2018年5月25日金曜日

「浮世絵にみる江戸の暮らし」2

先月から開講した市民カレッジ「浮世絵にみる江戸の暮らし」の2回目のレポートです。
1回目はこちら▼

2回目も浮世絵を見ながら、藤澤茜先生に江戸時代の人々の生活を教えていただきました。

今回のテーマは「江戸時代の行楽と行事」でした。
現在でも、江戸時代から続いている行事はいろいろありますね。

一番興味深かったのは、七五三の浮世絵でした。


当時は、小さな子供は男女ともに、くりくり坊主にしていたそうです。
そうしたほうが、大きくなってから良い髪の毛が生える、という理由からです。
そして3歳になった時、「髪置き」といって、髪の毛を伸ばし始めました。
それで3歳が、七五三のお祝いになるのですね。
その後、5歳の男児は「袴着」、7歳の女児は「帯解き」に合わせてお祝いをしました。
それぞれ人生の節目をお祝いする行事でした。
七五三のお祝いは、現在でも引き継がれていますね。
昔は、乳児の死亡率が高かったので、きっと7歳まで順調に成長する子供の数は、今よりもずっと少なかったと思います。
親にとっても、周囲の人にとっても、喜ばしいお祝いだっただろうと想像できますね。

また行楽に関しても、江戸時代の人たちも、現在と同じようなことをして楽しんでいたことが分かります。
たとえば花見。
当時は上野の寛永寺の桜が一番有名だったようです。
他にも、隅田川、御殿山、飛鳥山などに花見に出かけました。
桜の木の下に敷物を敷いて、そこで飲食を楽しむ浮世絵もありました。

また、花火も江戸時代を象徴するものですね。
こちらは、両国の花火の様子です。
涼しげな様子が伝わってきます。


また「祭」の賑わいを描いた浮世絵もたくさんありました。

こちらは前回の講座の時に、時間が足りなくて説明されなかった「寺子屋」の浮世絵です。

江戸の人々の識字率はとても高くて、90パーセントくらいの人は文字を読めたそうです。
パリやロンドンの識字率は20パーセントくらいだったことに比べると、江戸の人の教育程度がいかに高かったかが分かりますね。
それは寺子屋という制度があったおかげでしょう。

こちらの浮世絵では、子供が「いろは」のお手本を持っているのが分かります。
また右上のある囲みの中には、小野小町の歌が書かれているそうですが、和歌の教養も高かったのですね。


この講座では、プロジェクターに浮世絵を大きく映し出して鑑賞するので、今まで展覧会で見ていても気づかずにいたことが、よく分かるようになりました。

こちらは、他市から参加されている着物友だちのUさんの後姿です。
とても素敵な帯でした。
写真ではよく分かりませんが、半襟と帯揚げがどちらも鮮やかな黄緑色で、とても美しかったですよ。


この後は、お隣にある市役所でランチをいただきました。
白身魚の揚げ物に野菜のあんかけ、味噌汁、サラダ、ご飯のヘルシーメニュー定食。


ワンコインでした。


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