今年は電力不足のため、夏の暑さを乗り切るためにスーパー・クールビズが話題となっていますけれど、夏の衣服について、歴史的・科学的かつ文化的に解明している展示会が文化服飾博物館▼で開かれています。
「暑さと衣服 ~民族衣装にみる涼しさの工夫~」」という展示会です。
私は、このタイトルにすごく興味がありました。
というのも去年から和服を着るようになって、暑い夏にはどんな着物がいいのか、帯や下着はどんなものを用意すればよいのか、着物の達人という人の本を読んだり、MIXやブログでいろんな意見を読んだりして、それぞれの人の工夫に興味があったのです。
それともうひとつ、これは大昔のことになりますけれど、かつてアフリカの熱帯地方に3年も住んでいたので、「民族衣装にみる涼しさの工夫」を確かめたかったのです。
それで35度もあるという真夏の炎天下、暑さにめげず、着物を着て出かけてみたのです。
着物はうたどんからいただいた夏着物と夏帯です。
(写真はまたご紹介しますね)
文化学園服飾博物館は新宿から徒歩数分の文化服装がある一角にあります。
新宿駅からはずっと地下道が続いているので、着物で歩いていても暑さは感じませんでした。
(外を歩いていたらぶっ倒れたかも・・・)
目の前には都庁がそびえています。
博物館はこちら。
博物館の中は冷房がガンガンに効いているのでとても快適で、「暑さと衣装」というタイトルとはほど遠い感じでした。
この展示会は2会場に分かれていて、1階では日本の夏の和服が歴史を追って紹介されていました。
昔の皇后さまや宮中の女官たちが着ていた夏用の装束から、江戸時代後期・明治・大正・昭和時代の庶民の浴衣まですごくたくさん展示してありました。
よく集めたものだなと思いましたよ。
会場は撮影禁止だったので残念でしたが、麻・木綿・絹のそれぞれの夏用の布地が見本に置いてあり、そちらは手で触って肌触りなどを確かめることのできるコーナーがあり、科学的説明もしてあり、比較ができてよかったですね。
数多くの着物を眺めていると、昭和初期という浴衣などは私が子どものときによく見ていたものと同じなのでとても懐かしかったですけれど、昭和40年代くらいまでは同じような浴衣があったのではないかしら。
展示の説明によれば、麻で作られた夏の着物を帷子(かたびら)、
木綿で作られた夏の着物のことは浴衣、
絹で作られた夏の着物のことは単衣
と呼ぶ定義があるそうです。
「百聞は一見にしかず」と言いますけれど、やはり実物を見ると違いが分かりますね。
そして触ってOKの素材があるがとてもいいと思いました。
夏の着物は生地の素材や織り方、形にもいろいろ工夫があると説明がありましたが、絽にしても普通の横にすじが入った絽だけでなく、縦にすじが入る縦絽というのもあるそうで、涼しそうでした。
2階の会場には世界の国の中で、暑い国の民族衣装がマネキンに着せてあり、壮観でしたね。
アフリカはもちろん、中南米、中近東、アジアなど多数の国の衣装がマネキンに着せられていました。
やはり一番気になるのは、かつて私が暮らしていた国の衣装でした。
男性はゆったりとしたパジャマのような感じで、刺繍がすごくきれいなんですよ。その国の中でも民族がいろいろあるので、民族ごとに帽子の形も違うのです。女性は主に巻きスカートですが、インドネシアのバティックのような感じでしたね。
こちらは展示会のお土産。
夏着物の裾模様の絵葉書 5枚組 250円でした。
秋草や朝顔、流水がとてもすてきで、なんだか人に出すのが惜しいくらいです。
ここはパソコンの検索コーナーも充実していて、中学生・高校生の夏の自由研究にもちょうどいいのではと思いました。日本の和服の歴史も分かるし、世界の衣服のこともよく分かるので、衣類や織物などに興味のあるお嬢さんたちにもお薦めです。
「暑さと衣服 ~民族衣装にみる涼しさの工夫」
参考写真はこちら http://www.bunka.ac.jp/museum/text/kaisaichu.html
文化学園服飾博物館
東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル
2011年9月24日(土)まで(夏季休館あり)
大人入場料 500円
2 件のコメント:
まぁ、あの暑さの中、着物でお出かけするとは、としちゃん、すごい根性?ですね。
でも、としちゃんの住まいは駅のすぐそばなのでいいですよね。私は、駅に行くまでが暑くて、暑くて。電車に乗ってしまえばいいのだけど。
暑い国の衣装は、似ていますか?
素材やデザインに、それぞれ工夫が凝らされているのでしょうね。
ところで、昨日の「温故希林」はご覧になりました?私は、夫がボクシングを見ていたので、見られませんでした。
マサさん、ちょうど昨日の着物をアップしたところです。炎天下を歩くのはしんどいですよね。なるべく地下道とか涼しくて雨にも濡れないコースを選んでいきますよ。
暑い国の衣装は、風通しをよくしてあることね。それに日差しをよけるために長袖の方が多いですね。そういえばハワイの衣装がなかったかしら。
昨日のTVは見ましたよ。最初が嵯峨野の竹林のシーンだったのでずっと京都かなと思ったらそうでもなかった。アンティーク着物の紹介と言うよりも、古い着物のあまりきれで作ったパッチワークのような着物の紹介でした。希林さん自身、パッチワークをたくさん作っている人なので、意外でしたね。
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