私が読む小説は、推理小説以外は女性作家のものばかり。
最近、また新たな女性作家を開拓しました。
といっても新進の方ではなく、平岩弓枝さんというちょっと前の時代の方の小説なのですが、時代を感じさせない面白さがありますね。
平岩さんというと「御宿かわせみ」があまりにも有名なのですが、あまのじゃくの私はそのような有名シリーズはちょっと脇に置いて、最初に手にしたのは「江戸の娘」という時代小説集でした。
江戸の町娘とお侍さんの身分違いの恋話、長崎の出島でオランダ人相手に商売をしている遊女と黒人の悲しいラブストーリーなどの短編集です。
平岩さんが30歳くらいのお若いときに書かれた小品が数作まとめられているのですが、思わず「うまいな~」と言いそうになるくらい、読み手のツボをうまくつかんでいる小説でした。
その後は変わったタイトルに惹かれて「道長の冒険」というのを読みましたが、これは荒唐無稽というか、ありえないような夢のようなストーリーです。
妖怪やら化け猫やらが登場してきて、道長君といっしょに危ない目に遭ったり、まるでアニメの世界のような感じ。2004年の作品だそうです。
へー、平岩さんってこういう本も書くのか、と思いましたね。
次に手にしたのは「女たちの家」という現代ものでした。
これは1980年の作品だそうですが、未亡人になった50代の中年女性の生き方がメインです。
それまで夫に頼って生きていた専業主婦の女性が、夫の死後、ペンション作りに乗り出すというちょっと現実離れした話ですが、話に起伏が富んでいてうまく構成されていると思いました。
この小説はテレビでドラマ化されたこともあるそうで、京塚昌子や水沢アキ、篠田三郎などが出演していたそうです。
ちょっと古い昔のドラマですね。
平岩さんは日本女子大学の付属高校に行っていたころから演劇部で脚本を書いていたそうです。
早熟だったのですね。
今は80歳なので、なんと60年以上も小説の世界にいらっしゃるわけですね。
すごいですよね。
「肝っ玉かあさん」や「ありがとう」などの昔のテレビドラマの脚本も書かれていたそうで、知らなかったわ。
平岩さんの小説はまだまだたーくさんあるので、これから読んでいくのが楽しみです。
今までなんとなく食わず嫌いという感じで手にしていなかったのですが、読みだすと本当に面白い。
やはり長い間、小説家として過ごしてきたなので、話に魅力がありますね。
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