うのが、近頃の問題となっているのだ。
私の研究室にも数名のドクターがいるが、まあ、あまり女の子には縁が遠いような学生が多い。
博士のほうは、修士と違って単に論文を発表すればいい、というわけにはいかない。
海外で何回論文発表をしたかとか、有力な学会誌に何回掲載されたとか、そういう基準をクリアーして、なおかつ論文審査もあるのだ。
博士は普通は3年が目安なのだが、それ以上数年かかってようやく取得できるという学生もいる。
(なかなか雪が溶けない庭)
世の中にはいいかげんな学生も多くいるには違いないが、理系の大学院生というのは、やはり勉強をしないとついていけないのだろう。研究室の学生も、いつの間にか登校しなくなり、退学をしたという学生もいる。
研究の道、というのはそうやすやすとは手に入らないものなのだろう。
私は近くで見ているだけなのだが、せっかく人よりも長く勉強をしたのだから、その専門を生かすなりして、周りの人にもよい影響を与えてもらいたいと思う。
そして彼らにはいつも「大学院まで進学させてもらったご両親に感謝しなさいよ」と、おばさん根性で悟しているのだ。自分だって若かった頃は、親のことなんか考えたこともなかったのにね。
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4 件のコメント:
国立の理系は大学院に進むケースが多いと聞きますよね。
下の娘なんか、一浪してるし学部は6年あるし、その上修士課程にまで進んだら、いったい幾つになっちゃうんでしょう。
勉学に励む若い学生さんに囲まれているなんて、羨ましい位です。としちゃんに、どこかアカデミックな香りを感じるのは、そのせいかしら。
お嬢さんはきっと年のことなど考えずに、獣医師さんになることだけを目指しているのでしょうね。うちのアホ娘に少しつめの垢でも煎じてもらいたいですわ。
学生たちには「あなたたちのお父さんやお母さんと同じくらいの年齢」と言っていましたが、今やそれをずいぶんオーバーしたみたいです。40台の親だっているんですものね。
あーあ、です。
この1月から3月にかけて大学の先生は一番忙しいのですよね。
実験、発表の練習、それでようやく本番。
卒業はさせないといけないわ、新入生の試験は(何度もある)あるわで・・・
彼も来週大学に発表を聞きに来るそうです。
今はもう定年退官したので気は楽でしょうが、この文章を読んであぁそういえばこの頃は特にバタバタしてイラついてた思い出が急に蘇ってきました(笑)
近寄ると危なかった。ハッハッハ~
ハッハッハーと笑って過ごせるところが豪快で、すごいな。
たしかに2月から3月は年度末の予算のシメもあるし、卒業、入学準備、退官教員のもろもろなど、大学関係者には忙しい時期です。また今は就職活動も早くなっているので、そのお世話もあるし・・・。
でも就職した学生がパリッとして、研究室に訪問してくれるのは嬉しいものですよ。
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