母の退院

先週、ホームのトイレで滑って転んで近くの外科に入院していた母が、今日、退院できました。

１週間、病院していたわけですけれど、すっかり、自分がどこにいるか分からなくなってしまいました。

「もう怪我も治ったし、熱も下がったから、いつものおうちに帰るのよ」と言っても、どこに帰るのかまるで分からないのです。

「お母さんのお部屋は、２階の角にあって、テレビとベッドがあるお部屋でしょ」と言っても、ふーんと言うだけ。


介護タクシーの人に来てもらい、車いすでグループホームに戻りました。

ホームのおばあさんたちは「あら、おかえんなさい、早く戻ってこれてよかったわね」と歓迎してくれました。

スタッフの人たちも「わー、よかったわね」と駆けつけてくれました。

スタッフの皆さんの顔は少しは覚えていたようですけれど、自分の部屋に入っても、どこかきょときょとした様子でした。

病院にいて、壁を見ているだけでは、私だって日付の感覚もなくなってしまうだろうし、何の刺激もなかったのですから仕方ないのですけれどね。


ホームのスタッフの人からは「どうぞ私たちにお任せくださいね」と言われて、本当に安心しました。

ディケアなどに行けば、記憶も少しずつ取り戻してくれるでしょう。

でもこれからはこんなふうにして入退院を繰り返すのだろうと思うと、私もやりきれませんね。