今日のブログは、旅行記はちょっと中断して、今、読んでいる本のご紹介です。
かなり内容に偏りがありますが、それは私の好みですので、ご了承下さい。
まずは「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」
朝日出版社。
(文庫本も出ているようですが)
加藤陽子さんという東大文学部教授の書いた本です。
高校生・大学生向きに、日本の近現代史を語ったものですが、それでも私には高度な内容です。
日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争を通して、当時の人たちが戦争をどのようにとらえていたかを、語りかけています。
これは「気がつけば82歳」▼という高齢女性のブログで紹介されていたので、読んでみました。
次は浅田次郎さんの「黒書院の六兵衛」(上・下)です。
文春文庫。
上巻は読み終わり、今は下巻に入ったところ。
江戸城明け渡しの時期のことを書いた歴史小説です。
お城のどまんなかに居座った謎の武士・六兵衛の本性をあばくために、多くの人が彼のことを語る形式で物語を進んでいきます。
私は基本的には、小説は、女性作家のものしか読みませんが、浅田次郎さんはその例外。
ほんとにうまいな、と思いながら読んでいます。
もうひとつ時代小説。
大好きな宇江佐真理さんの「竃(へっつい)河岸」。
文藝春秋。
ご存じ髪結い伊三次の物語です。
2回目ですが、また読み直しています。
だって、もう宇江佐さんの新しい小説や読めないのですもの。
もっと長生きして、たくさんの小説を書いてもらいたかったですね。
本当に残念です。
同じく江戸時代のもの。
上田秀人さんの「武士の職分 江戸役人物語」。
角川文庫。
これはお城で働く役人の種類を説明しつつ、小説の形に仕立てたもの。
この著者は、本業は歯医者さんだそうですが、よくいろんな文献を読んでいる方です。
こちらは読み終わりました。
というか、2回目を読み終えました。
瀬戸内寂聴さんの「秘花」
新潮社。
能楽師・世阿弥の人生を描いた小説です。
世阿弥は能だけでなく、教養も素晴らしく、なおかつすごいイケメンでだったので、ごく若いころから男性にも女性にもモテモテでした。
とくに権力者であった足利義満には可愛がられました。
その後、義満の愛人だった女性と結婚しましたが、実子がなかなか生まれず、弟の子供を養子としたその後に、実子が生まれ、それが悲劇の元になりました。
愛する我が子を亡くしたり、出家してしまったりして、能の本流からははずれ、そしてかつての栄光を失っていきます。
さらに全くの原因不明で、72歳で佐渡に島流しになってしまいます。
その佐渡で、やはり息子を亡くした女性と最後の時をすごします。
目は見えなくなり、耳も聞こえなくなりますが、それでも生きていきます。
どこまでが史実で、どこからが作家の想像か分かりませんが、胸が苦しくなるような内容でした。
タイトルの「秘花」は「秘すれば花」という世阿弥の名句から来ていますが、人を愛するのも愛されるのも、リスクが伴うのだろうか、と思いました。
最後の1冊は、もう少し時代をさかのぼり、源氏物語関係の本です。
山本淳子さんの「源氏物語の時代」
朝日新聞社。
「一条天皇と后たちのものがたり」、という副題がついています。
源氏物語を読むためには、当時の天皇や藤原家の史実を知っていた方が良いと思って、図書館から借りてきましたが、まだほとんど読んでいません。
山本さんという人は、源氏物語に対して、かなり面白い見方をする方です。
読書は、知らない世界を教えてくれる、心弾む贅沢な時間です。
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