2008年3月10日月曜日
思いわずらうことなく・・・
「思いわずらううことなく愉しく生きよ」
江國香織 著
家庭内暴力を振るう夫と生活している専業主婦の長女
外資系の企業で働くバリバリのキャリアウーマンで売れないライターと同棲中の次女
自動車教習所で働くちょっと風変わりな三女。
この三姉妹を中心としたストーリーです。
三人とも、それぞれ夫や恋人はいて、都内の別々のところに住んでいます。
彼女達の両親はすでに離婚していて別居しています。
この三姉妹、仲が良くて、しょっちゅう一緒に食事をしたり、お酒を飲みに行ったりしているの。
そして父親や母親とも仲が良い。
一番思いわずらうことなく生きているのは三女かしら。
江國さんの小説って、ちょっと毛嫌いしていたのよね。
彼女は、私より一世代下(いや、二世代下かしら?)の作家さんだけど、東京の中流家庭に育った若い女性が主人公で、あまり生活感がないストーリーが多い、と思い込んでいたの。
「東京タワー」(おかんのほうじゃ、ないのよ)にしても何となくウソっぽい小説だったと思いました。
今回の本は、明らかにタイトルに惹かれて手にしてみました。
「思いわずらううことなく愉しく生きよ」
すごいタイトルよね!
うーん、思うわずらうことがなければ、いいわよね。
でも現実はくだらないことや小さなことで思いわずらうことが多いもの。
そうね、理想としては思いわずらうことがあっても、それを乗り越えて楽しく生きるのがいいかしら。
ちなみに「楽しく」と「愉しく」とはどう違うのかしら?
この本、かなり分厚くて400ページくらいあるのだけれど、朝読み始めて、その日のうちに読み終わってしまいました。
それほど、すらすら読めますが、内容はDVがあったりして、ちょいと重いわ。
三姉妹のそれぞれの恋愛は、終わってしまうものがあったり、軌道に乗り始めたりしたものがあったりするの。
女性なら読みながら、自分は三姉妹のうち、どのタイプかしら、とヒロイン達と自分を重ねながら読むのではないかしら。
私はこの三姉妹の10年後はどうなっているのかしら、と思ったわ。
ちょうど私がその年齢に達しているからでしょう。
それと、映像化したら誰がどの役をするのかな、とも想像しながら読んでいました。
この種の本って多分、男の人は手に取らないと思うのだけど、でもどんな感想を持つか、たずねてみたい気もするな。
江國さんの小説をもう一冊、読んでみることにしました。
今度のもタイトルがすごいのよ。
「号泣する準備はできていた」
わぁ、最近、号泣なんてしたことないなぁ。
感想はまたのお楽しみ。
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5 件のコメント:
下の娘は江國香織の本が好きで、本棚にたくさん並んでいます。私も、何冊か手にとったことがあるのだけど、内容はほとんど覚えていない。劇的なストーリーはないのよね。その中で、唯一心に残るのが、「デューク」
わずか数ページの短編なんだけど、せつなくて温かくて、ホロッとしました。たぶん、家に犬がいるからだと思うけど(笑)
「思いわずらううことなく愉しく生きよ」は、興味を引くストーリーですね。
お嬢さんは江國香織のファンなんですね。若い人はこういう本はスキかもしれません。
デュークは犬の話なのね。
「思い・・」には、DVをする男が出てくるのだけれど、そういうのはサイテーだと思います。
三女の新しい彼氏(お隣さんの息子なの)が、割とまともでいい感じかな。
今日もね、80近いお客様が私に「出来ることはドンドンしいやぁ・・もうこの年になったら思ってても身体が動かんわ!」
昨夜のテレビでターシャさんの言葉。
楽しみは自分で創る(作るじゃなかった創るでした)
私も色々思い煩うことが多いのですが愉しくいきたいと思うこの頃です。
さとさん、80歳のお客様がいらっしゃるのは、素敵ですね。刺激になりますね。
楽しみは自分で創る・・・・名言ですね。
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