2009年1月15日木曜日
おくりびと
去年、数々の賞を受賞した映画「おくりびと」を見てきました。
公開後、すぐに見たかったのだけど、もろもろに事情で今頃になってしまったの。
昨日は、地元のPキネマで見たんだけど、今回の上映は1日1回、それも朝だけということに加え、昨日は誰でもおひとり様1000円で見られるという日だったので、劇場は超満員。立ち見席まで出たくらい。
結論からいうと、すごく良かった!
これで1000円なら大満足。
主演のもっくんはもちろん良かったけれど、それ以上に脇役の山崎努、吉行和子、笹野高史、余貴美子といった人たちが映画を引き締めていたわ。
それと一番良かったのは、この映画は様式美と画像美をすごく重視していたということ。
様式美というのは、納棺師のしぐさの美しさが一番だったわね。
これは茶道や能にも通じる日本の美があると思ったの。
それに加え、亡くなった方の顔を手でぬぐうシーンなどを見ていると、エステシャンやマッサージ師の人の手の動きにも通じる美しさが感じられました。心をこめて、肌に手を添わせるところなど、感激ものでした。
もう一つの画像美というのは、情景の美しさね。
山形の雪のシーン、青い空に真っ白なハクチョウが飛び立つシーン、満開の桜の花びらが散るシーン、川原でチェロを演奏するシーン、そういうシーンがとても美しいと思ったの。
それだけでも泣かせるには十分だったと思うわ。
きっとこういう四季折々の美しさというのは、日本人なら誰にでも分かるのではないかな。
ストーリーそのものはそれほど凝ったものではないけれど、夫婦愛、親子愛などがいろんなエピソードにからめてうまく作られていたと思うわ。
伊丹十三の「お葬式」を思い出させる場面もあったし、笑わせる場面もほどよく挿入されていたと思うわ。
映像といえば、もっくんの裸体はすごく立派で美しかったわよ。
最近、30代の男性の裸体なんて見る機会がないから、若い肢体にほれぼれしました。
(うちの研究室にも30代の男性がいるけれど、メタボ気味なんですもの。)
でもね、この映画は満点とはいえないな。
それはやはりもっくんの相手がヒロスエだということ。
じゃ、他に誰が演じたらいいかということになると、誰がいいか分からないけれど、私はヒロスエのあの薄い唇と、しゃべり方が気に入らないのよ。
ま、個人の問題といえばそれまでだけどね。
それでも、「おくりびと」は美しい音楽と美しい映像の、美しい映画でしたよ。
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12 件のコメント:
こんばんは。最後の部分、笑わせて頂きました。僕は未だ見ていませんが、お話を読んでいる限りでは同感です。配役は誰がベストでしょうか。宮沢りえさんにすると伊右衛門のCMになってしまいますし。。。映画を見て、そのような事を思う事も多々あるのですが、「では誰に?」と考えると思い浮かばず、妻とあーだーこーだと話して終わってしまう事が殆どです。。。
まぁ、C布のPルコシネマで立ち見が出るなんて、「ドラえもん」ぐらいだと思っていたわ。私が行くときは、「もうちょっと人がいてくれたほうが、嬉しいかな」って感じだもの(苦笑)
父の時にね、納棺師の仕事ぶりに、目からウロコというか、「すごい!」って思ったの。だから、とても興味深く観た映画でした。峰岸さんも、遺作がこの作品で満足だったんじゃないかしら。
ヒロスエは、もう30歳近いと思うけど、あの甘えた喋りかたが気になりますよね。
じゃあ、誰が演じたらいいの?と言われると困るけど、桜井幸子とか、どうでしょう。ちょっと暗いかな。
日々是写真日和さん、宮沢りえだと伊右衛門というのには、笑ってしまいました!
でも今のりえさん、好きですよ。
マサさん、そうなのよ、10時の開店のときには、1階の玄関にはすごい人が集まっていて、エレベーターとエスカレータの両方がフル回転していた感じでしたよ。
私の父のときは、納棺師さんのお仕事はその場では見ていませんでしたが、すごくきれいな顔になっていて、びっくりしました。一番好きだったセーター(超若者向きの店で買ってあげたの)を胸に乗せていて、良かったと思いましたね。
桜井幸子さんって、わりときちんとした感じの女優さんかしら? あまり知らなくてごめんなさい。
もっくんって、実生活ではキキキリン(文字が分からん)の娘と結婚していたんですよね?
この映画はすごく評判がいいですね!
私も機会があれば見たいけどどこかでやってるかなぁ?
この前のラジオで言ってたけれど昨年の邦画NO.1でしたよ。
日本アカデミー賞をとるかもね。
今度はキリンさんが司会ですね~
マサさんのブログで拝見した時にも
「観にいこう」と思って、そのまま。
今度はとしちゃんの解説でまたまた
「やっぱり観にいこう」と思ったわ。
でも、腰の重い私。
様式美と言う所に惹かれますね。
やっぱり観たいな~!
桜井幸子は、薄幸な女性役が似合う儚げな感じの女優。この役には、やっぱりちょっと暗いかな。
そうそう、もっくんの奥さんは樹木希林の娘。お母さんによく似ているわよね。
「もっくんって、面食いじゃないんだ」って、家の娘は妙に感動?していました(苦笑)
もっくん、好きです(笑)
相手役はいっくらでもいますよー!
りえちゃんも桜井さっちんもいいですし、内山理奈とか、それこそ宮崎あおいとか。
結局、どこかしらに話題性を入れたいのかしら。
途中まで、見たいなーと思いながら拝読していましたが、ヒロスエの段階で見る気がなくなりました(笑)
私生活、子どもまで作ったのに、胡散臭い噂が多過ぎます!
ひところの演歌歌手と暴力団の関係みたいで、清潔感がないですね。
・・・・・と、ひとさまのブログで失礼しました。。。
お外にゆけず、喋り足りないようです。。。
さとさん、こういう美しい映画は多くの人に見てもらいたいなと思うんだけど、上映しているところが少ないのが残念よね。
中高年齢層の観客が多かったけれど、若い人にも見てもらいたいなと思いました。
すべての人、それぞれに違う人生があるんだなーと思ったわ。
そうね、お花をされている真蘭さんも、この映画をご覧になったら、きっと何か通じるものを感じ取られるんじゃないかしら?
ピーンと張りつめた何かが感じられたわ。
山崎努がうまかったわね~。
吉行和子もすっぴん(というか、もっとひどいメイク)で登場して、女優さんってすごいなと思いました。
マサさん、もっくんの奥さんは、「東京タワー」の映画で見ましたよ。お母さんによく似ているわよね。
もっくんも、かつてのシブがき隊(だったっけ?)の頃とは別人のように成長したわね。
美しい男っていいなーと思ったわ。
チェロを弾くところも素敵でした。
史子さん、どうぞどうぞ、お外に出られないうっぷんをはらしてくださいな。
ヒロスエはとくに女性に人気がないみたいね。なんか嘘っぽいの。この映画ではお腹が大きくなるシーンがあるんだけど、わざとらしいという感じを受けましたね。
そうそう、この映画の欠点は、何がメインであるかが、少しぼけていることかしら。話を盛り込みすぎたという点はあると思うのよ。
でもそれ以上に、私は山形のきれいな自然と、納棺師の仕事の内容に感激しましたね。
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