2019年5月11日土曜日

得か損か? 138センチ浴衣と29センチ幅のうるし帯

先日、東京都美術館で「クリムト展」▼を見るか、あるいは国立博物館の「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」▼を見るか、どちらとも決めず上野まで出かけました。

すると上野公園の噴水近くで東京舞祭▼というのをやっていて、テントがたくさん立ち並んでいました。
その一角に「リサイクル着物」という看板が見えたので、ちょっと気になって近づいていました。


ちゃんとしたものは少なかったのですが、外国人が興味深そうに買い物をしていました。
私もちょっと覗いてみました。
そして藍色と白の浴衣を探して、常時持ち歩いているメジャーで測ったところ、前幅、後ろ幅はばっちり。
おまけに千円だったので、いただいてきました。
こちらです。
ろうけつ染めのような模様です。


すると、そこに見知らぬおじいさんがやってきて、
「おねえさん、着物はよく着るのかい?」と尋ねるので、
「はい、まぁ」とか答えると、
「それなら日暮里に行ってみなはれ。ちゃんとしたおうちのお蔵から放出された着物がたくさん出ているよ」と耳打ちされました。

日暮里までならそれほど遠くもないし、お蔵の放出品と聞くとウキウキして、美術展は後回しになりました。

それで藝大の脇を通って、炎天下をテレテレと歩いて日暮里まで行きました。


かなり歩きましたね。
谷中銀座の「夕やけだんだん」の階段のところにリサイクル着物のお店がありましたよ。
ここも外国人のお客さんが多かったですね。
玉石混合といった感じでしたが、どれも袷で、さすがに今から着るにはちょいとね。

ということで諦めましたが、近くにちゃんとしたリサイクル着物のお店があったことを思い出しました。
「悦」▼というお店です。


入り口には、私好みの青い色の単衣を着たマネキンが立っていました。
お店の人に聞くと、藍染のとても良い品だそうですが、サイズを測っていただくと、私には大きすぎました。
残念。
その代わりに見つけたのが、千円コーナーにあったこちらの黒の帯。


うるしが使われていて、そこが光っていて可愛いのです。
ただし、これは幅が29センチしかないので、昔のものだということでした。
実は私には幅が狭い方が良いのです。
それで即決していただいてきました。
ちなみに長さは十分ありました。

着た感じはこんなふう。
(その日の着物の上に締めたので、ちょっと合っていませんが)


朱色が昭和っぽいですけど、昭和人間が着るので、構いません。


帯の裏を見ると、「いづくら」と刺繍がありました。
どうも京都の西陣織の品のようでした。


さて、家に戻り、藍色の浴衣はまずは洗うことにしました。
寸法を測ったら身丈が138センチしかありません。
えー、さすがにチビの私でも短いな。
でも洗っても縮まなかったので、ラッキー。

こういうおバカなお買い物をしていますが、まぁ、老後のささやかな楽しみです。

この日のランチ。
谷中銀座にありました。
こういう看板を見ると、見逃せません。


「ひみつ堂」の抹茶小豆。


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この日の装い。

気温が28℃にもなるという予想でしたので、綿麻の着物にしました。


帯はポリエステルですが、使用頻度が高い帯です。
黒地の帯は、どんな着物にも合うので、私には便利です。


赤い半襟は、たんすやさんの端切れコーナーでワンコイン?で買ってきたもの。
縦半分に切って使っていますが、残りの半分は着物友だちに差し上げました。


2 件のコメント:

カンカン さんのコメント...

美術展後回しの着物探しもおもしろそうですね。
芸大の裏を通って日暮里まで歩いて行ったことも何回か
ありました。面白いエリアです。
漆を使った帯、柄が素敵ですね。としちゃんはサイズ的に
いいものと巡り合えそうです。
古いものに魅かれるこの頃です。

おおしまとしこ さんのコメント...

いや、つくづく自分が小さくなった、と気づかされましたね。
これまで140センチまでは着ていましたが、まさか138センチでもなんとかなるとは
本当に縮んだものです。
美術館は混雑していそうだったので、ちょっとパスしてしまいました。