「源氏物語」を追い求めて、今日はなんと埼玉県の朝霞市まで行ってきてしまいました。

朝霞というと、自衛隊の駐屯基地を思い出すけれど、私の住んでいるところからは、武蔵野線というJRで行けるところなの。
武蔵野線には初めて乗りました。
この路線、駅と駅の間隔がすごく離れているのよ。
おまけに電車はガラすきで、いつも乗っている京王線とは大違い。

朝霞って、きっとすごい田舎だろうな、と思っていたら、駅の前にはドトールもあるし、和民もあるし、こりゃ、私の住んでいるところのほうがマイナーなのかもしれな、と思ったくらいでした。
お目当てのところは、
「朝霞市博物館」というところ。
駅から遠いのよ。15分から20分くらい歩いたかしら。
近くには東洋大学の校舎が、たくさん点在していました。

ようやく博物館に到着。

ところで、こちらの写真にもあるように、昔は朝霞市では水車がたくさんあったんですって。
初めは粉ひきや米つきに使っていたらしいんだけど、それがあるときから「銅」関係に使われるようになったんですって。伸銅業といって、銅を薄く延ばしたり、長く延ばしたりする仕事なんですって。戦争中はだいぶ活躍したそうです。

というようなことが博物館には展示してあったわ。
ここは大昔の旧石器時代の遺跡もたくさん出たところのようですよ。
さて、お目当ての催しは「平安王朝 ~源氏物語の時代~」という企画展で、学芸員の方のギャラリートークがあるというので、参加してみたの。
朝霞市民と思われる人たちがたくさん集まっていたわ。びっくりよ。
博物館って、いろんな展示品があるけれど、普通はそれを見るだけで終わっちゃうでしょ。でも今日はその展示品の一つ一つを学芸員さんが説明してくれたの。
展示品は源氏物語絵巻、直衣や十二単などのお衣装、ミニチュアの調度品、写本、屏風、お香、盤双六、などどこの展覧会でも見たようなものばかりだったけれど、会場が狭いので、かえってそれがアットホームな感じがしてよかったわ。
この学芸員さん、古典が専門の方でなくて、源氏物語は
「あさきゆめみし」しか読んだことがないという源氏に関しては素人さんなんだけれど、でも朝霞市民に平安時代のことを知ってもらいたいという意欲があった方でした。
だってね、枕草子の写本を、ご自分のお給料をためて、清水の舞台から飛び降りるつもりで買って、それを博物館の展示品として提供したくらいなの。ご立派よね!
私が気に入ったのは、江戸時代に書かれたという六曲一双の屏風でした。
これには、若紫の垣間見のシーン、朧月夜をナンバしているシーン、空蝉が囲碁を打っているところを垣間見しているシーン、童たちが雪遊びをしているシーンなどの6つの場面が描かれていたのだけれども、どれもカラフルでとてもきれいでした。
ということで朝霞市博物館特製のカタログを買ってきてしまいました。

これは「花宴」という巻の説明。私こういう絵が、大好きなんです。
若き日の光源氏と朧月夜。
こういう明るい感じの女性、大好きなの。
お土産に押し花のしおりまでいただいちゃって、ラッキー。
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源氏物語千年紀もほぼ終わりに近づいてきました。
朝霞の学芸員さんのお話だと、この「千年紀」という言葉は、今年の流行語大賞にもノミネートされているんですって。どのくらい浸透している言葉か分からないけれど、私はこの千年紀のイベントのホームページには毎日のようにお世話になりました。
来週は大丸百貨店で「あさきゆめみし」の原画展があるそうよ。
また松戸でも催しがあるらしいの。
源氏物語を訪ねて、東へ西へ。
私の旅ももう少し続きそうよ。