2007年12月3日月曜日

一日に7回くらい・・・・


人間なら誰でも、毎日、うきうきしたり、むっとしたりすることがありますね。
あなたなら、一日に何回くらい、そういった感情の変化があるかしら?

脳科学の本を読んでいたら、ある大家(伊藤正男先生といって、この業界では超有名な方です)の説によれば、普通の人は一日に7回くらいはそういうことが起きるんですって。

ちなみに、今日の私の一日をおさらいしてみると、
1.いつもなら5時台に起きるのだけど、今日はちょっと寝坊してしまって、気がついたら6時20分だったの。昨日までの神戸旅行の疲れからかしら。あれー、大変、朝から冴えないな~と思ったのが、まず1回目。

2.旅行中にたまってしまった洗濯をたくさんしたので、お出かけまでに他の家事がうまくさばけず、ちょっとイライラ。それが2回目。

3.さて、お仕事に出かけようと思って自転車置き場に行ったら、雨がぽつぽつ。天気予報では雨が降るのは午後からだと言っていたのに、朝から雨とは。仕方がないので、また部屋まで戻って、傘を持ってきました。ということで、無駄な時間を過ごしてしまったわ、と思ったのが3回目。

4.お仕事でちょっとしたミス。まあ、死ぬほどのミスではないのだけど、ちょっと恥ずかしかったな。と思ったのが4回目。

5.夕方、お仕事はさっさと終えて、ヨガ教室へ。ここの先生はいろんな話をしてくれるのだけど、「嫌なことが起こると、お尻のほっぺたの辺りが硬くなるので、それをほぐしましょう」と教えてくれたの。へー、と思いつつ、ちょっと横座りをして、お尻をグリグリすると、気持ちいい。悪いものが消えていく感じ。いい事を教えてもらったわ、とにんまり。これが5回目。

6.帰宅してマンションのエレベーターに乗ったら、12階の人と一緒。私のほうが先に降りたのだけど、そのとき、12階の人が「おやすみなさい」と言ったの。まだ7時くらいだったのにね。でも、なんだか気持ちがよかったわ。というのが6回目。

7.食後に飲んだアールグレイがとてもおいしくて、そしていい香り。神戸のスリランカ料理のレストランで買ったのだけど、正解だったわ。と思ったのが7回目。

と、こんなことがあったのね、と思い出してみたら、ちょうど7回ありました。伊藤先生の説とぴったりよ。

こういう人間の感情の変化のことって、脳科学の難しい言葉で言うと、報酬系と嫌悪系というらしいの。
人間や生物の行動パターンには、ただ単に反射だけで起こるものがあるけれど(脚気の検査みたいに)、そうではなくて、外部からの刺激に対して、こういう反応をしたらそれがよかったとか、悪かったかを判断して、そしてよかったならもっとやってみる、悪かったなら、もう二度としないと思うような脳の反応のことをいうらしいの。

たとえば、早起きをしてみたら、とてもいいことがあったので、ずっと早起きをしてみるとか、電車の中で痴漢にあったなら、もうその車両には乗らないようにする、というのも報酬系や嫌悪系としての行動パターンなのかもしれないわ。

でもそういうことって、誰でもが自然に学習することだと思うのだけど、研究者というのは、そういうのをマウスを使って、迷路に入れてみたり、水の中に突き落としてみたりするのよね。実験結果の分析が問題なんだろうけど、昔から言われていることの裏づけというのも多いような感じがするわ。

それにしても、どうして7回というのかしらね。いろんな人に数えてもらったのかしら?

そしてね、その本によると、そういった報酬系や嫌悪系というのは、脳の中の視床下部というところと脳幹というところのあたりに存在するんですって。
そして報酬系というのが活動すると、気持ちがよくなり、嫌悪系が活動すると気分が悪くなるんですって。ものごとに対する感情って、もっと反射的なものだと思っていたのだけど、もう少し組織的なものなのね。

そういえばね、前に書いた「パレアナ」さんだったら、きっとどんな嫌なことがあっても、彼女の脳の中では、報酬系がいつも活動しているんだろうな、と思ったわ。
私もその日のうち、7回全部が報酬系とはいかなくても、嫌悪系より報酬系のほうが多い毎日にしたいわ。

今日のブログのもとになったのは、岩波科学ライブラリー「脳の中身が見えてきた」という本です。

ちょっと発行が古いけれど(2004年)甘利俊一、伊藤正男、利根川進という脳科学者の講演会でのお話を本にしたものなので、それほど難解ではない本です。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ふ~ん
なるほどね。面白いな。
今度数えてみようかな、でも最近はすぐ忘れてしまうので、そのつどメモしておかなければ!これは別の意味での脳科学を勉強しなければね。
でも嫌悪系が多いような気がするので、嫌悪系は早めに忘れた方が幸せかな?

おおしまとしこ さんのコメント...

感動が少なくなると、ちょっと、やばいかも。でも嫌なことはすぐ忘れたほうがいいかもしれませんね。