2025年7月11日金曜日

東京の奥地へ 水源地フィールドワーク

先日は、大学の授業の一環で、奥多摩にある東京都の水源地まで出かけてきました。

集合は朝の7時50分。そこからバスに乗り出発。

一行は私たちシニア学生が20人ほど、アジアからの留学生が15人ほど、それに指導の先生と事務のスタッフ2名でした。

この授業は、美味しい水道水を提供するために、森林を管理して良質の水を生み出すこと、そしてダムによる水量コントロールを実際に目で見ることが目的でした。つまり水資源の管理の大切さを知ることでした。

バスは中央高速を通ってまずは笹子トンネル近くで休憩。ここには2012年の天井板落下事故の慰霊碑がありました。

勝沼を過ぎて、柳沢峠というところで下車しました。ここは甲州市にあり、美味しい水で有名なところだそうです。

柳沢峠は標高1472㍍だそうで、木陰に入れば涼しいのですが、日が当っているとやはり暑かったですね。


まずは東京都水道局のスタッフさんたちと、準備体操をしました。これからたくさん歩くのです。日差しがきつくて、準備だけでも大変。

そして東京水道水源林を歩きました。

「ふれあいのみち」散策です。水源林ツアーでした。

柳沢峠にはブナやミズナラなどの広葉樹が生えていました。

それほどきついコースではありませんでしたが、虫除けをつけていたのに、首に刺されてしまい、痒くてたまりませんでした。

笹の生え方なども教えていただきました。笹というのは、一斉に生えて、一斉に枯れてしまうのだそうです。


ここには鹿や熊が出没するというので、先頭を歩くスタッフさんは熊よけのベルを腰につけて鳴らして歩いていました。


こちらの標識にも、熊がひっかいた跡がありました。怖いですね。

こちらは鹿対策の「しかさく」

案内していただいたスタッフさんたちは、東京都水道局の公務員ですが、山梨県の水源地でお仕事をされているのでした。女性の方もいました。

こちらの場所はそれほど勾配もきつくなくて、ちょっとしたハイキング気分でした。

その後、バスに乗って少し走り、今度は「100年の森」というところを歩きました。ここは山道が急角度でけっこうきつくて、ゼーゼーハーハー言いながら山登りをしました。

この森は昔は、はげ山だったそうですが、みんなの力で美しい緑の山になったところです。


すくすくとまっすぐに生えていました。


私が興味を持ったのは、こちらの遺跡。「水神社」の跡でした。
ここはかつて享保2年(1717年)、玉川兄弟が玉川上水を開削してから64年後に、羽村に造営されたものだそうです。ところがその場所が遠いので、大正時代にこちらの場所に移されたそうです。毎年5月21日には水神祭を行っていたそうです。


私は玉川上水も全域歩きましたし、また昨年の論文では水神様になった小泉次大夫を研究していたので、水神社はとても親しみが湧きました。現在は土台の石垣しかないのが、ちょっと残念でした。

その後もアップダウンを繰り返して山歩き。

そしてようやくランチタイムとなりました。

東屋で休憩する留学生たち。食後はトランプで遊んでいました。みんな若くて可愛かったですね。

帰り道は、ミニ奥入瀬渓谷のように美しい所を歩きました。

そしてまたバスに乗り、今度は小河内ダムへ。ここは私が小学2年生の頃完成したダムです。当時はすごいニュースでした。

多くの村が湖の底に沈んだのでした。1000人ほどの人が、他の場所への移住を余儀なくされました。工事のために亡くなった人も87人いたそうです。


ちょっとひどい顔をしています。。。。

水位が低いようですが、大丈夫かしら。

下の方に発電所が見えました。


先生からいろいろと説明がありました。


下の案内です。

「小河内貯水池は、標高530㍍に位置しています。
蓄えられた水は、水道の原水として使用される他、ダム直下および下流にある発電所で発電にも利用されています。小河内ダムから放流された水は、小作取水堰と羽村取水堰で水道原水として取水されます。
原水は、自然流下により村山上貯水池、村山下貯水池、山口貯水池、多摩川上水路などを経て、東村山浄水場および境浄水場へ、導水ポンプにより小作浄水場へ送られます。また東村山浄水場からは、利根川水系の水質事故など必要に応じて原水連絡管により朝霞浄水場および三園浄水場へも奥州ことができます。」

とにかくこの日は暑くて大変でした。留学生の中には、熱中症のようになった学生もいましたが、私たちはなんとか無事でした。

そしてまたバスで出発地点に戻りました。

やれやれハードなフィールドワークでした。8キロほど歩いたようです。

それよりもレポートが大変です。

今回の水源林ツアーは、東京都水道局「みずふる」▼というサイトで紹介されています。無料で参加できます。



0 件のコメント: